プラントの定期点検が終わりようやくプラントが起動しました。
今年は定検から色々とぐだぐだしていたので、せめて起動くらいはちゃんとやりたいと思っていましたが・・・
まぁ結果から言うと残念ながら今年の起動は今までで一番ダメダメなパターンでした。
トラブル1:タービン起動前シーケンスの条件が立たない
シーケンスとは一度実行させると自動的に次の工程へ進めていってくれるプログラムの事です。
タービンの起動はこのシーケンスのプログラムに従って自動で進めていってくれるものがあります。
具体的には
①タービン真空確立→②グランド蒸気入り→③蒸気条件確立後タービン昇速&アイドリング→④発電機励磁→⑤送電系統へ併入
この一連はシーケンスで自動的に行ってくれるので基本的に人力介入は無いのですが、今回このシーケンスを実行しようとした所、シーケンス開始条件が立っておらず起動できませんでした。
原因は「運転していないといけないはずの装置が起動していなかった」こと。
この装置が運転していないことは知っていたのですが、メーカーから
「この装置が動いていなくてもタービンは起動できる」
と聞いていたため停止していたまま起動しようとしたらこのザマです。
急遽この装置を運転しシーケンス実行をさせることができました。
トラブル2:蒸気の止弁が開かない
タービンの起動準備も整ってきたので蒸気側の条件を整えようと蒸気の圧力制御用の弁を操作しようとした所、中央操作室からの開指令は入っているのに弁がうんともすんとも動きません。
現場を見ても全く原因はわからず、
スタッフを呼び出して見て貰ってもわからず、
メーカーに見て貰ってもわからず
完全にお手上げ状態。\(^o^)/
その時の時間はAM3:00。私はもう諦めて眠りにつきました。
その後AM8:00にようやく原因が分かり(計装部の汚れ)復旧できたので計画から4時間遅れで操作が再開されました。
この時の私は
(流石にもうこれ以上のトラブルはないやろ!後は無事立ち上げて終わりや!)
と一安心していました。
後で地獄を見るとも知らずに
トラブル3:ボイラーインターロックによりプラント全停止
今年の定期点検ではタービンの過速度トリップ試験(タービンが本来の回転速度より過剰な回転数になった時にちゃんと自動で止まるようになっているかを確認する試験)を行う予定になっていました。
なのでこの試験の為に一度タービンを解列(電力を系統から切り離す操作)した所
ボイラー内部の水位が一気に変動
ものの数秒でボイラー空焚きになり破損の恐れがある「危険低水位」までレベルが急低下したことでボイラーは全停止してしまいました。
私(・・・・終わった)
完全に心折られました。
また1から起動操作しなければならないとは考えたくもありません。
でもやらなきゃ帰れない。
その時の私は
とっとと再起動する
という一念で普段なら一度停止してから再起動までに8時間掛かるものを
ものの1時間半で強行
超高速ボイラー起動を実行致しました。
そんな強硬策によりプラントは結果的に計画通りの時間に立ち上がることができました。
でもボイラーマンとして次回はもう少しちゃんとした起動を心がけようと思います。
良いボイラーマンはマネしないでね!