私が上記の資格を持っていることを知っている同僚やブログの質問の中でも最も多いのがこのタイトル。
「公害防止管理者大気と特級ボイラー技士とエネルギー管理士熱だとどれが一番難しいですか?どれから勉強するのがおすすめ?」
これは非常に難しい質問です。
まずその人のバックグラウンドとしてどの程度知識があるか?
仕事の実務として取り扱いの経験があるか?
計算が得意か暗記が得意か?
等など・・・
個人の力量や経験にけっこう左右されるので、あくまで私が感じたそれぞれの難易度として考えてみます。
まずはそれぞれの資格について、「問題数」「計算問題」「暗記問題」「過去問類題」「取っつき易さ」を簡易表にまとめてみました。
青い字が私がその資格の良い点(メリット)だと思う所、赤い字は悪い点(デメリット)だと思う点です。
◆公害防止管理者大気の特徴
・科目数が多く(1種だと6科目)全科目60%で合格
・1科目あたりの問題数が少ない(10問または15問)ので、1問の正解不正解が合否を分ける割合が大きい
・計算は大気特論、粉塵特論で1~2問程度、また過去問の流用多め。
・暗記問題が多く、過去問からの流用は少なめの科目も多い
・暗記量は多いものの、逆に言えば暗記さえすれば良い。しかも通称「電話帳」と呼ばれる参考書の文面から必ず出題され、更に全科目で5肢択一問題の為、初心者でも勉強しやすい。
◆特級ボイラー技士
・4科目平均60%で合格だが、他の二つと違って1科目40%でも平均で60%を超えていれば合格できる
・計算、記述、穴埋め、選択の大問5つで編成されており、計算問題・記述問題は全て自分の手で記載する必要がある
・どの科目も1、2問目に必ず計算問題が出題される
・計算と暗記問題の比率が丁度良く、どちらかに力を注いでも挽回しやすい
・過去問からの類題はあるので過去問だけでも十分合格圏内にはなれる。・・・が、過去問や参考書が少ない上にどの科目も半分は論述問題、内容もマイナーで調べにくいものが多く、ボイラー経験者でも解答に慣れるまで相当に時間が掛かる。
◆エネルギー管理士熱分野
・4科目全てで60%以上で合格。
・1科目あたりの問題数が公害防止や特級ボイラーに比べかなり多い。多少ミスしても挽回しやすい。
・計算問題が公害防止管理者、特級ボイラー技士に比べかなり多い。特に科目2「熱力学」はほとんどが計算問題で構成されており計算に苦手意識のある人は苦戦しやすい。
・問題数が多い=暗記する量も多い。特に科目1の法律関係、科目4の設備関係は実務をしていないと想像できないので取っつきにくい。
・暗記も計算も万遍なく勉強しないといけない上に問われる分野の専門性も高く、初学者にはけっこうハードルが高い。・・・が、実は過去問とほぼ同じパターンが問われることが多く、一度勉強して覚えてしまえば意外と点が取れたりする。
私が勉強した感想としては、
問題の難易度の高さ
エネ管熱>特級ボイラー>公害防止
過去問だけで合格のしやすさ
エネ管熱>特級ボイラー>公害防止
よって、
「勉強はしやすいけど過去問だけでは合格しにくいのが公害防止管理者。勉強は取っつきにくいけど過去問からの流用が多く合格はしやすいのがエネルギー管理士。特級ボイラーはどっちもその中間。」
って感じでした。(実体験として、勉強時間はほぼ同じで過去問オンリーの勉強のみでエネ管、特級ボイラーは一発合格でしたが公害防止は3年掛かりました。)
この3つの資格はどれも似たような分野なので問題も似たものが多く、特に公害防止の「大気特論」、特級ボイラーの「燃焼」、エネ管の「燃料と燃焼」に関しては全く同じ問題が出題されます。
また特級ボイラーの「構造」とエネ管の「伝熱工学」に出てくる計算問題も全く同じパターンで解けます。
なので初学者が勉強すると仮定したときの私のオススメは
合格はしにくいけど勉強が一番取っつき易い公害防止管理者大気から取得
→「燃料と燃焼計算」分野の内容が公害防止の大気特論と丸被りのエネルギー管理士熱分野を取得
→エネ管で勉強した伝熱工学の計算と、公害・エネ管両方で散々勉強した「燃料と燃焼計算」分野を生かせる特級ボイラー技士を取得
が一番省エネの王道パターンかなと思います。
特級ボイラーは受験するのに1級ボイラー技士が必要なので、もし取得していなければエネ管の勉強時期と合わせて取得しておけば、更に勉強効率は上がります。
もしこれから3個の資格を取得しようとしている方がいれば参考にしてみて下さいね。
ちなみに私はエネ管→公害防止→特級ボイラーの順に取りました。
王道パターン?
良いんです。自分が取れる奴から取ってけば。