【初めに】
今回は前回紹介した流動層ボイラーと同じ部署で管理していた焼却炉についての話です。
この焼却炉は非常に古いボイラーで、老朽化や維持管理費などの問題で私が動力課に配属された際にはすでに廃炉の計画が進められていました。
【人員】
この設備は管理体制が少し特殊で、日中(8:00~17:00)の運転管理や焼却炉の保全関係などの総合管理を「焼却設備課」が2人体制で管理していました。
基本的には日中に運転→焼却設備課が帰宅する時間に停止という運用でしたが、たまに日中トラブルで燃料を燃やしきれなかったり、燃料在庫が多い時などは夜間も運転する必要があったので、その場合は焼却設備課が帰宅する夜間中の運転管理や保全関係を前回紹介された私の所属する「動力課」が行っていました。
【運転管理】
工場から排出される残渣燃料を、ヤードからホッパへ投入します。これである程度の量の残渣燃料をヤードに貯めていきます。
ヤードに貯まっている残渣燃料を一定の間隔で重機を使いホッパに投入しておくと、後は勝手に炉内に搬送され燃焼されます。
昭和からある古いボイラーだったのでDCS制御のような自動制御は無く、全て手動操作のボイラーでした。
まぁ単なるゴミ処理が目的であったのでずっと管理している必要はないので、1時間に1回くらいの間隔で汚泥投入操作と燃焼温度を見て投入量を調整する程度の管理を行っていました。
トラブルとしては燃料の詰まりが一番多かったです。
この設備の管理は基本的に自分たちが対応することはあまり無いのですが、たまに詰まりがどうしても取れずコンベアをばらしたりする時は人手がいるので自分たちもお手伝いに駆り出されてました。
たまに炉内搬送側のコンベアも止まる時があるのですが、その場合は炉内が失火しているのでそのままボイラー停止となります。
動力課側のマニュアルとして
「夜間中に焼却炉トラブルで停止した場合はそのままボイラー停止し、ヤードに溜まった残渣は動力課側で処分する」
というものがあったので、自分たちで復旧させるということはせずそのまま立ち下げ操作のみ行ってました。朝に焼却設備課の人が出社次第、その人に立ち上げてもらいます。
2人しかいない動力課で夜間中にボイラー2つの面倒を見なければならないので、しょうがないですね。
【終わりに】
この焼却炉設備は老朽化や維持コストの関係で現在は廃止されました。
こんな感じで労基ボイラーは無くなっていくんだろうなぁと感じた思い出の設備です。