9月半ばからプラントの定検が始まり、不具合が見つかり起動日が大幅に伸びてしまっていましたが、不具合設備の交換作業も終わりようやく起動にこぎつけることが出来ました。
・第1事故発生
プラントの起動は早朝から始まり、重油バーナ点火後に昇温昇圧、主燃料投下、タービン起動、そして発電機送電開始と順調に進んでおりました。
今回の起動もうまくいって良かったネ!
などと同僚と話しながら、後は定格出力になるのをゆっくりコーヒーでも飲んで待つのみ・・・
なんてまったりしていたら、トラックの運転手が何やらとても焦りながら中央操作室へ飛び込んできました。
運転手さん「す、すみません!ちょっとトラックで灰積んだ後に出発しようとしたら機械にぶつかっちゃいました!」
我々「はえ~そうなんですか。やっちゃいましたねぇw」
今までにも燃料を下す為にコンテナを上げてそのまま発進してしまい燃料棟の屋根にぶつかっちゃった・・・なんて事故が何度か発生していたので、今回もそんなノリだろうなと笑って現場へ向かう我々。
しかし運転手が向かった現場は燃料受入棟ではなく灰タンク。
そしてそこには
「煤塵が入ったままなぜかコンテナが上がっているトラック」
「上がったコンテナにぶつかり完全に破損している灰出し用設備」
「構内道路に飛散しまくっている煤塵」
・・・
我々「なんだこれーーーーー!!」
大惨事じゃねぇか!!
どういう状況だよ!!
なんで灰出しのトラックがコンテナ上げてんだよ!!
本来の灰出しは
灰タンク下にある灰出し用設備にトラックのコンテナを配置し、灰出し作業を行い、ある程度灰をコンテナに積んだら重量を測って終了。
というとってもシンプルな手順。
そもそも「トラックのコンテナを上げる」なんて手順は存在しないはず・・・・
運転手に確認した所、どうも他所のプラントでやっている作業手順を勘違いして弊社で行ってしまった模様。
どんなプラントなら灰出し後にコンテナ上げて発進するんだよと突っ込みながらも飛散した煤塵を清掃、その後灰出し設備の確認をしましたが、タンク下から伸びる配管及び設備が完全に曲がってしまっており灰出しが不可能な状況に・・・
・第2事故発生
灰出しトラックによる設備破損事故は業者に任せるとして、取りあえずプラントの起動は継続との指示が出たので我々はそちらの操作に戻りました。
プラントの起動は無事に計画した時間通りに出力が上がったので、後のことは次直の班に任せて定時に帰宅しようとしていた所
ガン!!
というでかい金属音が聞こえたのでびっくりして音のした方を見ると、
燃料を運ぶトラックに横から自社フォークリフトがケツから突っ込んでおりました。
フォークリフトは丁度備品を運んでいる最中だったようで、多分備品を運ぶためバック走行していた所トラックが来ていたのに気づかず尻から突っこんでしまったんだと思います。
しかもまぁまぁ盛大に突っ込んだみたいでトラックの荷台部分が完全にへしゃげておりました。
なんだこの現場・・・
なんでプラント起動という大事な日にこんな事故が2回も起こるんだ?呪わているのか?
とりあえずリフトとトラックの運転手は双方無事みたいだったし私は早く帰りたかったので、さっさとその場を離れました。
工場で働いていれば危険な作業も多いし、普通の仕事より事故の確率は格段に増えますが、それにしたって一日2回も事故起こるってのは流石に凄い確率だと思います。
人に怪我が無かったのは幸いですが、工場勤務者なら誰もが知っている
「1件の重大事故の裏には29件の軽微な事故と300件の怪我に至らない事故がある」
というハインリッヒの法則にあるように、軽微な事故の積み重ねでそのうち重大事故に繋がるので、自分がそれに巻き込まれないよう気を付けたいです。
他人はどうなろうと別にいいんですが(クズ)