【概要】
冷凍機械責任者は高圧ガス保安協会が行う試験で、正式には
「高圧ガス保安責任者」の冷凍機械区分という位置づけになります。
ビルメンなどの設備管理系の資格において
・ボイラー技士
という3種の神器と呼ばれる資格がありますが、設備管理の中に空調管理を行うための冷凍機がある場合はそれの管理責任者として必須の資格となるので、この冷凍機械責任者を加えた4種の神器の一つとして数えられることもある資格です。
第1種~3種まであり、区分としては冷凍機の能力に合わせて
第一種
全ての製造施設の保安が可能
第二種
1日の冷凍能力が300t未満の製造施設の保安
第三種
1日の冷凍能力が100t未満の製造施設の保安
となり、その資格を持つ管理者が必要となります。
今回はその中から私が実際に受験した第2種冷凍機械責任者についてを紹介します。
【科目と合格点】
法令:20問
保安管理技術:10問
学識:10問
全科目60%以上で合格(科目合格無し)
この試験の最大の特徴は何といっても
事前に講習を受けて合格すれば試験が法令のみとなる
という点です。
これは非常に大きなアドバンテージです。
合格率を見ても全科目受験での合格率が20~30%に対し法令のみの合格率は80%と、歴然とした差があります。
ただし講習は3日間、更に受講料も2万円余計にかかります。
年に一回しかないチャンスにどうしても欲しい、お金がかかっても良いから楽したいという人以外は普通に勉強した方が良いと思います。
【合格率と難易度】
2種の受験者は他の資格に比べると少なく毎年約3000人±1000人前後
その中で合格率は20~40%程度となっています。
2種は大体安定してこの数値ですが、2種より簡単とされる3種に関しては高い時は50%以上なのに対して低い時は20%未満と難易度にけっこう差があります。
個人的難易度を5段階で表すと
(5:難しい 4:やや難しい 3:普通 2:やや簡単 1:簡単)
3・・・普通
私は普通に5年分の過去問のみで十分合格出来ました。
ただ、他のボイラー技士や危険物などとは少し問題の出題形式に「癖」があり取っ付きづらいという印象もあります。
知識としては冷凍サイクルという特殊な概念を理解する必要があります。
この知識はエネルギー管理士でも勉強するので 私の場合は多少楽出来ましたが、全くの素人だと難しいと思うかもしれません。
【受験動機】
ビルメン4点セットを揃えたかったコレクター魂。
けっこうギリギリまで3種か2種のどちらを受験しようか悩んでいましたが、ネットでの「難易度はそんな変わらない」という噂を信じ2種を申し込み。
そしてこれが結果的に最良の判断となりました。
(後述)
【勉強方法】
・勉強期間
1か月(50~60時間位)
・使用した教材
第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集(電気書院)
この1冊のみです。
ちなみにこれは1種の問題集も併設されていてそのままではちょっと使いづらかったので、2種の範囲のみ切り取って使用しました。
この1冊を何回も繰り返し解きました。
この試験は他の試験と同じ5肢択一ですが、他の試験では
「どれが間違いか?」
を問われるのに対してこの試験では
「どれが正解か?」
を問われるので、記憶が曖昧だと意外と正解を導くのに苦戦します。
私は5年分で出てきた範囲は解説も含めて全てノートにひとまとめにしてそれを読み込んで復習する、という勉強も行いました。
○10月7日に勉強開始し4日後の11日には5年分の過去問が終了。
○11月7日までの1か月はこの5年分の過去問を解説込みで5回ほどやり込みました。
科目別勉強法
法令
ほとんど過去問の類似問題ばかりなので5年分を解くだけで間違いなく合格できます。
それ以上やるくらいなら下記の保安・学識の勉強に時間を割いた方が合格できる可能性は上がるでしょう。
保安
過熱運転の原因や、吸込み・吐き出し弁が漏れた時どうなるか等、実務に絡んだ問題が多く、馴染みのない人にとってはかなり難しいと感じると思う。(私もそうだった)
ちゃんと参考書で勉強するか、私のようにどんな時にどんな状態になるか・対応はどうするかなどをノートなどにまとめて覚えた方が良いと思う。
3種もそうですが、
この保安管理に受かるかどうかが合格に繋がります!
一応これも出題される範囲やパターンは決まっているので一度覚えれば応用は効くようになります。
5年分で不安なら10年分やり込んでも良いかもしれません。
学識
最初の2問が計算問題ですが、公式暗記だけで解けるすこぶる簡単なものしかないのでむしろ得点源にしましょう。
電熱や冷媒の特徴など保安と同じくなじみの薄い分野の勉強になりますが、ここは特徴を覚えればいいので個人的には保安管理ほど苦労はしませんでした。
私の個人的な科目別難易度は保安管理>学識>法令といった感じでした。
【受験体験】
○2020年11月8日
試験日の記録。試験どうこうよりもとにかく会場まで行くのが大変だった印象しかない。
試験自体は簡単でした。
○2020年11月9日
試験日翌日には解答速報が発表されるので自己採点。
法令、保安は9割。学識は8割という余裕の結果に。
○2021年1月12日
試験2か月後に合格発表。
○2021年1月18日
合格者にはハガキで通知が来るので免状申請。
この申請には収入証紙で約3400円ほど掛かります。
○2021年2月12日
申請から約1か月程度で免許が到着。
ちなみにこの年は第3種の合格率が過去20年最低の18%という数値を記録し3種受験者は阿鼻絶叫だった模様。
いや~2種を選択しておいて良かった!!
【最後に】
この資格を勉強していると身の回りにあるエアコンなどの動作や冷媒が気になるようになりました。
ネットの噂通り3種だから簡単・2種だから難しいということはあまりないと思うので、せっかく取得するなら第2種でも全然問題ないと思います。
さぁ、あなたも早くこの資格を取得して、
周辺の室外機を覗きまわる変態の仲間になりましょう♪