私がボイラーマンだ

3度の飯よりボイラー好き。ボイラーをこよなく愛する変態ボイラーマンの日常を綴ったブログ

ゴジラ対ヘドラを見て思ったこと~昭和の公害問題について~

実は特撮映画が結構好きなボイラーマンです。

 

私が子供のころに、なぜか家にゴジラガメラ等の特撮怪獣映画のビデオがたくさんあったので片っ端から見てました。

 

 

特にゴジラシリーズは大好きで、昭和29年に公開された初代ゴジラに始まり現在ハリウッドでも公開されている最新ゴジラシリーズまで未だに全シリーズ見ています。

 

そんなゴジラシリーズの中でも私が一番印象に残っている作品。

それが今回紹介するゴジラ対ヘドラになります。

 

 

この映画は1971年(昭和46年)に公開されたもので、当時問題となっていた

「公害」

をテーマに添えた異色の作品となっています。

 

【以下公害問題について】

1960年~1970年代の高度経済成長期にかけて、産業が発達した結果発生した水質汚濁や大気汚染などの公害による人的被害。

有名な物では日本4大公害と言われる「水俣病」「新潟水俣病」「イタイイタイ病」「四日市ぜんそく」がある。

 

 

 

当時のゴジラは基本的に子供向けの楽しい娯楽映画だったものが、この映画のみ全体的に雰囲気がやたら暗く・重いものになっています。

 

登場する敵役の怪獣「ヘドラ」もやたら不気味だし、当時子供だった私はこの作品があまり好きではありませんでした。

 

ヘドラ。怪獣というより、もはや妖怪の類。

ヘドラ - 膨大なページ数 Wiki*

 

このゴジラシリーズ、実は今アマゾンプライムで見放題なので最近はずっと色んなシリーズを見ていました。

 

その時真っ先に視聴したのがこの作品で、自分が大人になり、そしてボイラーマンとなった現在見返してみると今まで公害防止管理者等で勉強してきた「公害問題」についてだいぶ突っ込んでいる作品だということがわかりました。

 

 

私が転職した際、発電所の運転管理に関する手順書の中に

光化学スモッグ警報発令時の運転管理対策」というものがありました。

この警報が発令された場合、私の勤めている発電所のようなプラントでは普段よりも排ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)やSO2(硫黄酸化物)という有害物質の排出量を普段よりも抑制しないといけないというものです。

 

私は(なんだその警報?今まで聞いた事無いけど)と思っただけでしたが、この映画が放映された1970年当時、光化学スモッグによる汚染がひどく学校で生徒が体調を崩したりするレベルであったらしいです。

 

またプラントで発生する排ガスに含まれるSO2などは、地元近くにある三重県四日市では前述した「四日市ぜんそく」の原因になっています。 

 

そしてヘドラはこの光化学スモッグや有毒ガスをまき散らす攻撃をしてきます。

この攻撃を浴びた人々は公害の症状と同じく体調を崩したり最悪そのまま死に至ります。

 

このような感じで、兎に角この映画は公害の恐怖を人々に伝える為のシーンをふんだんに盛り込んできてており、子供からすればショッキングな描写がいくつも存在します。

 

 

◎私を含む当時の子供にトラウマを植え付けたであろうシーン

ヘドラの攻撃で人が白骨化したり、ネタバレ?になりますが主人公の家族も死ぬ。

(※ゴジラでは意外と人が死ぬシーンは直接的にはあまり描写していなかったのですが、この映画ではとにかく人が死ぬシーンが多い)

・赤ちゃんがヘドロまみれの海に埋まって泣き叫んでいる

・アングラバーで踊る人たちが急に魚の頭になったりする

・ヘドロの中から泥だらけの子猫が出てくる

 

そして劇中で流れる主題歌でもある一度聴いたら忘れられない電波曲

「返せ!太陽を」

www.youtube.com

当時流行していたらしいサイケデリックな雰囲気で歌われるシーンと共に子供の私に強烈な印象を与えています。

テンポよく有害物質名を読み上げているおかげで覚えやすい。

公害防止管理者を勉強している人は是非聞いていただきたい。

 

水銀・コバルト・カドミウム

鉛・硫酸・オキシダン♪

シアン・マンガンバナジウム

クロム・カリウムストロンチウム

 

つい口ずさみたくなるくらいゴロが良い。考えた人は天才かな?

 

触れるだけでも有害な怪獣ヘドラは、今までのシリーズでも歴代上位に入るほどの強敵と言われています。

実際他のシリーズではゴジラと敵対した怪獣は明確にやられ描写が有りましたが、このヘドラはやられた後もまた復活しそうな描写で終わっています。

この映画を作った監督としては、それくらい公害と言うものは恐ろしく厄介なものであるということを言いたいのでしょうか。

 

 

今でこそ技術や知識が発達して有害物質などの排出量は劇的に減少していますが、その分昔より公害に対する意識も薄まってきてしまっているように思います。

実際、現職のプラントも有害ガスはほぼ発生することがないため、恥ずかしながら自分も普段の勤務中にあまり排ガス濃度を気にすることはあまりないです。

 

しかしこの映画を見ると、改めて自分たちの仕事はもともとこういった問題と密接な関わりのあるものだと気づかされます。

 

 

アマゾンプライムに加入しているボイラーマンの方々にはぜひ視聴していただきたいこの作品。

 

プラントで働く者として、このヘドラを再び復活させないよう日々運転管理を徹底させたいですね。