ボイラー
蒸気タービンでは電気事業法により、本体及び付属設備について運転開始日及び前回の定期検査終了後4年を超えない時期に定期事業者検査を行わなければならないと決められています。 今回は実際にどのような項目について検査しなければならないかをご紹介しま…
前回は起動方法についてでしたが、今回は起動後の通常運転中に蒸気タービンではどのような点に注意して運用しているかについて紹介します。 doragonking.hatenablog.com ・巡視点検 ⑴本体車室からの異音振動、蒸気漏洩の有無、伸び差値の異常の有無 ⑵軸受部…
・蒸気タービンとは 火力発電所であれば必須の設備である蒸気タービンは、鉄製の風車のような羽が何枚も重なったような見た目をしており、ボイラーで発生した蒸気の熱エネルギーを利用して回転する設備です。 この回転エネルギーが軸(ロータ)を通して発電…
約3年ほど前に、同僚と蒸気機関車にもボイラー技士がいるのかと言う話をしたことがあり、結果的には「蒸気機関車はボイラー設備がありボイラー技士は必要」という結論に至ったことがあります。 doragonking.hatenablog.com しかし時代は令和。 そもそも蒸気…
プラントの温度や圧力を調整するバルブは基本的に自動で制御されており、我々運転員が普段手動で介入することはありません。 ただ、肝心の制御がうまくいっておらずその原因が制御パラメータの応答性に問題がある場合は、PID制御の各パラメータ自体を自分た…
発電所のボイラーは蒸気が常に一定圧力になるよう燃料供給量を自動で制御する装置が備わっていますが、そこに設置されている同期発電機にも似たような制御が備わっています。 今回は自分の予習がてら発電機に備わっている制御方法について紹介します。 ・AVR…
以前水圧試験に関して 「最高使用圧力の1.5倍で行う時と1倍で行う時の違いは何ですか?」 「作業方法はどうやって行うか?」 の質問を受けたことがあるので、今回は私がやったことのある水圧試験の方法について説明してみます。 試験圧力が1.5倍と1倍の違い …
前回過熱器が摩耗した際のスートブロワの運用についての記事を書いたんですが、今回はスートブロワ自体に漏洩などのトラブルがあったらどう対応するかについてお話します。 〇前回記事 doragonking.hatenablog.com 前職・現職共に、スートブロワを運用してい…
工場というのは法律の宝庫です。 設備の維持・運用に関する規制はもちろん、燃料の貯蔵や工場からの排出物なんかの取り扱いに関する法律から音、臭い、景観に至るまでありとあらゆるものが実は厳密に法律で決められており、それを遵守していく必要があります…
最近はボイラーの運転以外の目標として機械保全関係の勉強をしようと思っています。 前職では色んな作業を運転員でもやっていたのですが現在はあんまり現場作業することも無くなってきたのでせめて知識や出来る限りのことはやっていこうと思い、今年に入って…
【空気予熱器とは?】 ボイラーで燃料の燃焼用空気の温度を排ガスとの熱交換によって過熱する為の装置です。 doragonking.hatenablog.com ボイラーの熱効率を上げると言う目的自体は前回紹介した給水加熱器と同じですが、給水加熱器がタービンで仕事した蒸気…
【給水加熱器とは?】 その名の通りボイラーに給水する水を加熱するための設備で、見た目はボイラーによくある蒸気ドラムと同じ横方向に長い筒のような形状をしています。 なぜボイラーは燃料を入れて水を沸騰させているのになぜわざわざ事前に給水を加熱し…
ボイラーにはスートブロワと呼ばれる、ボイラーで発生した蒸気を一部利用して過熱器や節炭器、空気予熱器の配管に噴射するという設備が設置されています。 過熱器、節炭器、空気予熱器は排ガスと各媒体を接触させ、排ガス温度を下げて蒸気や給水、空気の温度…
私の趣味の一つにはプラントが立ち並ぶコンビナートを巡る「プラント鑑賞」というものがあり去年の今頃もソロでコンビナートへ出かけておりました。 工場で働いていると他の工場を見た時も 「あの設備は多分あれ目的だろうな」 みたいになんとなくですが予想…
過熱器とは ボイラー内で燃料を燃焼させて給水を加熱することで発生した直後の蒸気は飽和蒸気と言って、水分を含んだ状態の蒸気になります。 この飽和蒸気を燃焼時に発生した高温排ガス等と熱交換させることでほとんど水分の無い過熱蒸気を作り出します。 こ…
【安全管理審査とは?】 【安全管理審査の登録機関】 【定期事業者検査のインターバル】 【システム区分による安全管理審査項目】 【最後に】 発電所に勤めているなら必ず知っておかねばならないのがこの安全管理審査というものです。 電気事業法で定める電…
プラントの点検時にバグフィルタのろ布を新品に交換した場合はろ布にプレコートを行うことが推奨されています。 ・・・と言ってもどういうことなのかよくわかんない人もいると思うのでバグフィルタとプレコートについて少し説明します。 【バグフィルターと…
【乾燥焚きとは?】 ボイラー内部には多数の水管があり、燃料の投入口付近など水管が摩耗するリスクの高い場所などには水管を保護するための耐火材と呼ばれるものを打ち込みます。 耐火材はコンクリートみたいに水と混合して流し込んで形成させる物なので、…
先日行った講習でボイラーの歴史について勉強できる機会がありそれがけっこう興味深いものでした。 よくよく考えたら確かにボイラーについての勉強はしている癖にボイラーの歴史についてはあんまり考えたこともなく・・・ ボイラーマンを名乗っているのにも…
【最初に】 【人員事情について】 【給料事情について】 【勤務体制について】 【将来性について】 【最後に】 【最初に】 今回は現在ボイラー業界で流行りのバイオマス発電所についてのお話です。 私のブログや、ツイッターを始めてからのダイレクトメッセ…
先月から遊んでる記事ばっかで全然ボイラーについて話してないので、久しぶりに真面目な記事書いていきます。今回はタービンについてです。 電験やエネルギー管理士の勉強でもタービンの構造や種類は出てきますが、そこで勉強するのは大体 「衝動型と反動型…
※ちなみに我が社では無いです。 業界紙で周ってきた情報によると燃料投入口付近の耐摩耗材の消耗が激しく周囲の耐火材が摩耗→耐火材脱落により水管損傷に至った発電所があったとのことです。 炉内に砂を入れて流動させることで燃料を燃やす流動層式ボイラー…
私が読んでいるブログにビルメンで設備管理をやっている人がおり、その中の記事の一つに 意味は分からないけどポンプに付いてる圧力計の点検時の目安は圧力0.1MPaで揚程10mだと教えて貰った との話がありました。 確かに私も入社した時先輩にそう教えて貰っ…
久々にボイラー設備についての記事を書こうと思います。 今回は冷却塔についてです。 【冷却塔とは】 冷却塔の役割は「冷却水の温度を下げる」ことです。 そもそも発電所の冷却水は ①発電に使用した蒸気を水に戻すための復水器 に大量に使用します。 その他 …
最近はコロナの影響で色んな企業がリモートワークを導入していますね。 わが社でも事務職の方に関してはリモートワークが適用されていて事務所はめっきり人が減っているようです。 そうなると疑問なのが ボイラーも遠隔監視でリモートワーク可能なのでは? …
ボイラーの事を最近語って無いなぁと思ってネタを考えていたら そういえばボイラーの設備についてあんまり書いてないなぁということに気づきました。 電験やエネ管、ボイラー技士なんかの資格にもボイラー用語は出てきますが、業界人でもないと名前や役割く…
ボイラーを止めて整備した後に再び水管水張りを行うのですが、水管内は水を抜いて置いておくと錆が発生しだすので、意外と汚いです。 なのでこの時には出来る限り一回ボイラーに水を溜めて全部抜き出す「水洗」作業を行うのが望ましいです。 先日私の会社の…
基本的に発電所は24時間運転していますが、定期的に停止させて点検・メンテナンスを行う日があります。 この発電所の定期検査は定期自主検査と定期事業者検査の2種類あり、定期事業者検査は数年に1回、法的に必ず行う必要があります。 日数や頻度は会社によ…
と言ってもトラブルじゃないよ? ちゃんと計画的な停止です。 ボイラーは定期的に止めて内部を点検する必要があるので、今回はその為に止めました。 私がボイラー大好き変態人間なことは現職場も周知の事実。 なので定期点検時のボイラー起動停止に関する操…
前職でも現職でも、そして研修先や見学先でも、交代勤務をしているプラント運転員には数名1チームで班があり、必ず班長またはリーダー的な人がいます。 一般的にリーダーといえばチームを引っ張っていく頼れる存在であると思われていますが、実はそんな人た…