【概要】
今まで高所で作業する場合は胴ベルト型の安全帯で可能だったものが2019年に法令改正されてから、原則フルハーネス型を使用するようになったらしいです。
この講習を受ける必要があるのは
高さが2m以上の箇所で作業床を設けることが困難な場所において墜落制止用器具のうちフルハーネス型の物を用いて行う作業に関わる労働者
になります。
~どうして腰ベルト型は駄目なのか?~
腰ベルト型の安全帯はその名の通り腰回りに着用するので、実際落下した際に体が「九の字」に曲がり腰へのダメージが高いです。
また講師の人が言うには、
仮に落下してから助かったとしても、大の大人(平均70㎏)の重さを引き上げるのは相当難しく救助に時間が掛かる。
救援を呼んでから引き揚げ出来るまで30分以上掛かる場合に腹部が圧迫され続けることで呼吸が出来ずに死亡する可能性がある。
らしいです。
これがフルハーネス型であれば落下した際に体へのダメージが分散されるし、落下した後に引き上げるまで時間が掛かっても死亡する可能性が少なくなるとのこと。
なので2022年以降は安全帯を着用する場合は必ずフルハーネス型を使用することが原則になっています。
え?
じゃあそのまま腰ベルト型を辞めてフルハーネス型に変えれば良いだけじゃないかって?
何でわざわざこの講習を受ける必要があるのかって?
知らないよそんなの
【受講動機】
先月に入っていきなり会社から運転員全員この講習を受けるよう命令されたため。
むしろ会社に命令されるまでこの資格の存在自体知りませんでした。
2019年以降で施行されているものなので、現場勤務の人でもあまり認知度は無いかもしれません。
たぶん、数年ごとにこうやって新しい講習作ってお布教貰って誰かさん達が小銭稼ぎしてるのかな?と思ってます。
【科目と合格点】
講習は一日で終わり
学科4時間半
実技1時間半
こういった講習でも酸欠や特化物は筆記テスト、フォークリフトなんかでは実技テストがありますが
この講習にはテストそのものがありません。
ちゃんと時間通り講義に出席し最後にフルハーネス型の脱着を数回練習すれば最後に免状が交付されるだけです。
講師の人には「ちゃんと聞いてないと退出させる」「スマホいじってたら注意する」とか言われますが
スマホずっと弄ってましたが特に何にも言われませんでした。
何しに行ったんだろうね。
【受講体験】
講師の人は建築一筋40年以上のベテランの人で
・昔銀座の地下鉄工事に行った時の話
・水力発電用のダム建設に行った時の話
などなど、自身の昔話を交えながら高所作業の危険さや墜落制止用器具についての話をされていたので、私もスマホ弄りながらでしたが要所要所でこの人の昔話を聞かせてもらいました。
講義はつまらんけどこういう経験談とかは面白かったです。
講義は15時半で終了し、残りはグループワークになります。
私のグループの人は
・消防士
・配管の設計士
・設備保全
などで、他のグループには「ボイラーメーカー勤務」って人もいました。
こういった現場職関係の講習って若いやんちゃそうなお兄さんが多いイメージです(実際クレーン玉掛講習の時そうだった)が、この講習は意外にそういった人は少なく老若男女、何なら外国人も入り乱れた幅広い層の受講者がいました。
あと転職したばっかの人がやたら多かったです。
6人1グループを作ってそれぞれ何種類かあるフルハーネス型の器具を着用し、最後はその着用した感想をそれぞれのグループの代表がみんなの前で発表する、という形でした。
発表終わり次第免状が配られ講習は終了となります。
【最後に】
実際に使用してみた感想としては、フルハーネス型は体全体を固定する分各所のベルト長さを調整したりするのが面倒でした。後結構窮屈。
脱着も腰ベルト型より面倒ですが、万が一落下した場合の後遺症や死亡リスクのことを考えると仕方ありません。
まぁフルハーネス型なんて会社から支給されてないし一度も使ったこと無いんですけどね。