先日行った講習でボイラーの歴史について勉強できる機会がありそれがけっこう興味深いものでした。
よくよく考えたら確かにボイラーについての勉強はしている癖にボイラーの歴史についてはあんまり考えたこともなく・・・
ボイラーマンを名乗っているのにも関わらず「これはいかんな!」と思い、その後私も個人的に調べてみました。
今回はその講習で習ったことや調べた内容について記録がてらまとめてみました。
詳しいことは私のようなクソブログではなくもっとちゃんとしたブログやウィキペディアなりでしっかりとした記事を参照してください。
【ボイラーの歴史】
・1712年 丸ボイラー爆誕
歴史上で始めてのボイラーと言われているのは「ニューコメンボイラー」と言われています。
これはその名の通りニューコメンという人が開発した丸ボイラーで、鉱山から湧水を汲み出すために使用される自動つるべ井戸のようなものでした。
当時は工業化が進むにつれ鉱山業が盛んになりましたが、そこから湧き出る水の排水に課題があったため、それをくみ取るための本格的なポンプ及びその動力源に石炭を使用したボイラーが開発されたとされます。
この最初のボイラーは採掘される石炭燃料の約1/3が投入される効率だったとされます。
ちなみに日本の歴史ではこの時大体8代将軍の徳川吉宗がいた時代です(1716~1745年)
暴れん坊将軍が侍相手に暴れん坊していた時にはすでに英国ではボイラーについて切磋琢磨していたわけですね。流石は英国紳士。日本はもっと頑張れ。
・1765年~ 本格的な蒸気機関の誕生
ジェームズ・ワットという発明家がニューコメンボイラーの大幅な改良に成功しました。これにより効率が良くなったことで燃料消費量も減り、工場のポンプに利用される他1807年にはロバート・フルトンというアメリカの技術者が外輪型蒸気船の航行に成功、1825年にはジョージ・スチンブンソンにより蒸気機関車の鉄道の実用化が行われるなど幅広い分野での産業革命による発展を支えました。
ちなみに当時の蒸気機関車の性能は、最高速度40km、80tの石炭を使用し2時間で15km程度と言われています。
・1825年 水管ボイラーの実用化
水管ボイラーの実用化ですごい所は、初の大容量化に成功したことでしょう。
炉筒煙管ボイラーに比べよりたくさんの蒸気を高温高圧で作れるようになったことでボイラーの需要はさらに高まりました。
・1865年 ボイラー史上最悪の事故、蒸気船サルタナ号爆発事故発生
まだ色々なノウハウの確立前だったボイラーの歴史は事故との闘いでもありました。
1815年のロンドンで起こった初のボイラー破裂事故の他、1854年にはアメリカのコネチカット州ハートフォードにて死者20名の爆発事故などボイラーの破裂事故が相次ぎました。
1865年にはアメリカのミシシッピ川で蒸気船サルタナ号の爆発により死者1,200名というボイラーの歴史上でも最大級の事故が発生しました。
この事故を契機にハートフォード蒸気ボイラー検査保険会社が設立され、ボイラーの検査や保険に関する業務が本格的に開始されることになります。
その後は1925年に強制循環ボイラー誕生、1927年に貫流ボイラーが実用化と、1825年に水管ボイラーが実用化されてから100年の時を経て新たな形式のボイラーを編み出してきてます。
日本では1959年に「ボイラー及び圧力容器安全規則」制定、1972年に「労働安全衛生法」が制定され本格的な法的規制によりボイラー設備に関しての取り扱いが行われることとなりました。
こうして300年前に初めてボイラーが誕生したことを考えると、日本で初めて労働安全衛生法が出来たのが50年前なのでなんかつい最近のように思えますね。
・・・ということはボイラー技士が誕生したのも1972年なんだろうか?
気になって前会社から持ってきてた社員資格取得情報を見た所、2級ボイラー技士最古の取得者は私が入社した年に定年退職された方で、取得年月は「1976年12月」とありました。
なのでやはりこの労働安全衛生法が出来た時にはこの資格もあったということでしょうか。
ちなみにその方は元々は電気主任をやっていた人で1972年9月に第2種電気工事士、1975年11月に電験3種、1976年6月に電験2種を取得していた模様。当時は知らなかったがとんだバケモンがいた。
話は逸れましたがこうしてボイラーの歴史を調べていくと、日本最古の火力発電所とか歴代に起こった様々な事故とか、色んな雑知識が知れて楽しかったです。
ボイラー好きならこのゴールデンウィークの休みを利用して色々調べてみるのも良いのではないでしょうか。
まぁボイラー業界の人だったら私のように連休関係なく働いているでしょうけどネ☆