※ちなみに我が社では無いです。
業界紙で周ってきた情報によると燃料投入口付近の耐摩耗材の消耗が激しく周囲の耐火材が摩耗→耐火材脱落により水管損傷に至った発電所があったとのことです。
炉内に砂を入れて流動させることで燃料を燃やす流動層式ボイラーだったため、水管の水漏れによりこの砂が炉内に固着してしまっているらしく、これを人力で除去する必要があるため復旧に時間を要しているみたいです。
怖いですねぇ~
ボイラーマンをやっていて一番恐ろしいのがこの炉内水管のチューブリークです。
大量にリークしている場合は炉内温度が低下し自然にインターロックなんかでボイラー停止になりますが、もし微量に漏れ出している場合は漏れているのかどうか判断が付きづらいパターンもあります。
この時のリークしているかどうかの判断基準としては
①火炉内温度の低下
水が炉内に漏れ出しているためその個所の炉内温度が急激に下がる。
②排ガス量、吸引圧力の増加
炉内に漏れ出した水が火炉内で急激に蒸発し排ガスとなって吸引されるので排ガス量が増えたり誘引ファンの動力が増大する。
③補給水量増加
通常ブロー以外では再利用されるボイラー水が炉内に排出されてしまうため、漏れた分を補おうと系外からの補給水量が増える。
④給水量増加、及び給水と蒸気発生量の偏差増大
通常通りの発電をするための蒸気を作るのに必要な給水量に加えリーク分の給水もあるので、普段より発生している蒸気量と比べ給水量がやたら増加する。
大まかにこの4点の事象が確認された場合はほぼ間違いなくチューブリークしていると判断してよいと思います。
実際前職の発電所では、この事象を確認したことによりボイラーを止めて点検実施したところ早期発見に至ったケースもあります。
今回のトラブルもそうですが、ボイラーは腐食と摩耗との闘いです。
今はグループ企業の他人事で済んでますが、恐らく近い将来我が社でも発生しうるトラブルなのは間違いないので対応方法は常に考えておきたい所です。