私がボイラーマンだ

3度の飯よりボイラー好き。ボイラーをこよなく愛する変態ボイラーマンの日常を綴ったブログ

ブラック企業?の思ひ出

私は一度転職しているので現在の職場は2社目です。

研修も含めると5個くらいの発電所を経験しています。

 

色んな会社を見ると、やはり完璧な会社なんてものはなくて、どこの会社も一長一短な面はあることがわかるのですが、それでもやはり前職はブラックだったな~と思えることが数多くありますので今回はそのエピソードを紹介します。

 

ボイラーマン、もとい社会人の皆さんも共感してもらえる部分や「いやその程度は普通」と思える部分があると思います。

 

配属までの研修期間編

・出勤時間

私が新人で入社した時、入社初日では一日かけて全部署へ挨拶回りや会社説明などの教育を受け平和に終わったと思ったのだが

その日の帰り、教育担当の上司に

「お前ら明日は何時に出勤すればいいと思う?」

と聞かれました。

その会社の就業時間は8時~17時でしたが流石に新人がギリギリに出勤するのもダメかな&ちょっとやる気見せたろ!と思って

「7時くらいですかね!」

と答えたところ

 

「違う。6時」

 

 

・・・6時?8時始まりなのに?

 

以下新人が朝やること

6時~7時:事務所清掃

全社員の机拭き、床の雑巾がけ、窓拭き、トイレ掃除を新人で協力して行う。

 

 

7~8時:事務所玄関で挨拶練習

おはようございます!!!!!×3

こんにちは!!!!!!×3

お疲れさまでした!!!!!!!×3

ありがとうございます!!!!!!!!×3

 

会社の朝礼が始まる直前までひたすら大声で発声練習を言い続ける。

社員が出勤してきたり近所の人が通りかかった際には大声で必ず挨拶する。

軍隊かな?

 

・社長勉強会

社長が暇になった際に不定期で行われる「人間力のいろは」を教わるありがたい講義。

時間は社長が満足するまでで、短いと1時間くらいだが調子が良いときは朝10時に始まり終わったのは17時の時もある(昼休憩なし)

この社長、もうワンマンの化身のような人で、自分の考えと違う答えを言うと問答無用で頭をおもいきりぶん殴られる。

勉強会初回で自分の名前を黒板に書いてから自己アピールを10分しろと言われたので黒板に自分の名前を書いた時に

「お前の字は下手くそや!!親にどういう教育されてきたんや!!!」

という理由でいきなり頭をしばかれた際は流石に

 

(とんでもない会社来ちゃった・・・)

 

とめちゃくちゃ落ち込んでしばらく昼食が喉を通らなかった。

 

合計で20回近くやったけど、10回を超える時には流石に慣れてきて

(自分の考えとは違うけど、この人的にはこういう回答を望んでいるな多分)

といった具合に上手い事こなせる様になったことで殴られることは無くなっていった。

 

面倒な人間を適当にあしらう技術とクレイジーな人間に慣れる精神力が身に付いた、ある意味最も実用的な講義。

 

・入社前挨拶にいた工場長が入社時にはなぜか平社員に

入社前の3月に作業服の衣装合わせも兼ねて同期4人で顔合わせをした。

その時に会社の工場長と挨拶して雑談やお昼ご飯を食べたりして和やかに終わった。

 

・・・のだが、いざ入社した初日の挨拶巡りの際

なぜかその工場長が現場の一番下っ端扱いで挨拶してきて大混乱

「えっあの人工場長だったよね!?なにかあったの?」

と思って先輩や上司に聞いても

「まぁ・・・そうだね・・・」

と言葉を濁すばかりで何も教えてくれない。

 

結局真相は今もわからない

 なにこれ怖い。

 

多分社長の気に入らないことしたんだろうなとは思うけど、まさかそんな降格があるとは…

 

・1回きりの教育でいきなり実践投入される新兵

新人は各部署配属前に必ず保全課で各工具の名前や使い方を教えて貰う。

 

・・・が、どれも一度しか教えて貰えない。

工具位ならまだそれでも全然良いが、それを使ってベアリング交換やポンプのグランドパッキン交換、チェーン交換なんかをいきなりやらされる。

 

それも実機で。

しかも新人だけで。

 

ベアリングと言っても物凄い種類があるし、中には事前にグリスを入れておく必要のあるものや入れなくていいものなんかが有ったりして訳わからない。

 

あと下記画像のようにベアリングをカバーから外す時に使うプーリー抜きという工具とかもあるのだが、けっこう使いこなすのにコツが入り1回だけの説明ではろくに使いこなせない。

 プーリー抜きの値段と価格推移は?|121件の売買情報を集計したプーリー抜きの価格や価値の推移データを公開

 

なので当然できないし訳わからんまま作業する羽目になる。

 

そして当然間違えるが

「俺お前らにちゃんと教えたよな!?」

「そんなやり方しろって言ったか!?」

「4人もいてそんなこともできんのか!?」

と怒られまくる。

 

 

ならせめて誰か見ててくれ・・・

 

 

3人寄らば文殊の知恵とは言うものの、それなあくまで一定水準の人間であればの話。

 

ポンコツが何人集まった所で文殊の知恵にはならない

 

多分だけど出来ないの分かってて叱る為にわざと新人だけでやらせてるんだと思う。

まぁおかげである程度の現場力(野生)は付いたけど。

 

 

・謎の自己啓発セミナー強制参加

日○創造教育研究所という所が行う謎の講習。

 

いわゆるカルト的な自己啓発セミナーです。

社長がこの熱狂的な信者で、社員は必ずこのセミナーに参加させられます。

 

私も参加させられました。

まぁ・・・ひどいもんですよ。洗脳施設みたいなもんです。 

 

多分このネタだけで1個ブログが書けそうなのでまた別の機会に詳細を話そうと思います。

 

・人が何人か死んでる

プラントなら1件くらいはあるのかもしれないですが、うちの工場は数年に一件くらいの頻度で起こる。

 

私の数年前に入社した先輩が、私が動力課に配属される直前にコンベアに巻き込まれて亡くなりました。

 

私が会社にいた時はその1件だけでしたが(それでもやばいけど)、過去にもこの部署でこんな人がいてこんな死に方したよと先輩から色々聞いた。

 

ローラーに巻き込まれる、屋根の上で溶接中感電した上に落下死、ローラーに巻き込まれる、巨大な水槽に落下死・・・

 

 

 

 

 

いやなんか対策せんのかい!!

 

 

しないんだなこれが!これがブラック企業の実力よ!

 

 

※厳密にはローラーに巻き込まれたり水槽に落下したりした後に周辺には柵が設置されたのだが、作業性が著しく悪くなると言う事で現場で作業する時はほとんど外して作業していました。

そんなことやってるから死ぬんだよ。馬鹿なのかな。

 

発電所配属編

・現場点検は1時間前のサービス出勤で行う。

ようやく研修が終わり地獄の2時間前出勤から解放される・・・

 

と思ったのも束の間。

配属先の動力課は圧倒的な人手不足と業務過多、そして度重なる不具合対応により現場を点検する暇すらない状況。

結局部署の運転員は全員就業1時間前に出勤し点検しなければなりません。

しかも残業代はつかずサービス出勤で。

 

・1勤の作業は夜勤がサービス残業で行う。

朝8時からボイラーの燃料や薬品を納車したり産業廃棄物を処理するトラック業者を受け入れる対応をしなければならないのだが、上記の業務過多のせいで朝勤者だけではとても捌き切れない。

なので夜勤者が毎日2~3時間残ってトラック業者の対応をしていた。

 

だけどなぜか前職は1時間以上の残業禁止だったので、朝9時以降の残業は全てサービス残業となっていた。

 

これだけのことをやってようやく業務が成り立っているのに

「当直は2名で十分対応できている」

と判断する会社上層部・・・

 

・先輩より早く資格を取得してはいけない

なのに誰も全然取ろうとしない。

しかも取れない。

とある先輩に至っては1級ボイラー技士に5回落ち続ける始末。

 

あと

「新人はまず仕事を覚えることが先で資格勉強なんてするな」

みたいな謎風潮があったせいで、2級ボイラー技士を受験できたのは入社して1年後だった。

 

2級ボイラー技士を取得した時に上記の先輩から

2級ボイラー技士は勉強すれば誰でも取れるからね(笑)」

と言われたのに腹が立ったので、その年にエネルギー管理士を受験して見事一発合格した時に

「まぁ勉強すればこれくらい誰でも取れますよ(笑)」

とドヤァァァって感じに言ってやった。

我ながら生意気な後輩だったと思う。 

 

保全業者は基本呼ばない

配管が破孔したり詰まったり薬品が漏洩したり水漏れしたりシリンダー不調だったりコンベアチェーンが破断したりしても、保全業者は基本呼ばない。全部運転員が対応する。

 

おかげで現場力は付いたけど、基本一人で何とかしなければならないので めっちゃ大変。

これの対応をしながら通常業務もこなす必要があるのでトラブルが連発すると死ぬ。

 

あと、前述したように保全に関するろくな教育を受けていないせいで、皆基本付け焼刃の保全しかできないのでガタが来るのも早い。 

 

そのせいでトラブルがまた頻発し、また保全・・・という悪循環になる。

頼むからちゃんとした知識と技量のある人にやって欲しい。

 

・定期点検中もなるべく運転員が作業する

ポンプ解体みたいな専門業者でないと出来ないものは流石にやりませんが、それ以外の簡易的な作業は全部運転員の担当でした。

 

各所水抜き、炉内清掃、煙道灰掻き出し、バグフィルタ開放、オイル交換(全ポンプ)、パッキン交換、排水層清掃、コンベアチェーン交換、燃料掻き出し、冷却塔水槽清掃、ポンプストレーナー清掃等々

 

これらを正味5日で行います。

 

工場側の都合で動くので動力課の仕事は待ってもらえません。

 

この5日間は運転員総員8名が一斉に集いフルパワーで作業します。

大変ですが運転員が全員集まる機会はこの時くらいなので、個人的にはお祭り気分で楽しいです。

ただしめっちゃきついし仕事終わらないと帰れないけどね!

 

・メモ、手順書を見る奴は2流扱い

 ボイラーやタービンの起動方法はけっこう複雑で分かりづらい所があるので新人の自分はよくメモをしていたのですが

 

「そんなん書いてる暇あったら目に焼き付けろよ」

 

と言われたことが有ります。

 

 

焼き付けるだけじゃ忘れるじゃない・・・

 

トラブル対応方法に関しても

「そんなの書いてても実際見てる暇ないだろ」

と言われます。

 

いや実際そうですが、でも書いておかないと次同じことが起こった時には忘れてる可能性もあるし・・・

 

なのでうちの発電所にはトラブル対応手順書や起動停止手順書なんてものは一切ありませんでした。

 

個人的には1流とか2流とか関係なく安全のために手順書は必要だと思っているので、他は仕方ないにしてもこの思想だけは納得いきませんでした。

 

 

 

 最後に

こんな会社でしたが一応いい思い出もたくさんあります。

配属部署では先輩や上司に恵まれていたので仕事は大変でもそこまで苦では無かったですし。

 

飲み会や遊びにも連れていってもらったりしても基本先輩・上司が全部お金を払ってくれました。この辺りは体育会系の良い所ですかね(酒飲まんと怒られるけど)

 

あと誰も資格を取らない(取れない)ためか資格取得時の報奨金がとんでもない額になっており、「エネルギー管理士」「電気主任技術者3,2種」等はなんと取得するだけで100万円貰え、実務やってなくても一つに付き毎月5000円以上手当が出てました。

また、参考書や受験費用も合格不合格に関係なく全部会社が出してくれたりと資格に関する手当は非常に手厚かったです。

 

あと現職と比べて一番良かったのが、

上司が誰よりも仕事熱心なうえに仕事自体めちゃくちゃ出来る人だったことです。

私含めて前職運転員は未経験揃いのポンコツ多め集団でしたが、この人のおかげで発電所としての体をなしていましたし、それに感化され何だかんだ皆モチベーション高く仕事していました。

 

 

前職にいた時にはこれが普通かと思っていましたが、色々な会社を経験すると

やっぱ前職ってやべぇ所だったな・・・

と思う所や、逆に

前の方が良かったな・・・

と思う所もあり、結局隣の芝は青く見えるものなのしれません。