前回の燃料・灰搬送系統紹介編
前回に引き続き今回はフローの中でも発電所のメイン部分となる
給水・蒸気・風系統フロー図
の紹介編になります。
フロー図はこちら。
【風系統】
押込ファン
燃料を炉内で燃焼させるためには燃焼源となる「酸素」が必要ですので、ファンによって外気を炉内に押し込んで供給しています。
画像にあるように右設備がモーター、左設備がファンのつもりです。
押し込みファンの空気はGAHを通って予熱された後、1次、2次空気として炉内へ供給されます。
モーターの素材には「磨かれた玄武岩」というものを使用しました。
イラストにあるように、モーターには表面温度を下げるためのフィンが付いてるのですが、この「磨かれた玄武岩」がちょうどそのフィンっぽさがあった為です。
1GAH~2GAH
GAHとは「ガス・エア・ヒーター」の略で、空気を排ガスの熱で温度を上げて炉に供給するための熱交換器になります。
空気温度を上げることで炉内が冷えにくくなり省エネの効果が期待できます。
風・給水・蒸気の配管には「鉄ブロック」を使用しています。
2GAH出口~1次、2次空気供給ライン
GAHで予熱された押し込みファンの空気は、1次空気が炉底から、2次空気が炉の中段くらいからそれぞれ供給されます。
空気を一度に供給すると炉内で燃焼温度が上がり過ぎてしまうので、1次空気と2次空気に分けることで燃焼温度を抑える役割があります。
熱交換通路
炉に供給された空気は温度が800度以上まで上昇するので、その熱を利用してそれぞれ
蒸気温度を上げるための「SH(過熱器)」
給水温度を上げるための「エコノマイザ」
空気温度を上げるための「GAH(空気予熱器)」
を通り熱交換されます。
それぞれの媒体温度の昇温に使われた排ガスは最終的に150度くらいに減温され煙突から排出されることになります。
バグフィルタ
前回も紹介したバグフィルタ
排ガスに含まれているフライアッシュをろ布によって捕集し、上部のエアパルスを打つことで下に払い落とすための装置です。
誘引ファン
押し込みファンだけだと炉内が正圧になり、万が一炉が破孔した時に灰が外に吹き出してしまうので、この誘引ファンで炉内を負圧にしています。
どのプラントでも一番動力が大きいと言われる設備の為、作る時も一番大きくしてみました。
煙突
誘引ファンによって排ガスは煙突から系外へ排出されます。
煙突と言えばなんかこの「赤と白」のイメージで作ってます。
煙突最上部には飛行機に煙突の存在を知らせるための「航空障害灯」を設置しました。
この世界に飛行機なんて無いんだけどね。
【ボイラー給水系統】
続いてはボイラーで発生させる蒸気の元となる給水系統の説明。
補給水ポンプ~復水器ライン
ボイラーで使う水は基本的に発電で使った蒸気を冷やして水に戻し再利用するので、本来は給水する必要はありません。
しかし一部の水は系外に排出されて少しづつ減っていってしまうので、それを補うために補給水ポンプで純水を補給する必要があります。
なのでこの補給水ポンプで純水タンクから復水器へ水を補給しています。
復水器
その名の通り、発電するためにタービンを回すのに使用した蒸気を、冷却水で冷やして水に戻す(復水)設備です。
戻された水はこの復水に貯留され、復水ポンプによって再度ボイラーへ給水されていきます。
復水ポンプ
復水器の水を抜き出して脱気器へ給水するポンプ。
復水ポンプ~脱気器
脱気器とは給水に含まれる配管腐食などの原因となる「溶存酸素」を蒸気の熱により取り除く為の設備です。
この熱源には蒸気タービンから抜き出した抽気を利用しています。
ボイラー給水ポンプ
脱気器からの水をドラムへ給水するためのポンプ。
多段式を採用しており気持ち大きめに作ってみました。
ボイラー給水ポンプ~エコノマイザ
「エコノマイザ」とはボイラーに給水する水を排ガスの熱を利用して温度を上げるための熱交換器のことで、別名「節炭器」とも呼ばれます。
その名の通り給水温度を予め上げることで炉に投入する燃料の量を節約することが出来ます。
蒸気ドラム、降水管~上昇管
別名「汽水分離器」と言われ、エコノマイザから給水された水はドラムから降水管でボイラー棟の下へと下降し、その後炉内の熱によって沸騰することで密度が小さくなり上昇管を通って自然に上昇していきドラムへと戻ります。
このサイクルで水は自然循環し、発生した蒸気は水と分離して蒸気管でドラム外へ運ばれます。
【給水薬品系統】
ボイラーの給水をする上で重要なのが水質管理なのですが、その管理のために薬品を複数注入しています。
主に
給水のpHをコントロールするための「pH調整剤」
給水中の酸素を除去し腐食を防ぐ「脱酸剤」
管内のスケールや腐食を防ぐ「清缶剤」
の3つを注入しています。
pH調整剤・脱酸剤→脱気器給水ライン
3つの薬品のうち、pH調整剤と脱酸剤は復水ポンプから脱気器に給水される配管途中で注入されます。
清缶剤→ドラム給水ライン
清缶剤のみ、ドラムへの給水配管から注入されます。
薬品の注入管は細い管が良かったのですが探しても見つからなかったので、「鉄の柵」を繋げてそれっぽくしてみました。
【蒸気系統】
ドラム→1SH
上昇管から流入した蒸気はドラムの上部から外部へ持ち出されます。
この蒸気にはまだ水分が含まれており、このままタービンに入れてしまうとこの水分がタービンに悪影響(腐食や損傷)を与えるため、過熱器(SH)と呼ばれる排ガスとの熱交換によって蒸気をさらに過熱することで水分を無くします。
通常はここから蒸気が出ることは無いですが、異常時に蒸気の圧力が上がり過ぎた際、この大気放蒸管を通って外部へ蒸気を排出することで異常圧力によるボイラーの損傷を防ぎます。
外部に高圧蒸気を出すと騒音が発生するのでサイレンサーにより音を抑える役割があります。
1SH→2SH→タービンへ
1次過熱器(1SH)から2次過熱器(2SH)を通って排ガスと熱交換した過熱蒸気は、蒸気タービンへと運ばれます。
タービン→発電機
SHにより過熱された蒸気はタービンへ入り、その熱エネルギーによりタービンを回転させます。タービンが回転するエネルギーによって発電機が電気を作ります。
画像左の白い建物がタービンで、右が発電機のつもりです。
見た目で何となく電気作ってる感が欲しかったので発光するブロックを使用。
ちなみに以前書いた記事にタービンの排気方法による種類分けというものがあったのですが、今回私が作ったこの発電所では「下排気型」を採用しております。
タービン→抽気は脱気器、排気は復水器へ
タービンを回転させるための蒸気を中段辺りから一部抜き出して、給水に含まれる溶存酸素を除去する為脱気器の加熱源として使用します。
また発電の為に使用された後の排気蒸気は復水器で冷却水により冷やされてボイラーの給水として再利用されます(復水)
以上が風・給水・蒸気系統の説明になりますね。
なんかマインクラフトの紹介じゃなくて発電所の設備紹介になってへんか・・・?
知らん人が見てもなるべく分かりやすいように説明しだしたらキリがないですね。
まぁ私とごく一部の人さえ楽しければそれで良いんですけれどね。
そもそもそういうコンセプトのブログだし。
書いてる私はめっちゃ楽しんでますけどね。
まだまだ紹介し足りないのですが今回はここまで。
次回はユーティリティ系統紹介編になります。