冷凍機械責任者の勉強をして冷凍サイクルや各種機器のことが分かってくると、冷蔵庫やエアコンの室外機とかが気になって気になって仕方なくなりますよね。
かく言う私も室外機を見れば所かまわず銘板で使用冷媒の確認をするようになりました。
皆の家にもある家庭用エアコンの室外機を確認してもらえば分かる通り(早く確認して。ほら)冷媒は現在「R32」というものが主流になっておりどこを見ても大抵R32というものが使用されています。
このR32ってなんぞや?と思って調べてみました。
R32とは?
・新冷媒と言われており、存在自体は昔からあったがエアコン用で使用され始めたのは比較的最近である。
メリット
・従来のエアコンに使用されていたR410Aと比べると地球温暖化係数がかなり低い。
・他冷媒より蒸発潜熱が大きく機器のコンパクト化が可能
・混合冷媒でなく単独冷媒なので追加補充可能
デメリット
・ガス圧高めなので漏洩時は注意
・R410Aは不燃性だがR32には微燃焼性があり取り扱いには注意が必要。
なるほどねぇ。
オゾン層を破壊すると言われ全廃されているCFC(クロロフルオロカーボン)に代わるフロンとして登場したHFC(ハイドロフルオロカーボン)の中でも環境負荷が少ないことは大きいですね。
デメリットも基本的には取り扱い注意というだけで、性質等を総合的に見ても従来のR410Aより優れているようです。
ということは大体最近のエアコンにはきっとR32が使われているんだなぁと思いながら、ふと会社の電気室に設置されている大型エアコンの室外機を見てみたら
「R410A」
・・えぇ?
うちの会社のエアコンはつい5年前くらいに導入したばかりの最近のエアコンのはずなのになぜわざわざR32以前に主流だったR410Aが使われてんの?
ということで居ても立っても居られずこれもネットで色々検索だ!
あまりこれだという記事はまだ見つかってないですが、気になるものとしては
・R32の冷媒はダイキン工業という所が開発している。
・この企業で初めて家庭用エアコンに採用されたのは2012年(まぁまぁ最近)。
・それ以降、2013年にオフィス用エアコン開発、2018年に大型オフィス用エアコンが開発されている(めっちゃ最近)。
そもそも冷媒にR32を採用されたのがけっこう最近で、はじめは小型のものだけであったものが段々大型の物まで採用されてきている。
ということでした。
会社のエアコンの銘板で確認してみると、冷媒量が3kg程度のものまではR32が、6kgを越える物についてはR410Aが使用されていました。
大型オフィス用エアコンにR32が採用されたのはまだ2年前の2018年だったようなので、それ以前の大型エアコンにはR410Aが使用されていたということなのでしょう。
なんとなくですが理由が分かり納得しました。
ちなみに我が社のプラントでは圧縮空気を除湿するのに冷凍式空気ドライヤというものも使用しているので、これにも冷媒があり「R407C」というものが入っているようです。
これは一般に何用かな?と思い調べると
主にチラー等
と出てきました。
・・なんだよチラーって。
調べるほど逆に疑問が増える負のループだわこれ。
会社で検索してるのにすでに2時間くらい冷凍機のこと調べてるよ。どうしてくれんだ。
チラーについて検索するとどうやら水の循環により目的の物体を加熱や冷却(=chill)する冷凍機械のことらしいです。
言われてみれば冷蔵庫にも他より温度の低いチルドルームとかありますね。
家庭用では使用されず主に業務用の設備に使用されているようです。
チルドルームと言えば冷蔵庫も当然冷媒が使用されているのでこれも家・会社のものをわざわざ後ろにずらして確認した所、全て「R600a」という冷媒が使用されていました。
これはイソブタンと言われる非常に可燃性の高い冷媒で、一般的には冷媒というよりむしろ燃焼させるための燃料として使用されているものです。
なので取り扱いには注意が必要ですが、自然冷媒であり環境負荷が先ほどのR410やR32と比べても段違いに低いので、充填量が少なく且つ安全性さえ気を付けられるのであれば、こういったノンフロン冷媒が積極的に使用されているようです。
といった感じで無駄に冷媒について調べてしまいました。
資格の勉強をしていると身の回りで今まで気に留めていなかった意外な所に着目することができて楽しいです。
消火設備を見れば何式か調べ
室外機を見れば容量と冷媒を見に行き
商業施設の管理室の中を何とか覗こうとする
そんな30歳前後の中肉中背でメガネを掛けた男
地元の不審者情報にそろそろ掲載されてそうです。