先日色んな人のブログを見ていた時に「テッポウエビ」という生物についての記事を目にしました。
↓こんな感じのやつ。片方の腕がやたら大きい。
なんでもこのテッポウエビはこの大きいはさみを超高速で閉じることで周りの圧力を急激に下げることでキャビテーションを発生させ、その衝撃で獲物を気絶させるという捕獲方法を行うとのことでした。
キャビテーションと聞いたら反応してしまうのがボイラーマンの悲しい性質。
実はこの「キャビテーション」という現象はプラントで働く人なら一度は聞いたことがあると思われる名前です。
【キャビテーションとは】
簡単に言うと
「液体中に気泡が発生する現象」
です。
そう。水の沸騰のことですね。
この現象は主に水を送るポンプの吸込み口で発生します。
水の沸騰する温度は普通100℃ですが、これはあくまで大気圧での話。
例えば富士山山頂のように大気圧が地上より低い所では水の沸騰する温度が100℃以下になるため米が焚けないとか言われます。
これと同じで、ポンプの吸込み側の圧力が下がると水の温度が100℃以下であってもこの沸騰現象が発生し、この沸騰により水に気泡が発生することでポンプ出口の吐出量や揚程の減少をもたらします。
また、この時発生する気泡は高圧で運ばれるため衝撃力が非常に強く、ポンプ本体に大きな騒音・振動を起こしたり、配管などに衝突することで摩耗等の機械的な損傷を与えます。
キャビテーションが発生する原因と主に言われているのは
・ポンプの流量過大
・輸送液体の温度が上昇
・地下からくみ上げるタイプなら地下液面の低下
などです。
私の会社でもこのうちポンプの流量過大によると思われるポンプ内ケーシングの摩耗箇所が発見されています。
また、ポンプ出口弁を締め切り最低流量のみで長時間運転したりすると流体温度が上昇してこれもまたキャビテーションの発生原因となります。
ポンプを扱う仕事に付いているボイラーマンとしては、このキャビテーションを発生させないように運転管理をしないといけないので、こういった問題は切っても切れない関係なのです。
そんなキャビテーションを発生させないよう頑張っている我々を尻目にこのエビはそれを意図的に発生させるとは・・・
ボイラーマンの敵だよお前は。