私がボイラーマンだ

3度の飯よりボイラー好き。ボイラーをこよなく愛する火力発電所勤務の変態ボイラーマンの日常を綴ったブログ

電気素人が電験3種を勉強した際の議事録~理論編~

【最初に】

電験3種を取得したいけど電気なんてさっぱり分からん・・・

直流?交流?何が違うの?

 

と、不安に思っているあなた。

大丈夫。そんな感じでもちゃんと取れます。

(※ただしちゃんと勉強した人に限る)

 

私も一応発電所に勤めており仕事で使う力率計算や電動機の動力計算などは知ってましたが、それ以外の電気知識は本当に何にも知りませんでした。

それこそ直流の並列・直列回路の電圧降下とか電流の分流の法則も知らないレベルです。

 

私が電験3種を勉強しようとした当時の電気力は

・エネルギー管理士の共通科目で最低限の用語は知ってる(力率、インピーダンス等)

・第2種電気工事士免許保有

発電所勤務なので電気工作物はよく目にする

といった感じで、恐らく本当の意味での電気ど素人の人と比べればまだアドバンテージはあった方だと思います。

 

ですが、実際の試験に必要なのはどちらかと言えば

「電気に関する数学力」

の方ですね。

 

ちなみに私、電気工事士受験時は計算問題全捨てしていたので

オームの法則すら知りませんでした☆ ゴミか。

 

 

そんな奴でもちゃんと勉強すれば電験3種に1年目で合格目前(理論以外合格)、2年目で合格することが出来ました。

 

ではそんな素人が電験の勉強をするならまず何をすればよいか?

 

 

 

・・・というような、よくある「電験の勉強方法」みたいな記事は他にも腐るほどあるし私がわざわざ特に書く必要もないと思いますので、今回はあくまで自分が電験を受験した時の思い出を残すことを目的として議事録にまとめてみようと思います。

 

【1年目:2020年11月~】

・参考書を購入しある程度の知識を付ける

勉強し始めた当時の私は電気を全く知らないど素人という訳では無いものの、計算問題はほぼ分からないし数学力もない素人同然であったため、とりあえずネットで調べて素人が勉強するのに一番評判の良かった「みんなが欲しかったシリーズ」の参考書を購入した。


この参考書はカラーの挿絵をふんだんに使用してたり難易度別に項目が分けられていたりして、確かに素人が取っ掛かりとして勉強するにはいい参考書だった。

 

三角関数複素数など、今まで馴染みのなかった数学の知識も少しではあるが解説があって、電験3種の理論の計算に必要な数学の知識はこの参考書で十分身に付いたと思う。

 

YouTubeの解説動画を見る

個人的に電気と言う分野は素人が独学で理解しようとすると非常に時間が掛かるし難しい分野だと思い、じゃあどうすれば良いかと考えた結果、やはり

人に教わればよい。

という結論になった。

そこでネットで調べてYouTubeでおすすめされていた電験合格チャンネル」に関する動画を見た。

 

ネットでもおススメに良く出てくるこの動画、確かにどの動画よりも分かりやすく、理論の問題を解く際の計算のコツ、考え方のコツみたいなものは大体この動画のおかげで理解出来た。

特にダイオードトランジスタみたいなマイナーで馴染みのない分野の知識や計算の仕方に関してはこの動画の解説が非常に役に立った。

 

視聴の際は

自分が本当に生徒になった気分でノートにまとめながら勉強する

という方法で全動画を復習も併せて2周した。

 

【1年目:2020年12月~】

・みんなが欲しかったシリーズの問題集を解く

電験合格の動画を見てある程度どんな分野でどんな問題が出題されるか分かったので、

まずはぶっつけ本番形式で問題集を解いてみようと思った。

 

私は「資格は過去問だけで行ける」信条とする生粋の過去問信者なので、電験3種の勉強をするにあたってありとあらゆる過去問を揃えた。

・これだけシリーズ

電気書院の10年分過去問集(別名電話帳)

・同じく電気書院の15年間シリーズ

・みんなが欲しかったシリーズ


ここで最も重視したのは

問題の解説が初心者でも理解しやすい物かどうか?

電験、もっと言えば理論の計算問題は数学に慣れていないとそもそも解説を見てもさっぱり分からず、そこで挫折する人が多いと思ったので特によく吟味してみて、その結果

一番理解しやすかったのが「みんなが欲しかったシリーズ」だった。

 

個人的「初心者でも理解しやすい解説問題集ランキング」を作るなら

1位 みんなが欲しかったシリーズ

2位 15年間シリーズ

3位 電気書院の10年過去問集

4位 これだけシリーズ

となりますね。

 

みんなが欲しかったシリーズは問題ごとにA、B、Cランクと難易度が分けられているので「どれが解くべき問題でどれが捨てても良い問題か」が初心者でも分かりやすくなっているので、最初にこの問題集の優しいランクの問題を解けるようにしておけば、試験本番の問題でも30~40%程度解けるレベルくらいに達することは十分出来ると思われる。

 

【1年目:2021年1月~本番まで

・過去問を出来る限り解きまくる

電話帳と15年間シリーズを合わせて令和2年~平成11年までの25年分をひたすら勉強した。

 

電験はよく「過去問は通じない」と言われてるが、思ってたよりかは

全然通じた。

そりゃ全く同じ問題は出し難易度の高い時期の科目には通じないこともあるが、基本的には毎年同じ公式や考え方で解ける問題が出題されるので、パターンを覚えるだけでも案外半分くらいは解けた。

 

2月からは機械科目の勉強に移行したが毎月必ず理論の復習も兼ねてひたすら過去問を反復演習した。

 

試験本番は理論の難化年に当たってしまい惜しくも落としてしまったが、今回の過去問反復演習法でも十分戦える知識はついていると確信できた。

 

 

【2年目:2022年5月~本番まで

・これだけシリーズで補強

一年目は4科目同時受験と言うことで過去問を反復演習したものの、正直難易度の高い問題はけっこう捨てていた。

またこれだけシリーズを購入したものの結局やらずに理論を落としてしまったので、2年目はこの参考書の問題もやり込んだ。

 

そして分かったことは、

これだけシリーズの問題はある程度知識がついている者にとってはかなり分かりやすく解説してある。

ということだった。

 

3相交流回路のベクトルを使った計算や最小定理による最大電力を求める計算など、1年目に受験した時に解けなかった問題達も「これだけシリーズ」には類似問題でわかりやすい解法が載っていたので、1年目に理論だけでもこの参考書を使っていたら多分受かっていたんじゃないかと思い後悔したレベル。

 

更に今年の理論の試験に出題された問3「コイルの相互インダクタンスから結合係数を求める」問題は、ちょうどこれだけシリーズに載っていた内容を勉強していたため解くことが出来た。

 

ネットでは「これだけシリーズだけでは不十分」と書く記事もあるが、個人的にはこれだけシリーズを理解して問題が解けるレベルになれば絶対に合格出来る実力は付くと思う。

 

2022年度8月の試験本番は、これだけシリーズで補強した知識&過去問を暗記するほどやり込んだ知識に加え

「試験本番で過去問がそのまま出題される」

というラッキーパンチもあり95点という去年では考えられないような高得点で見事合格を果たした。

 

【最後に】

電験3種に合格するには「理論」に受かるかどうかで決まると言っても過言ではありません。

特に私や君たちのような素人にはね。

私は電験合格に必要な勉強時間と言われる1000時間を費やしましたが、そのうちの500時間は理論が占めています。他の科目はこれの半分以下です。

 

時期によって科目の難易度も変わるので一概に「理論だけ」とは言えませんが、素人が理論に受かるのはそれくらい難しいと思います。

 

今回私が勉強に使用した「これだけシリーズ」の参考書はネットでは初心者向けと言われていて、他にもっと難易度の高い参考書をお勧めされていることもありますが、理論に合格するだけなら「これだけシリーズ」でも間違いなく十分な内容でした。

 

というか、私のような素人はこれ以上の参考書を使用しても理解できないだろうし、情報過多になる可能性も高いでしょう。

 

素人はこの勉強法がおすすめ!

という訳では無いですが、もし受験を検討されている方の参考になればと思います。