私がボイラーマンだ

3度の飯よりボイラー好き。ボイラーをこよなく愛する火力発電所勤務の変態ボイラーマンの日常を綴ったブログ

カルト系の自己啓発セミナーに参加した時の思い出【1日目】

f:id:doragonking:20220209125515j:plain

気分転換と身辺整理も兼ねて部屋の大掃除をしていたら前職で嫌々行かされた自己啓発セミナーの懐かしい書類を発見しました。

 

 

そういえばあの時の体験談書くって言って忘れてたな~とふと思い出したので、私が経験した人生で最も苦痛だった出来事ベスト3となるこのセミナーの体験談を語ります。

 

【1日目】

この講習は、とある施設にほぼ軟禁状態にされ2日間にわたって行われます。

 

講習会場に付くと受付後に大会議室のような所に100人以上の人間が一同に集められました。

さながら漫画カイジの借金背負ってゲームに強制参加させられた人の気分です。

 

最初はメインとなる講師や複数いるセミナー担当の自己紹介から始まり、その後「リーダー決め」が行われます。

リーダーの決定方法はおもむろに皆の前に椅子が数個並べられ、講師がいきなり

「はいっ!リーダーになりたい人はこの椅子に座ってください!」

と言われ、その椅子にいち早く座った人がリーダーになります。

リーダーをやりたい酔狂な人間は猛ダッシュでその椅子めがけて走り込みますが、当然椅子まで走っても座れなかった人も数名います。

 

そして、ここからがセミナー陣営の本領発揮。

 

講師は言います。

講師「はい。皆さん前を見て下さい。この椅子に座れた人達がチャンスをものにできる人達。そして座れなかった人達がものにできないドンくさい人達です。そして・・・

椅子に座ろうともしなかったあなた達はそれ以下のクズです!」

※ちなみにもう10年くらい前の記憶なので、セリフはこんな感じの事言われたっていうニュアンスで書いてます。

 

ここから30分ほどリーダーになれなかった・なろうとしなかった人達への罵詈雑言が浴びせられます。

 

初っ端からガッツリ気力を折られた後は「班決め」が行われます。

班決めは椅子に座ったリーダー含め数人で1班とするのですが、その内誰の班に入るかはリーダー以外の人が自分で選ぶスタイルでした。

ここでも最後まで班が決まらなかったリーダーのダメ出しが入ります。

「カリスマが欠けている」

「リーダー無理やりやらされてるから人に見抜かれて集まってこない」

等・・・

 

いやぁ、ただの運では・・・?

 

その後、班になった人とは自己紹介タイムで名刺交換や雑談を交わしました。

私はリーダーの中でも「会社から言われて無理やりリーダーやってそうなおっさん」を選びましたが、そのおっさんは案の定会社から「リーダーやってこんと殺す!」と脅されてリーダーになったと言っていました。こわっ。そんな会社にはかかわらないよう、その名刺は未だに持っています。

私の班の人は

・会社に言われて嫌々リーダーやってる清掃会社の40代主任Aさん

・会社に言われて嫌々参加してる塗装会社の30代金髪Bさん

・会社に言われて嫌々参加してる20代美容師のCさん

・会社に言われて嫌々参加してる20代紅一点、美容師のDさん

 

全員漏れなく嫌々参加してました

 

美容師の二人はそれぞれ全く関係ない別の美容院から来てました。

美容師てそういう業界なんだろうか・・・

 

自己紹介後は名前と会社名、役職が入った名札を胸につけるので他の班の人もどんな会社からきているのか分かったのですが、他のやる気マンマングループなんかには金髪のベンチャー若社長とかどっかの会社のおじいちゃん会長とかが参加してました。

他にも

(えっ、この会社もこんなセミナーに参加させられるの?)

っていうような有名な企業の人もけっこう見かけました。

 

 

その後はしばらく座学となり、講師の人から

「人との繋がりや助け合いがいかに素晴らしいことか」

とかそんな感じのありがたい講義を受けたり、合間合間に質疑応答されて怒られたりします。

 

講義が終わると次は数班づつが2手に分かれてそれぞれ別部屋に行き、とあるゲームが始まります。

その名も「赤黒ゲーム10セットマッチ!」(名前は適当)

このゲームの内容はとても面白かったので、10年以上たった今でもけっこう覚えています。

 

◆内容◆

・1セットに1回、2チームがそれぞれ赤か黒のどちらかを選ぶ。

・お互いの出した色が「赤同士ならマイナス10点」「黒同士ならプラス3点」「赤と黒なら赤を出したほうがプラス5点、黒を出した方がマイナス5点」

・10セット行い合計点の大きいチームが勝利。

 

1チームは1班5人グループ×5班で30人くらいなので、1セットで赤と黒どちらを出すかを多数決で決めます。

 

 

私は先に先輩から答えを聞いていたのでネタ晴らしをしておくと、このゲームの真の目的(答え)は

「お互いに黒同士を出し続けてお互いが30点満点にする」

です。

 

もしかしたら皆さん「いやそんなん考えたらわかるやん?」

って思う人もいるかと思います。

 

まぁでもね。

人間ってそう単純に出来てないんだこれが。

そう考えさせられたゲームでした。

 

【最初の1ゲーム目】

チームのリーダー格の人がまず多数決をしてみよう!ということで、赤派と黒派でそれぞれ挙手を求められました。するとびっくり

 

赤に挙手する人の方が圧倒的!!

 

その理由を求められたのですが、赤派の意見は

「黒を出して万一向こうが赤を出したらこっちが負けてしまう」

というもの。

 

あとは

「良く分からないけど取り合えず向こうが黒を出したら勝てるから」

という特に何も考えていない意見が多い。

 

私たちのチームは結局「赤」を選択し1セット目を終えました。

 

その後主催者から向こうチームの出した色が発表されます。

その色は・・・「黒!!」

 

 

「おぉっ!!」

「やったっ!!」

 

とまさかの拍手が巻き起こる!

 

2セット目に突入しましたが我らがチームは1セット目同様、赤派が多数。

そしてもう一度赤を選択。

 

そして再び主催者から向こうチームの出した色が発表。

その色は・・・「赤!!」

 

ですよね!

当然の結果です。

 

 

その後3セットほど行われたゲームは両チーム「赤」のみで横ばいに。

ここまで来るとさすがに赤派の人たちも

本当にこのままで良いのか?

このゲームにどんな意味があるの?

と考えだします。

 

私は正直やる気もなく適当に終わらそうと思っていたのですが、たまらず挙手して

「これは黒を出し合いお互いに点を取るのが目的のゲームでは?」

と発言してしまいました。

 

会場は

「おぉ~」

「なるほど~」

とまたまた拍手。とても恥ずかしかった。

 

ということでこちらのチームは次のセットで「黒」を選択するも、向こうチームは「赤」で向こうチームに得点。

その次も再び向こうチームが「赤」を選択し得点。

 

 

ここで再び赤派の人たちが意見をしだします。

「このままでは負ける!」

「こちらがその気でも向こうが理解してなければ意味ない!」

 

それはそうでしょう。

 

しかも言われてるわけではないですが、こんな頭おかしいカルト集団のやるゲームが普通に勝負だけで終わるとも思えない。

もしかしたら負けた方には強烈な叱責やペナルティなんかもあるかもしれない。

 

皆、この時点でゲームの趣旨はもう理解できていたはず。

 

だけど黒は出せない!出すわけにはいかない!

 

こちらがどんなに善意を持っていても、相手に悪意を持って赤を出し続けられたら負けてしまうのだ!!

 

結局その次に赤派に再び押し切られ「赤」を選択。

対する相手チームの色は・・・なんと「黒!!」

 

惜しい!!驚くほどかみ合わない!!

 

次セットの選ぶ場面ではついに赤派と黒派が大激突。

「相手もようやく分かってくれたからここは黒!」

「でもこっちが赤出しちゃったからまた向こうも赤出すかも。そしたらこちらが負ける!」

「そうしないことを信じあうゲームでしょう!」

「黒出して負けた時その責任とれんの?」

 

 

醜い・・・醜いよぉ・・・

人間の愚かな部分モロに出ちゃってるよぉ・・・

 

そして完全にセミナー連中共の手の平で踊らされているよぉ

 

 

迎えた9セット目はこちらが「赤」。相手が「黒」

 

もう駄目だぁ~

 

善意と悪意のすれ違いってこうして起こるんだなってこの時ほど感じたこと無いです。

 

そして最終セット。この時のお互いの結果は確かこちらが僅かにリードだったと思います。

次のセットで向こうが相手を信じて黒を出してもすでに負けは確定。

なのでおそらく相手は必ず「赤」を選択せざるを得ません。

逆にこちらは赤を出せば勝ち確定、黒を出してあげたとしても別に何のメリットもありません。

 

こうなってしまうともうほとんどの人は

「お互い損するくらいなら赤出して勝ちでいいでしょ」

という理由で赤賛成派に挙手。

 

 

 

そして私も挙手

 

 

最後の最後で裏切る最低の小物ムーブをかましました。

 

 

結果は当然両者「赤」でフィニッシュです。

 

 

~ゲーム終了後~

全員再び大広間に集まりました。

そこで講師の人が開口一番怒鳴ります。

 

「お前ら全員馬鹿かっ!!!」

 

ここで初めて最初にネタバレした内容が説明されます。そしてその上で

・お前ら今までの講義で何を聞いてたんや!!

・お互いに利益をだし合うこともできんクズ共が!!

・お前らみたいな利己主義者が社会を駄目にするんだ!!

みたいな罵詈雑言の嵐。

またこのゲーム中に話し合っていた内容は全てその部屋にいたセミナーの担当者達に記録をされており、その内容も全て聞かされました。

 

特に自分チームの最後の10セット目の内容は講師に

・相手と同じ立場になろうともしないクズ

とこき下ろされました。いやほんとその通りです。ごめんねクズで(笑)

 

ついでに相手チームも

・自分たちが負けてでも相手を想いやって黒を出さず、最後まで勝ち負けにこだわったクズ

的なことを言われていました。泣きっ面に蜂。

 

 

この話を聞いたやる気満々チームの人たちは大号泣。

「俺はなんて最低なんだっ」

みたいにガチで落ち込んだりしててちょっと引きました。

 

 

洗脳ってこうしてするんだなって思いました。

 

 

 

いや~しかし赤と黒を言い合うだけのゲームでここまで白熱できるとはね。

 

でもすごく良く出来たルールだったと思います。

・黒同士では点が稼ぎづらいが赤を出して相手が黒だった場合はこちらが得られる点が大きいので、相手の良心に付け込んで赤を出したくなる。

・でも相手も同じ考えで赤を出すと大きくマイナス点となってしまう。

・ルールの仕様上一度でも赤を出すと既にゲームとして成功しない。しかも勝ち負けが掛かっているから、それならやはり赤でワンチャン狙う・・・という気にさせる悪循環を生み出す。

 

一応フィクションもいれましたがあのセミナー自体は何も学ぶことはなかったですし頭おかしいと思いますが、このゲームだけはとても感心したし面白かったです。

 

ポピュラーなゲームかどうかは知りませんが、もしこのセミナー特有のものであるなら特定できそうですね。

 

 

【余談】

ペナルティに関しては特に何もなく、講義終了後は無事に宿舎へ帰ることが出来ました。

 

私は班で組んでた「会社に言われて嫌々参加してる塗装会社の30代金髪Bさん」と同じ部屋になりました。

私「良かったですねぇペナルティとかなくて。勝ち負けとかも関係なかったですし」

Bさん「そうだねぇ。でも俺は会社の同僚に全部オチ聞いてたんでどっちでも良かったんだけどね!(笑)」

私「えぇ・・・」

 

Bさんには私があの場で発言して拍手されてたあの茶番がさぞ滑稽に見えたことだろう・・・