私がボイラーマンだ

3度の飯よりボイラー好き。ボイラーをこよなく愛する火力発電所勤務の変態ボイラーマンの日常を綴ったブログ

工場風景を撮る写真家について

工場風景私も好きです。

 

特に夜景が好きで本も何冊か持ってます。

 

工場夜景

工場夜景

  • 発売日: 2015/02/12
  • メディア: 単行本
 

 

 

工場萌え

工場萌え

  • 作者:大山 顕
  • 発売日: 2007/03/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

精油プラントや化学プラントみたいな大規模コンビナートの壮大な夜景の他、小規模な工場にこじんまりと光る夜景なんかもたまりません。

 

私も子供と一緒にドライブがてら海沿いの工場をコーヒー片手にボーッと見てたりします。

 

 

有名スポットとかでは、そんな風景が好きな人が写真を撮っているのを見かけることがあります。

かくいう私の職場も、ちょくちょく夜景を取りに来ているのを夜勤中に見かけます。

 

まぁ遠目から写真撮って帰るだけなら良いのですが、たまにマナーの悪い人や変態がいるんです。

 

①立ちションして帰る奴

しかもこっちの敷地フェンスに向けて。

明らかに悪意あるだろ!!

 

②外周フェンスにカメラのレンズ突っ込んでる奴

少しでも近くで撮りたいのか?

でも大抵プラントの外周フェンスには人体や異物を検知して警報が出るセキュリティが備えてあるので、こういう奴がいると警報が鳴ってセキュリティ会社が駆けつけてしまうので面倒このうえありません。

 

③車の運転爆速で走ってくる奴

そんな急がんでも工場は逃げないよ?

でも出退勤する人が危ないからもっとゆっくり来てほしい

 

④会社の正門に停車して撮影する奴

他にも空き地はいっぱいあるのに、よりにもよってそこに止める!?

邪魔だよ!!

 

⑤道路のド真ん中に車止める奴

邪魔だよ!!!

 

 

 

工場夜景を撮る人に言いたい。

 

うちの会社もそうだが工場は大抵外周カメラで周辺見れるから!

あんたらの行動結構見てるから!!

 

電車の撮り鉄には頭おかしい人が多いんですが、工場夜景取る人がこう言われない為にももっと節度ある行動をしてもらいたいものです。

 

 

 

 ちなみに私が夜勤中に工場夜景を撮影しに来た人を見つけた時は

工場の照明全消しして嫌がらせしてます♪

ボイラー技士の必要性。労基ボイラーと電事ボイラーの違い

 

【初めに】

ビルメン3種の神器として名高い2級ボイラー技士

 

工業系の学校でもこの取得を推奨する所はけっこう多く

毎年2~3万人が受験するボイラー業界では最も有名で人気の高い資格です。

 

 

でも1級になると途端に受験者が減り(5000人くらい)

特級ともなると500人ともう絶滅危惧種なみ。

 

ではなぜこんなにも格差が広がっているんでしょうか?

 

大きいボイラーはたしかにそこら中には無いですが、それでもそういった施設では1級や特級は必要ないのか?

 

そもそもこの資格が無いといけないのか?

 

私が新人ボイラーマンの頃、そんなややこしい疑問について個人的に調べてみたことがあります。

 

【ボイラー技士の必要性】

結論から言うと、

どんな大きいボイラーでも、発電していればだいたいは2級ボイラー技士で良い

ということになります。

 

逆に

発電していないボイラーは大きさに合わせたボイラー技士が必要

になります。

 

ボイラー技士の法令を勉強していれば皆さん知っていると思いますが労働安全衛生法では、

2級は伝熱面積25m2未満

1級は伝熱面積25m2以上500m2未満

特級は全ての伝熱面積

ボイラーの大きさに合わせてこれらの有資格者から「ボイラー取扱作業主任者」を選任しなければなりません。

 

じゃあ大きいボイラーは全部特級がいるのでは?

となりますね。私もそうでした。

でもここでややこしいのが、これが該当するのが労基ボイラーの場合のみであるという点です。

 

これが発電用ボイラーに該当する場合、「ボイラータービン主任技術者」という有資格者を選任すれば「ボイラー取扱作業主任者」は選任する必要が無くなります。

 

【労基ボイラーと発電用ボイラーとは】

簡単に言うと

労基ボイラーは

発生した蒸気を発電以外の用途に使用しているボイラー(製品を乾燥する、温めるなど)

発電用ボイラーとは

発生した蒸気をタービン発電機により電気を作ることに使用しているボイラー(発電所

 

です。

特殊な例として、作った蒸気を製品の乾燥で使用し、余剰分のみ発電に使用するという双方の特徴をもつボイラーもあります。

この場合も発電用ボイラーに該当するようです。(細かい区分けはあるかもですが)

 

この労基ボイラーに該当する場所では、労働安全衛生法が適用されボイラーの伝熱面積に応じたボイラー技士が必要となり、発電用ボイラーに該当する場合は電気事業法が適用されボイラータービン主任技術者が必要となるわけです。

 

【最後に】

じゃあボイラー技士の必要性ってあんまり無いのでは?

その通りです。

でもそれは先に言った通り1級や特級以上の場合で、発電用ボイラーでは確かに作業主任者の選任はいりませんが、「ボイラーの取り扱い」自体は2級ボイラー技士以上の資格を有するものしか行ってはいけません。

 

なので2級ボイラー技士を取得する分にはメリットはあります。

これからボイラー業界を目指す人は安心して勉強してください。

 

今はその2級ボイラー技士すらいらんボイラーが増えてきているようですが。

(けしからん!!!)

発電所とコロナの影響

ありません!!(完)

 

 

まぁ厳密にいうと全くないという訳でもないですが。

海外からの燃料輸入船が港に着けるかどうかとか、そういった面では影響あるとこはあるかもです。

 

ただ、流石はインフラ業界だけあり

世間では各業界が大打撃をうけ倒産する所もあるという報道を見ながら

 

鼻くそほじって中央制御室に座っとりますわ!

 

給料も勤務もいつも通り。

好景気だろうが不景気だろうがそんなことは関係ない。

 

トラブルが起こらない限り世間に左右されず、

のほほんと仕事ができるのはこの業界の良い所です。

 

人によっては「やり甲斐がない」と思うかもしれませんがそこは適正ですね。

 

私はボイラーも収入も景気も「安定」していることを望むので、この仕事はとても性に合っております。

 

ビバボイラー!ビバ発電所

ボイラー朽ちるその日まで、ボイラーマンであり続けたいですね。

ボイラー運転管理~ボイラーの起動方法~

みんなが大好きなボイラー編。

今回は起動方法についてです。

 

火力発電所がいかにして運転するのか。みんな知りたいんじゃないでしょうか。

前回のボイラー停止操作編ではコメントこそ無かったもののアクセス数が一気に増えました。

 

 ↓ボイラー停止編。普段よりアクセス数が倍に。・・・そんな興味あったの!?

doragonking.hatenablog.com

 

 

まったく~、みんなシャイなんだから♪

 

【起動準備】

ボイラーを停止して点検・補修した後はプラントを起動することになるわけですが、その前に色々事前準備を行っておきます。

 

この中には必ずしも事前にやらなきゃダメという訳ではなく起動中でもできるものもあります。

しかしボイラーの起動中はかなり忙しくなる為、事前にできることはあらかたやっておいた方が当日慌てなくて済みます。

 

①ボイラー水張り

整備するために配管やポンプの中の水を抜いてあるので、これを事前に水張りします。

これは必ず事前にやっておかないといけません。

水が無いのにポンプを回せばポンプが壊れます。

ボイラーを起動しようもんならボイラーが焼損し二度と使い物にならない大事故になります。

起動前には全ての系統に水張りを行っておきます。

ちなみに水張り一回目はあえて全部の水を抜きます。

整備とかやってるので配管やポンプの中にゴミや異物がある可能性が高いので、一度洗浄してやるわけです。

 

②タービンターニング装置起動

ターニング装置とはタービンをゆっくり回転させる装置のことです。

これをしないとタービンが暖まってきた時に温度差でタービンが歪んでしまい、起動したときに壊れてしまう危険があります。

タービンをゆっくり回しておけばこういった温度差が無くなりその危険が無くなります。(豚の丸焼きみたいなもので、全体に熱を通す感じ)

最低でも起動数時間前にはこの作業を行っておきます。

 

③燃料張り込み

起動に必要な燃料を予めコンベア内に仕込んでおく作業です。

これは別にやらなくても良いのですが、燃料貯蔵庫から炉内までの搬送コンベアが長いと、いざ燃料投入になった時に時間が掛かってしまい効率が悪いので、これも事前にやっておくのが望ましいです。

 

④ボイラー各所バルブ開閉チェック

これは必ず行う作業になります。

プラントには配管やポンプのいろんなところにバルブが付いていて、このバルブはボイラー起動中は閉まっていないといけないのか、開いていないといけないのか。

それを事前に全て確認する作業です。

 

まぁ当然これをちゃんとやっておかないと、起動中に「上がってくるはずの温度が全然上がらない」、「圧力がやたら下がってくる」、「給水してるのに水がどんどん減ってくる」「ポンプが止まっちゃう」等不具合が起こります。

 

ちなみに蒸気配管の空気抜き弁やドレン弁は普段は閉止してますがボイラー起動直後は

配管に水が溜まらないように敢えて開けておきます。

 

【起動操作】

①燃焼用ファン起動

燃料を燃焼させるために必要な空気を炉内に送るファンを起動します。

 

重油バーナ起動

燃料を石炭等で使用している場合、温度の低い炉内にそのまま石炭を入れても燃えてくれません。最悪不完全燃焼でボイラーに悪影響を与える可能性もあります。

燃やすためには最低400~500℃くらいまで炉内を温めておかないといけないので、これを重油バーナを使って行います。

 

③蒸気配管ドレン弁、空気抜き弁閉止

ある程度蒸気配管の圧力や温度が上がってきたら、起動前に敢えて開けていた各弁を閉めます。

 

④復水器真空上昇操作

復水器はタービンの後についている設備で、タービンで使った蒸気を冷却して水に戻して再びボイラーで使用する水にする(蒸気を水に戻すから復水という)所です。

 

タービンに蒸気を通気する前には、この復水器内をポンプを使って真空にしなければなりません。

真空でない=中に空気がある=空気は非凝縮性ガスなので圧力を下げられない為、復水器内部の空気を全て外部に排出しておかないとタービンに蒸気を入れられません。

 

⑤主燃料投入

炉内温度がある程度まで上がったら炉内に主燃料を投入します。

この時、いきなりどんどん入れるとまだ温度も普段より低いので不完全燃焼となる恐れがあるので、少しづつちゃんと燃えているかを確認しながら徐々に増やしていきます。

 

それと同時に重油バーナの火を下げていき、最終的には主燃料のみで燃焼させます。

 

また、燃料の量を調整して蒸気圧力や温度を次のタービン起動に必要な条件に調整します。

 

⑥タービン発電機起動

タービン起動に必要な蒸気条件が整ったらタービンに蒸気を入れます。

 

蒸気を入れた後は、速度を上げずにしばらく置いておきます。(アイドリング)

冷えているタービンに熱い蒸気を入れているので、いきなり速度を上げる(=たくさんの蒸気をタービンに入れる)とタービンの軸が一気に熱伸びしてしまい壊れてしまう恐れがある為です。

 

これが終わったら速度を徐々に上げていき、所定速度に到達したら発電機を励磁(発電機が電気を作るための操作)させます。

 

⑦負荷上げ

発電機が電気を作り出したらあとはその出力を上昇させていきます。

これもいきなりどんどん上げてしまうと燃料供給量が追い付かず圧力が低下してしまったりするので、ボイラーの状況をみながら徐々に上げていきます。

発電出力が定格値まで到達したらボイラーの起動操作は終了です。

 

【終わりに】

ざっくりですがこれが発電所の起動方法になります。

この操作で私のプラントではだいたい16時間程度かかります。

 

他のボイラーマンの皆さんはどのように起動しているのでしょう。

「燃料なんて適当な温度で入れてる」

「タービン通気条件?大丈夫だよそんなのそのまま通気すれば」

「ボイラー水張りは起動中にやります」

いろんな意見があると思います。

 

ぜひ教えて下さい。

そこのボイラータービン主任者を炉内に突っ込んでやります。

 

過激な表現になりましたが、停止時と同じかそれ以上、起動というのは慎重にやらないと大事故になります。

 

しっかりとした知識を持って、要領を守った起動を心がけましょうね☆

ボイラー運転管理~ボイラーの停止方法~

さて、今回はいよいよ皆さんお待ちかね、プラントの起動停止についてのお話です。

これを読んでくれているボイラー好男達はきっと楽しんで頂けると思います。

 

この内容はあくまでも私の勤める発電プラントの手順なので、

「いやいやこの手順は違うんじゃない?」

「ここはもっとこの方法でやった方がいいよ」

といったボイラーマンたちの熱い意見が多数寄せられることかと思いますが、ご了承ください♪

 

これに興味ない奴は悪いこと言わないから去れ。時間の無駄だから。

 

【停止準備】

プラントを停止するのはどんな理由であれ、「ボイラー内部を点検・補修する」こととなります。

 

トラブルによる緊急停止となると準備もくそもありませんが、前もって停止する日を決めて補修する「定期点検」であれば、当然止める日程が分かっている為、予め停止する準備を行います。

 

①燃料残量の調整

石炭のような固体燃料は長時間そのままの状態で置いておくと発熱を始め、そこに空気などが入った場合、着火して火事になる恐れがあります。

重油やガスの場合は気にしなくても良いのですが、私の発電プラントではこういった固体燃料を取り合っている為、停止の際にバンカ(燃料を貯蔵するタンク)をなるべく空にしなければなりません。

なので、停止2~3日前から燃料の調整を行い停止直前にはバンカ内の燃料はほぼ空の状態とするようにしています。

もし停止時に空にできなかった場合は、バキューム車などを使い外部から除去作業を行います。

 

②用水の確保

ボイラーで使用する水というのはただの水道水という訳ではなく、ボイラーを害する物質を機械・化学的に除去した「純水」というものを使用します。

プラントを停止すると、このプラントに必要な純水を作る設備も使用できなくなります。

なので、停止前にこの純水をなるべくたくさん作ってタンクに確保しておきます。

 

③スートブロワの起動

スートブロワとは、炉内の配管に付いた灰を蒸気の力で払い落とす清掃機器のことを言います。

これはやってもやらなくても良いのですが、停止後の清掃作業を効率的に行うために予め行っておきます。

 

【停止操作】

①負荷下げ

発電所であれば発電機の出力を徐々に下げていく操作のことを指します。

これに追従して燃料の投入量も徐々に減らしていきますが、この操作が遅れると燃料過多で蒸気圧力が上昇してしまうので、その場合は一旦操作を中止し圧力を落ち着かせてから操作を再開させます。

 

②タービン・発電機停止

所定の発電出力まで負荷下げしたら、次は発電機を停止させます。

タービンというのは中に羽がついている大きな風車のようなもので、この羽にボイラーの蒸気を当てて回転させることで発電機が電気を作ります。

このタービンに入る蒸気を止め弁で遮断することで、発電が停止します。

 

③燃料停止操作

発電が停止したら、もう蒸気を作る必要が無いので燃料を停止させます。

ただ、燃料をいきなり止めてしまうと炉内温度が一気に低下してしまい、ボイラーに悪影響が出てしまうので、炉内温度が急激に下がらないよう少しづつ燃料供給量を下げていきます。

この時、私のプラントでは重油バーナを使用してこの炉内温度を調整します(炉内温度が下がってきたら重油量を増やす)

 

④タービン真空破壊操作

タービンには「グランド蒸気」という蒸気が軸に流れています。

この蒸気には軸の隙間をシールする役割があり、グランド蒸気がないと発電機とタービンが繋がっている軸の隙間から蒸気が漏洩してしまいます。

また、タービンは効率を高められるよう内部は高真空に保たれており外部との圧力差があるので、この隙間から外部空気が吸引され軸受部などの損傷を招いてしまいます。

燃料が無くなると当然蒸気の発生がなくなりこのグランド蒸気も維持できなくなってしまうので、燃料を停止した場合は速やかにこの真空破壊操作をすることでタービン内部と外気圧の圧力差を無くし空気が吸引されないようにすることが重要になります。

 

⑤ファン・ポンプ停止

全ての燃料が停止したら最後にファンを停止します。

これでボイラー停止は完了となりますが、炉内温度がまだ100℃以上ある場合は水が蒸発を続けるため、適度にポンプからボイラーへ水を張る必要があります。

水が100℃以下になればこれ以上給水する必要もなくなる為、給水ポンプも停止させます。 

 

【停止後操作】

①ドレン弁開操作

ドレンというのは蒸気が冷えて水に戻ったものを指します。

ボイラーを止めて冷えてくると、配管内にこのドレンが溜まってくる恐れがあるため、ある程度ボイラーが冷えたら、このドレンを排出する弁を開けておきます。

 

②空気抜き弁開操作

上記と同じく、ボイラーが冷えてくると配管内の圧力が低下し、この時に空気抜き弁が閉まったままだとボイラー内部が真空状態になる恐れがあります。

この状態はとても危険で、真空状態になっているボイラーのマンホールを開けた際に作業員が内部に吸い込まれる事故も発生したことがあります。

なので、「ボイラー圧力が0.1MPaを下回ったら空気抜き弁を開ける」というのがボイラー業界の一般常識です。

 

③ボイラー水抜き

配管内やポンプの点検をするのに内部に水が残ったままでは行えない為、ボイラーが完全に冷却出来たらその水を全て系外に排出します。

この時、ボイラー水はそのまま排出されるわけではなく一旦排水処理設備できれいな水にしてから外へ排水する必要がある為、この排水処理設備の能力以上の水を一気に抜かないことに注意する必要があります。

 

【終わりに】

すごく簡単にですが、これがボイラーの停止方法となります。

ちなみにこの停止操作に私のプラントでは約12時間、その後の操作全て合わせると約3日程度かかります。

 

皆さんのボイラーはどのように止めているでしょうか。

「うちはいきなり水抜きからやってるよ?」

「空気抜き弁なんて開けたことないし(笑)」

そんな意見もあるかもしれません。

 

是非教えて下さい。

そこに乗り込んでボイラータービン主任技術者をしこたましばき倒します。

 

ボイラーに限らず、手順・マニュアルに沿ったやり方でないと取り返しのつかない事故につながります。

 

皆さんもしっかり事前にマニュアルを確認して、安全なボイラー停止を心がけましょうね☆

ボイラーマンの資格取得記⑦第2種電気工事士~合格体験や勉強方法など~

 

【概要】

電気工事士はその名の通り電気工作物の工事を行えるようになる国家資格です。

例えば家のコンセントの場所をちょっと変えたいって時も、これを持っていないと法律違反になります。

 

第2種では一般電気工作物(家などの配線とか)のみ工事可能で、第1種では500kW未満の自家用電気工作物(ビルや商用施設とか)の工事もできるようになります。

 

第1種を取得するには実務経験が数年必要になる上5年周期で定期講習を受ける必要があるので、本当にそういった仕事に携わるような人でないとあまり取得するメリットはありません。

 

逆に第2種は誰でも受けれるし難易度もあまり高くない為、とりあえず電気関係の勉強がしたい、資格がほしいという人にはうってつけの資格だと思います。

 

【科目と合格点】

試験日

上期・・・筆記5月上旬、実技7月中旬ごろ

下期・・・筆記10月上旬、実技12月中旬ごろ

 

筆記

・一般問題:30問

・配線問題:20問

 

計50問中60%以上(30問)で合格。

 

実技試験

・№.1~13までの公表問題からランダムで1問

 

筆記試験は科目合格無しです。

 

電気工事士は筆記試験に合格した人のみ、実技試験を受けることが可能で、一度筆記試験に受かれば、仮にその年で実技試験に落ちても来年まで筆記試験を免除することができます。

また、最近は上期の実技に落ちても下期の実技を受験する事も可能になりました。

 

【合格率と難易度】

個人的難易度を5段階で表すと

(5:難しい、4:やや難しい、3:普通、2:やや簡単、1:簡単)

 

2種・・・2:やや簡単

 

実技試験があるので難しい印象がありますが、問題は№1~13まで公表されているのでこれを2周も練習すればまず大丈夫です。

 

複線図も、筆記試験のものより簡易的なものしかないので、何度も書いてるうちに覚えられます。

 

筆記試験は過去問とほぼ似たような物しか毎年出題されていないので、上期下期と合わせて5年分も回せば十分合格点は取れると思います。

 

合格点は筆記で70%、実技で70%

合計で50%程度。

誰でも受けれる国家資格は合格率が本来の難易度より低くなる傾向がある中でこの合格率は相当高いので、実技試験のある電気系の資格と言ってもそこまで警戒する必要はありません。

 

【受験動機】

 発電所に努めるボイラーマンでも電気系の資格が一つもなかったので、その足掛かりとして受験。

 

少しは電気設備に詳しくなるかな?

 

と思ったが、そんなことはなかったぜ!!

 

【合格体験と勉強方法】

勉強期間:筆記1か月(20時間程度)、実技1か月(公表問題を2周)

使用した教材

 (問題集)

 ・第2種電気工事士筆記試験模範解答集(電気書院

過去問10年分に加え、「これだけは覚えておいてね」といった必要最低限の一般知識が載っているので、合格するだけならこれ一つで十分です。

第二種電気工事士筆記試験模範解答集 2020年版

第二種電気工事士筆記試験模範解答集 2020年版

  • 発売日: 2019/11/27
  • メディア: 大型本
 

 

 (実技試験用工具)

・ホーザン電気工事士技能試験工具セット

 このセットで実技試験に必要な工具は全て揃います。仕事で実際に使うわけでもない人はこれで十分です。

 

 (実技試験用資材)

・ホーザン電気工事士技能試験練習用教材1回セット 

このセットで全ての公表問題の練習ができます。

1回セットと2回セットの違いは配線の長さやリングスリーブの数の違い程度なので、

私は1回セットを買って2回目は使いまわしました。

 

 ・結果

筆記試験

おそらく80%以上取れた自信があります。

上記電気書院の問題集からほんの少し捻った問題が出た程度で、全く分からないというったような難問はありませんでした。

 

実技試験

私は名古屋で受験しましたが、たまたま自分が一番簡単だなと思った問題にあたった為、精神的にかなり余裕ができました。

練習と違い本番は慎重に作業するため意外と時間が掛かりましたが、それでも10分程度残して完成させることができました。

 

余談ですが、実技試験の時に私の隣に座ったのは多分70を過ぎているくらいのおばあちゃんでした。

どういう心境の変化があればあの歳で電気工事士をうけようと思えるのでしょう。

自己研磨の高さに感服するばかりです。(しかもちゃんと完成させてたし)

 

結果は見事合格しました。

おばあちゃんも合格してました。(クレイジー・エレクトロ・グランマの爆誕ですね) 

 

【最後に】

 この資格は電気系資格の中では難易度は最も低い分類の国家資格なので、手軽に電気系の資格が欲しい人にはオススメの資格です。

 

ただこれを取得しても仕事や趣味で電気配線をいじってる人でもなければあんまり電気に詳しくなれるわけではありません。

 

私も取ったはいいけど仕事に生かすどころか家のコンセントだって替えれる自信はありません。

 

今、現在進行形で電験3種の勉強を似たような動機で勉強してますが

 

多分、これを取っても大して仕事に生かせねぇんだろうなぁ・・・

消火器についての小話~郵便局には機械泡消火器が設置されている理由~

昨年、消防設備士乙種6類を取得してから至る所で目にする消火器をチェックするようになったボイラーマンです。

 

 ↓ 外出先で消火器をチェックし気味悪がられる小話

doragonking.hatenablog.com

 

 

さて、先日出かけた先で、妻から「ついでに郵便局よりたい」と言われたので郵便局へ行ってきました。

 

ちなみに知らない人の為に先に説明しておきますと、建物に導入されている消火器は大抵、ABC粉末消火器と呼ばれるA火災(普通火災)B火災(油火災)C火災(電気火災)すべてに対応している消火器を置いているところがほとんどです。

 

皆さんもそこらへんに置いてある消火器を確認してもらえばすぐわかると思います。

ほら早く確認して!早く!

 

さて、そんな前置きから、当然郵便局で消火器を見かけた時も

 

(どうせまた蓄圧式粉末消火器なんだろ?わかってるって・・・)

 

と期待せずちらっと見た時、普段と違うことに気づいたんです。

 

(・・・えっ!?ちょっと待って!!ノズルの形状が違う!?これ粉末消火じゃないだと!!??)

 

あまりの衝撃に嫁と子供を置いてその消火器に駆け寄ってよく見てみると、

そう。それは機械泡消火器だったのです!!

 

衝撃!!まさかこんなところで初めて機械泡消火器を目にすることができるとは・・・

感動ですね。消防設備士ならば一度はお目にかかりたいレアな一品です。

 

これまで全然話についていけない人の為に、外観の違いは下記画像を参照してください。

↓ABC消火器                 

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↓機械泡消火器

f:id:doragonking:20200310100554j:plain

 

 

一目瞭然なことが分かりますよね?

 

 

でもここで謎なことが。

なんで郵便局に機械泡が?

気になって地元の郵便局へも足を運び消火器を見てみると・・・

 

(機械泡・・・だと!?じゃああそこの郵便局が機械泡消火器好きな変態郵便屋さんという訳ではなく意図的に郵便局には機械泡が設置されているというのか?・・・一体何故なんだ・・・)

 

機械泡消火器というのは、一般にA火災とB火災に対応しC火災には対応していません。

なので当然設置するなら最もポピュラーなABC消火器で良いわけですが、私の足の運んだ郵便局2か所にはどちらも機械泡が設置されていたのです。

 

これでは気になって夜も眠れません。

ということで色々ググって調べてみると・・・

 

機械泡の特徴として、

「A火災に対する優れた浸透性により粉末消火器に比べ再燃抑制効果が発揮されるため、綿や紙類を多く取り扱う箇所に設置されることが多い」

という記述を発見。

 

なるほど!

 

郵便局は当然紙類を多く取り扱う場所だから、もし火災になった時にABC消火器より抑制効果や再燃防止効果が期待できるという訳か!

 

納得しました!そして流石です。そこまで見越して機械泡消火器を設置しているとは!

 

私が確認した郵便局は2か所だけですが、この理由ならきっと他の郵便局もきっと機械泡消火器を導入している所は多いはずです。

 

さぁ、皆さんも今すぐ地元の郵便局にいって上記写真のような消火器を探してみてください。

 

もしそこの消火器がABC消火器だったら、郵便局員さんに伝えてあげましょう。

「郵便局に設置するなら、機械泡消火器の方がおすすめですよ?」って。

 

そしたらあなたも私と同じ。

立派な変態の仲間入りです☆