職場に太陽光発電設備が導入されました。
丁度電験3種の機械科目で勉強していた所なので、正にドンピシャな時期です。
機械科目の太陽光発電に関する問題では、基本的にパワーコンデショナー等に関する論述問題系が多く出題されています。
パワーエレクトロニクスに絡んだ問題も多く難しい印象でしたが、せっかく身近に導入されたことだしここらでしっかり勉強しておこうと思って色々復習していました。
復習がてら太陽光発電設備の論述系問題についてまとめ
~太陽光発電システム~
・原理は半導体の光起電力効果を利用している。
・出力電力は電圧の変化値に比例し、電流値は電圧が増減しても変化しないという特性がある。
・1V以下のセルを多数直列に接続した直流電源で、セル数を少なくするために昇圧チョッパ回路で変動する太陽電池の電圧を一定の直流電圧へ変換する。
~太陽電池の単位~
・単位の小さい順にセル< モジュール < ストリング < アレイとなる。
・セルが最小単位で直径10cm程度。出力電圧0.5V程度。
・モジュールはセルを直並列に接続したもので、パネルとなっている部分。出力250W程度
・ストリングはセルを直列接続したもの。
・アレイはストリングを並列接続したもので、家庭用の屋根に設置されているものはこのアレイを乗せた状態、産業用であればアレイを複数接続したものとなる。
~パワーコンデショナとは~
・太陽光発電は発電出力が直流となるので、低圧配電線と連系運転するためには逆変換装置であるPWMインバータ装置で交流変換する必要がある。(このインバータは電圧源のため、交流系統との接続にはインダクタンス成分を含む回路要素が必須)
・インバータ装置小型化のために出力の電流位相と交流系統の電圧位相は同相とする。
・商用系統と連系運転するためにはそれ用の各保護装置も必要となる。
→このインバータや保護装置らが一体になったものをパワーコンデショナーと言う。
~MPPT制御(マキシマム・パワー・ポイント・トラッキング)~
・セルに照射される太陽光の量が変化すると最大電力なども変化するため、太陽電池アレイから常に最大電力を取り出せるような制御を行う。
・ パワーコンデショナでの制御は電流×電圧を自動で求めPV曲線での最大電力が発生する動作点を探し求めるような制御を行う。これを最大電力点追従制御(MPPT)という。
~連系運転の機能~
・連系運転中に電線で事故が発生した際に太陽光発電が単独運転とならないように、電圧位相や周波数の急変を検出して系統から切り離す機能がある。
・配電線側で発生する瞬時電圧低下に対しては系統から不要に切り離さないようになっている。
→法律で単独運転や自立運転の定義などが定められている。
【技術基準の解釈より】
単独運転 ・・・分散型電源が系統から切り離された状態で発電継続し、線路負荷に有効電力を供給している状態
自立運転・・・分散型電源が系統から解列された状態で構内負荷のみ電力供給している状態。
低圧電力系統に分散型電源を連系する場合は異常時※に自動的に解列するための装置を設ける。
※異常とは
1、電源の異常・故障
2、系統の短絡・地絡・高低圧混触事故
3、電源の単独運転、逆充電
職場の太陽光発電設備盤の銘板にもばっちりパワーコンデショナの記載がありました。
ちなみに問題集の解説を見ると、太陽光発電に関する問題はどちらかというと電力や法規で出てくることが多いらしいです。
まだ電力や法規には手を付けていませんが、今のうちに勉強しておけば少しは楽になるかもしれないし、何より仕事の役に立つ時が来るかもしれないのでしっかり覚えておこうと思います。