私がボイラーマンだ

3度の飯よりボイラー好き。ボイラーをこよなく愛する変態ボイラーマンの日常を綴ったブログ

私のボイラー運転経歴②ストーカー式ボイラー(汚泥焼却炉)

 

【初めに】

 今回は前回紹介した流動層ボイラーと同じ部署で管理していた焼却炉についての話です。

 

この焼却炉は昭和50年代から稼働した非常に古いボイラーで、老朽化や維持管理費などの問題で私が動力課に配属された際にはすでに廃炉の計画が進められていました。

 

【ボイラー形式】

ストーカー式汚泥焼却炉で、工場から製品を作る際に排出されるスラッジ(廃プラや汚泥など)を脱水し焼却処理する設備になります。

 

この設備は発電などは行っていない単純な焼却炉だったため、いわゆる労基ボイラーに該当し1級ボイラー技士の人が取扱作業主任者に選任されていました。

 

doragonking.hatenablog.com

 

焼却炉とは言っても一般的なごみ焼却場のような大きなものではなく発生蒸気量は数t程度と、かなり小規模なボイラーになります。

 

↓在りし日の焼却炉。この写真が撮られた1年後には解体された・・・

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【人員】

この設備は管理体制が少し特殊で、焼却炉の燃料となる汚泥の搬送や脱水工程の設備管理は工場の「資材課」が24時間体制で行い、日中(8:00~17:00)の運転管理や焼却炉の保全関係などの総合管理を「焼却設備課」が2人体制で管理していました。

そしてその焼却設備課が帰宅する17:00から出社する8:00までの夜間中の運転管理や保全関係は前回紹介された私の所属する「動力課」が行っていました。

 

【設備】

この設備の主なフロー図は下記のとおりです。

 

■脱水工程

①汚泥受入ホッパ・・・汚泥を貯めておくホッパ。ホッパ底部には定速回転のスクリューコンベアがあり、そこから一定量の汚泥が抜き出される

②汚泥搬送コンベア・・・ホッパ下から抜き出した汚泥を次工程のスクリュープレスまで搬送するベルトコンベア

③スクリュープレス・・・汚泥を圧縮し含有水分を絞り出すことで脱水する機器

④スラッジヤード・・・スクリュープレスから排出された汚泥がストックされる場所

 

ここまでの設備が「脱水工程設備」に該当し、この設備の日常管理や故障対応は資材課側の人が対応しています。 

 

■炉内搬送工程

①クッションホッパ・・・スラッジヤードの汚泥を投入するホッパ

②脱水汚泥搬送コンベア・・・クッションホッパから抜き出された汚泥を供給コンベアへ搬送するベルトコンベア

③汚泥供給コンベア・・・汚泥を炉内に供給するチェーン式コンベア

 

スラッジヤード以降の「炉内搬送系工程」及び「焼却炉関係附属設備」は焼却設備課か動力課の管理範囲になります。 

 

炉内で燃焼し発生した排ガスは冷却器やバグフィルタを得て煙突から排出されます。

ここで発生した蒸気は工場の熱源となっていました。

 

【運転管理】

工場から排出される汚泥を、資材課が汚泥ヤードから重機で搬送し汚泥受入ホッパへ投入します。これである程度の量の脱水汚泥をスラッジヤードに貯めていきます。

 

スラッジヤードに貯まっている汚泥スラッジを一定の間隔で重機を使いクッションホッパに汚泥を投入しておくと、後は勝手に炉内に汚泥が搬送され燃焼されます。

 

昭和からある古いボイラーだったのでDCS制御のような自動制御は無く、全て手動操作のボイラーでした。

 

ヤードからの投入作業や運転管理などは、8:00~17:00までは焼却設備課が面倒を見てくれているのですが、夜間中は私たち動力課の運転員が交代で管理していました。

まぁ単なる汚泥処理が目的であったのでずっと管理している必要はないので、1時間に1回くらいの間隔で汚泥投入操作と燃焼温度を見て投入量を調整する程度の管理を行っていました。

 

トラブルとしては汚泥脱水を行うスクリュープレスの詰まりが一番多かったです。

この設備の管理は資材課の対応範囲にあたるので基本的に自分たちが対応することはあまり無いのですが、たまに詰まりがどうしても取れずコンベアをばらしたりする時は人手がいるので自分たちもお手伝いに駆り出されてました。

 

たまに炉内搬送側のコンベアも止まる時があるのですが、その場合は炉内が失火しているのでそのままボイラー停止となります。

動力課側のマニュアルとして

「夜間中に焼却炉トラブルで停止した場合はそのままボイラー停止し、スラッジヤードに溜まった汚泥は動力課の流動層ボイラー側で処分する」

というものがあったので、自分たちで復旧させるということはせずそのまま立ち下げ操作のみ行ってました。朝に焼却設備課の人が出社次第、その人に立ち上げてもらいます。

 

2人しかいない動力課で夜間中にボイラー2つの面倒を見なければならないので、しょうがないですね。

 

【終わりに】

この焼却炉設備は老朽化や維持コストの関係で現在は廃止されました。

 

脱水工程設備のみ残っており、脱水された汚泥は前回紹介した流動層ボイラー設備に搬送され、そちらの燃料として使用されています。

 

こんな感じで労基ボイラーは無くなっていくんだろうなぁと感じた思い出の設備です。