【概要】
公害防止管理者は産業環境管理協会が行っている国家資格です。
この資格には種類がたくさんあり、またその種類によって受験料も変わってきます。
◎試験区分と受験料
試験区分 受験手数料 大気関係第1種公害防止管理者 8,700円
(非課税)大気関係第3種公害防止管理者 水質関係第1種公害防止管理者 水質関係第3種公害防止管理者 ダイオシキン類関係公害防止管理者 公害防止主任管理者 大気関係第2種公害防止管理者 8,200円
(非課税)大気関係第4種公害防止管理者 水質関係第2種公害防止管理者 水質関係第4種公害防止管理者 騒音・振動関係公害防止管理者 特定粉じん関係公害防止管理者 一般粉じん関係公害防止管理者
この中でも最もポピュラーなものは
「大気関係」と「水質関係」
の2種類になります。
この2つに関しては更に1種~4種まで区分けされていますが、これは難易度の違いではなく、選任されるのに必要な施設による区分けになります。
具体的には、
「1種」は指定されている有害物質を排出し、指定量を超える排水や排ガスを発生する施設に必要
「2種」は排水・排ガスは指定量を超えないが、指定されている有害物質を排出する施設に必要
「3種」は有害物質は発生しないが、指定量を超える排水や排ガスを超える施設に必要
「4種」は有害物質の発生が無く、排水・排ガスも指定量を超えない施設に必要
となります。
つまり、有害物質が発生する施設なら1種か2種が、排水・排ガス量が多い施設なら1種か3種が必要となります。
【課目と合格点】
◎各区分の試験科目
数字は問題数です。
全ての課目を60%以上正解すれば合格となります。
一見すると科目数が少なく簡単そうですが、逆に言うと膨大な範囲の中からたった10問しか出題されないということなので試験対策がしにくい試験です。
課目合格制度が有り、一度合格すれば3年間はその科目を受験免除出来る為、科目を絞って勉強するのも手です。
大気関係の科目には「大気概論」「大気特論」「粉じん特論」「大気有害物質特論」「大規模大気特論」があります。
どの科目が難しいかは人により異なりますが、個人的に最も鬼門となるのは「大気概論」と「大規模大気特論」であると思います。
大気概論は問題の難易度自体は大したことはないですが、問題数が10問と少ないため1問間違えた際の割合が大きく、また参考書に載っていない時事問題も出題されることがある為意外と落としやすい科目です。
大規模大気特論は専門性が特に強く取っ付き辛いうえに問題数が10問しかないので、人によっては大気概論よりやっかいな科目となります。
「大気特論」「粉じん特論」も専門性は高いですが問題数は15問ある為、上記二つの科目よりは間違えられる問題数は増えること、そして計算問題が2~3問程度出題されますが毎年類似問題ばかりで点が稼ぎやすいので合格するだけなら容易であると思います。
「大気有害物質特論」は大気の中では最も簡単であると思われます。
こちらも問題数は10問ですが、そもそも大気の有害物質は水質に比べると数種類しかないので範囲も狭く、過去問の類似問題も多いので過去問だけでも十分合格できます。
【受験動機】
エネルギー管理士の時と同じく、この試験に合格すれば報奨金がもらえた為、お金の為に受験しました。
私のいた会社では、大気3種があれば良かったのでまず3種を確実に取得し、余裕があればそのあと1種を受けようと思ってました。
また、
「エネルギー管理士に合格できたならこの資格も余裕やろ!!」
という過信もありました。
そしてその過信で地獄を見る事になります。
【受験時期】
受験時期
■1年目(3種:総論、大気特論、粉じん不合格)
実はこの受験を決めた年に会社で異動がありボイラーマンでなくなった時期があるんです。
なのでこの時のモチベーションは最低。過去問6年分だけどうにか回して受験しましたが結果は惨敗でした。
ただ、「まぁこの課目はいけるっしょ!!」と思った課目は軒並み落ち、
「この課目は来年に回そう・・・」と思った課目が合格したので、本当にその年の「運」というのもかなり結果に左右される試験だなと思いました。
・公害総論(15点中7点)
この課目は過去問やってれば十分合格できるというデマを信じ惨敗。
私は、いつも そう
・大気概論(10点中7点)
「過去問だけではきつい。運次第」という評価が多い中、過去問だけでなぜか受かった課目その1。
・大気特論(15点中7点)
「エネルギー管理士の課目Ⅲ:燃焼と範囲がかぶっているし余裕やろ」という精神で挑むも惨敗。そこまで甘くない。
・粉じん特論(15点中8点)
「大気の中では有害特論の次に簡単」というデマを信じた結果惜敗。
帰りの電車内で1点足らずという事実を知った時には思わず
「っっあぁっ!!」
と座席を叩いた。多分向かいの人はそんなボイラーマンの悲しい姿を見てこう思ったであろう・・・
(この人頭おかしい)
・大規模特論(10点中7点)
「取っつきにくいので要勉強が必要」という評価だったがなぜか合格した。
どんな内容だったか。全く覚えていない。
■2年目(3種:総論不合格)
この年に再び異動でボイラーマン復活となり、モチベーションも最高潮へ。
かなり気合を入れて半年前からバリバリ勉強する。
・・・のにまさかの不合格確定。
試験日の夜。晩御飯も喉を通らず、枕を涙で濡らし一睡もできず、何度も2ちゃんねるのスレを見返す悲しきボイラーマンの姿があった。
・公害総論(15点中8点)
参考書まで駆使して10年分過去問をやりこんだのにこのざまである。
帰りの電車内で1点足らずの事実に気づいた時、思わず
「っっっっっあっっあぁぁん!!」
とリアルに座席を何度も拳で叩きつけた。
そんな悲壮なボイラーマンの姿を見た乗客はこう思ったであろう・・・
(この人頭おかしい)
・大気特論(15点9点)
エネルギー管理士で勉強したし大丈夫っしょ!!と過去の反省を活かさなかった結果ギリギリ。
この慢心だから落ちたんだろうなぁ
・粉じん(15点中12点)
気合い入れて勉強した結果、かなり余裕をもって合格。他の課目も慢心がなければこれくらい取れると思う。
■3年目(3種合格)
1科目の為だけに3か月みっちりやり込んだ結果、試験開始10分程度で解き終わるほど余裕だった。
最初からこんくらい勉強しとけば去年の屈辱はなかったであろう。
・公害総論(15点中14点)
時事問題以外は完全に自信を持って解けた。
■4年目(1種合格)
この年は特級ボイラー技士と一緒に受験した為、わずか1か月の間で勉強した。
大気課目で最も簡単という情報と過去問勉強で軒並み7~8割取れたため余裕を持っていたが、まさかの本番はギリギリだった。
・有害特論(10点中6点)
最初の3問目まで全く分からず焦るが、何とかその後で挽回。運も味方に付け適当に書いた問題が1問正解していたことで何とか合格となった。
ちなみに2ちゃん情報だとこの年が最も難化したらしい課目。
・・・ざっけんな!!
【勉強方法】
「参考書」
公害防止の技術と法規 大気編(産業環境管理協会)
これ一択です。
この参考書の文章がそのまんま問題で出題されます。
ただ別名「電話帳」と呼ばれるくらい分厚いので、科目を絞って勉強している様でなければ過去問ででた範囲を見る程度にしておいた方が良いです。
「問題集」
公害防止管理者国家試験 正解とヒント(産業環境管理協会)
公害防止管理者等国家試験 正解とヒント 大気関係第1種~第4種/特定粉じん関係/一般粉じん関係〈2014~2018年度〉
- 出版社/メーカー: 産業環境管理協会
- 発売日: 2019/04/01
- メディア: 単行本
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これ一択です。
最新のは5年分掲載されていますが過去のものは3年分しかないので、やり込みたいなら複数購入する必要があるのが難点です。
私はこの問題集を3~4冊買いこんでやり込んでました。
もし解説が必要ないのであれば、ネットに問題のみ載っているのでそちらを利用するのも手です。↓↓
国家試験 / 国家試験の問題と正解|国家試験・資格認定講習|公害防止管理者 |一般社団法人産業環境管理協会
【最後に】
結局計画では3年で取り切るつもりが4年かかってしまいました。
この試験は勉強量に比例して点が取れるというより、本当に運要素も大きいのがいやらしいと思います。
結局は広く浅く勉強して、なるべく1発合格を狙った方が効率が良いのかもしれません。