どこのプラントでも必ずと言っていいほど使用される媒体
「空気」
清掃等の雑用空気からシリンダーやバルブの駆動用等、色んな所に使われています。
こういった空気は大気中の空気をコンプレッサーで圧縮して圧力を挙げ、フィルターで塵を除去したりドライヤーで乾燥させたり使用箇所の状況に合わせて空気の品質を高めて送気します。
発電所では排ガスに含まれる煤塵の集塵機にバグフィルタを採用している場合、フィルタで捕集した煤塵を洗浄するのにエアを使用します。(筒の外側で捕集された煤塵を、筒の内側の上部から高圧エアを打つことで煤塵を下へ叩き落す感じ。逆洗と言う)
この逆洗に使用するエアーが非常に大きな使用率を占めており、先日バグフィルタの逆洗用エア継ぎ手が破損したのですがコンプレッサーがフル負荷で頑張ってました。
昔、私がエネルギー管理士の実務をほんの少しだけやってた期間中に省エネルギー関係の講義に行かされたことが何度かあったのですが、その時に講師の人から聞いたのは
「空気は無味無臭で無毒。しかも目に見えないものなので普段から多少漏れてても皆あまり気にしない。
しかし工場で使う空気の内、少なくとも10%、多い所だと40%もの空気はエア漏れで損失となっている。
その全てを止めることは不可能に近いが、工場の省エネルギーを考える者がこの問題を見逃してはいけないし、改善できた時の効果は意外と大きい」
と言っていたのをよく覚えています。
大体どこの工場でも平均20%前後のエア漏れは必ず発生しているそうです。
工場の所要電力の数10%をコンプレッサーが占める工場ならかなり省エネ効果が期待できるそう。
それ以降の実際のエア漏れ量算出方法などの計算などの講義は寝てたので覚えてませんが。(馬鹿)
ちなみにエア漏れの補修は割と簡単です。
ホース側ならホースの交換。チューブフィッティング等の継ぎ手側なら継ぎ手を交換すれば終わりです。
エアシリンダーに付属しているようなFRLユニットや空気配管から漏れている場合は少し面倒ですが、これも基本は漏れ箇所の交換となります。
空気を止められない等の理由で交換できない場合はシールテープ等を巻いて応急処置しておけば多少は改善されます。
所詮は空気なので割と誰でも簡単に補修できます。
逆に漏れ箇所の特定はけっこう面倒です。
先ほどの講師の話でも書きましたが、空気は無味無臭で目に見えません。
なので微量なエア漏れの場合、
漏れてるのは何となく分かるが、それがどこからの音なのかは分からない
という場面がけっこうあります。
そういった現場で実際にエア漏れを調べる方法でけっこうポピュラーなのが
石鹸水を吹きかける
方法ではないかと思います。
自転車のタイヤがパンクした時に自分で直したことのある人なら経験があるかもしれませんが、
タイヤのチューブを取り出してエアをチューブに入れた後、水の入ったバケツなどにチューブを入れて泡が出てくる所を確認する
といった方法で漏れ箇所を特定できます。
現場機器を水につけることはできませんがそれと似たようなもので、
エア漏れがあると疑いのある箇所に石鹸水をスプレーで吹きかけて、ブクブクと泡立つ所を確認する
といった方法で特定できます。
他にも市販のエア漏れ確認用スプレーを使ったり、使い方は良くわかりませんが超音波式リークチェッカーなる計測機器まであるようです。
エア漏れトラブルの特徴は
発見すれば割と簡単に治せるけど、見つけるまでが面倒。
しかも発見しても放置する人が多い
といった感じです。
ぶっちゃけ私も
何かシューシュー言ってる・・・どこか漏れてるのか?用役配管か?
・・・もし蒸気だったらまずいな・・・
(漏れ箇所探す)
・・・なんだエアーか・・・
と見て見ぬふりする場面、ありますね。
(だって直すメリットそんな無いし・・・面倒だし・・・)