私が前職で働いていた時、特に仲の良かった先輩にSさんという方がいます。
その方は私が前職を辞める少し前に、当時流行り出していたバイオマス発電所の運転員に転職していきました。
私も一応まだ転職の検討はしているので、他県ではありましたが待遇とかが良さそうなら引っ越ししても良いので誘ってもらえないかなぁと思いその先輩に連絡を取ってみました。
私「先輩お久しぶりです。急にすみません。」
Sさん「おぉ~どうしたの急に」
私「実はここだけの話、自分も最近転職考えてるんですけど、Sさんのいるバイオマス発電所ってどんなものなのかな~と気になって連絡させてもらったんですが・・・」
Sさん「えっそうなの?ボイラーマン君も今の会社辞めたいってこと?」
私「そうですね。それでもし募集とか空きがあれば検討してみようかなとも思ってるんですけど、待遇とか人間関係とかの実態ってどういうもんっすかね?」
Sさん「う~~~~ん。まぁ無いことは無いしボイラーマン君は経験者だから多分連絡すれば入れるとは思うけど・・・う~~~ん・・・」
(ここで私はSさんのだいぶ淀んだ物言いにちょっと嫌な予感を感じる)
私「もしかしてちょっと訳アリとか?」
Sさん「う~~~ん。・・・まぁ・・・そうだね(笑)。ぶっちゃけ、
・・・来ない方が良いと思う」
私「おっふ」
Sさん「てかごめん。実は僕ももうとっくに辞めてるんだよね(笑)」
私「おっふ」
そこから聞いたSさんのいたバイオマス発電所の実態が中々エグかった・・・
私は給与とかそっち方面の話を聞きたかったのですが、Sさんと話が盛り上がるにつれ不満が大爆発。
Sさんの愚痴を2時間以上延々と聞かされる羽目になりました。
でもバイオマス発電所の裏事情が聞けてけっこう面白かったので、Sさんに了承を経て多少フェイクでぼかしつつ記事にさせてもらいました。
ここがエグイよ!バイオマス!①運転課の待遇がえげつないほど悪い
・Sさんのいた部署は運転課だったのだが、そこは絶対に行かない方が良い所謂
「外れ部署」と言われていた。
その理由は、ありとあらゆる雑用を押し付けられるうえに運転に関するすべての責任も押し付けられて全部署の合同会議で毎回晒上げを食らうクソ部署だったから。
・会社の社長、副社長、所長、総務部長、保全課長などの管理職クラスは軒並み親会社の出向者。その中でなぜか運転課長だけは素人の中途採用者なので運転課の裁量権は実質0。
・保全課はあるが保全課の人間はお偉いさんの出向者しかおらず仕事してくれないので、実質運転員が保全も行なっていた。
また、社外対応やマニュフェスト管理など本来総務部が行う仕事もなぜか運転課に回されてやらされていた。
・社長室が「説教部屋」、「取調室」と呼ばれており、運転課の人間は運転に関する不具合や設備トラブルがあるとしょっちゅう呼び出される。
昔、近隣住民から夜間中に苦情があった時にその日の夜勤明けの運転班長と運転員が社長含む役員から呼び出され
朝8時から昼過ぎまで延々説教されていたとのこと。
・トラブルで発電出力下げると「なぜ下げないといけなかったのか」「他にどうすればよいか考えなかったのか」などの始末書を書かされる。その後会議で晒上げ。
・トラブルでプラント停止になった時、停めた時に勤務していた当直の班員に責任があるとされボーナスと昇給がなかった。
このことが不服で異を唱えにいった運転班長が急に総務部に異動になり、総務部長の壮絶な嫌がらせで退職した。
ここがエグイよ!バイオマス!②人間関係最悪
・前述のようにあらゆる責任を運転課に押し付けてくるし何かトラブルと説教部屋行きなので、他部署同士のみならず運転班同士までが責任を擦り付け合うため仲は最悪だった。
・特に総務部は自分たちの仕事を運転課に押し付けてくる一番の敵。
運転課はそれに反発して総務部にやらせようとするが総務部の直長が出向者のお偉いさんなので運転課が敵うはずもなく結局やらされる。
その上そのことについて「運転課のやる気がない」とまた説教される。
・総務部からの嫌がらせか、会社で必要な備品を一切買ってもらえない。
買ってもらえるのは作業服とヘルメットのみで
軍手やゴム手袋、懐中電灯、作業靴に至るまで全て実費。
また工具や部品一つ買うのに全部署に説明しにいって印鑑を貰う必要がある。
個人的に一番ひどいと思ったエピソード
運転課:日誌を書くためのボールペンを買いたい
総務課:お前んちにはボールペンの一個もねぇってのか?それくらい持って来いよ。
→承認下りず
・運転員同士の中も悪く、仕事の押し付け合いやちょっとしたミスもすぐチクられる。
特に班長は部下のミスでも説教部屋に呼び出される為ピリピリしており、仕事の出来ないポンコツ部下と同じ班にされた班長が運転課長に「こいつとは組みたくないからマジで変えてくれ!!」と直談判しにいったことも。
・交代勤務で有休使って休む際は、2交代なので代わりの人を探す必要があるが、人間関係悪い上に自分の直でトラブルと晒上げなので
誰も変わりたがらない。
一応会社側が有給取得を推進しているので強制的に取れるは取れるらしいが・・・
・最初にいた運転課長が1年持たず辞めてしまったため運転員から課長に昇進した人が1か月くらいである日急に来なくなり、そのまま消えたことがある。
ここがエグイよ!バイオマス!③技術力皆無
・運転課は全員もれなく未経験。
唯一Sさんのみ経験者だったのだが「年齢が若いから」という理由でずっと平社員。
運転課長も運転班長も
全員発電所未経験
で、選任理由は「40代、50代だから」
ボイラー・タービン主任技術者も
「有名電力会社出身で資格はもらったけど実務やったこと無い」
人で、発電所が建設されたときに行う試運転、使用前自主検査や安全管理審査のやり方を全く知らなかったため近隣の発電所に教わりにいったらしい。
電気主任技術者に至っては資格を最近取っただけの別業界の人をそのまま選任していた。
・そんななので教育体制なども皆無。自分のことは自分で何とかするスタイル。
会社は資格取得を推奨する癖に資格取得支援制度は無い。手当もない。
・運営に関することすら全部運転課に丸投げ。
だが、何かあった時は上層部が口だけは出すし責任も押し付ける。
・8時から事務所で朝礼、その後定例報告会があるのだが運転課の夜勤者も強制参加。
大体終わるのが10時くらいなので、夜勤は本来20時~8時までの12時間なのだが実質14時間ある。
・毎朝7時に一斉清掃が行われるので朝勤務(8~20)の運転員も1時間早く出社。当然サービス。
・トラブルがあると人員が呼び出されるのだが、呼び出し手当は一切なくボランティア。
特に運転スタッフは月1以上必ず夜間や休日呼び出しが掛かる。もちろんサービス。
・そもそも運転課は雑務が多すぎて運転スタッフ達は毎日深夜まで残業している。・・・のに他部署は全員定時で帰るため仲が悪くなる、の悪循環。
・地元へのボランティア活動は社員全員強制参加。
だけでなく、なぜか知らんが地元住民が行う自治会イベント的なものにも労働力として強制参加させられる。
・退職金など無い。
【終わりに】
なんか我が社とちょっと被ってる所もいくつかあって共感出来たけど、それより数段待遇悪い。
控えめに言ってもクソ・オブ・クソ
Sさんはとっくに辞めてたので笑い話として昇華出来ていたので良いですが、話を聞くだけでも胸糞悪いエピソードだらけで気分悪くなりました。
数少ない良い点としては給料自体はかなり高水準らしく、サービス残業などが多いことを差し引いてもその地域の給料ベースに比べ断然上とのことで、ここまで酷い扱いではあるけど辞める人はそこまで多くは無いとのこと(それでも初期メンバーの半分は辞めたらしいが)
これらの話を聞いた後の私として思ったことは
私(自分が今いる会社、全然まともな方かも・・・)
隣の芝が青く見えてただけかも・・・
転職に幻想抱いてたけどこんな会社に当たるくらいなら現職で全然いいわ。
ちょっと弱気になりましたが全部が全部こんな酷い会社ではない・・・と思うので、これからも転職情報は仕入れつつ慎重に活動はしていきたいと思います。
とりあえず、もし業界に転職を考えてる方がいれば
「上層部が親会社から出向している系」
の所には要注意してください。
けっこうな確率でこんな感じだと思いますので・・・