私がボイラーマンだ

3度の飯よりボイラー好き。ボイラーをこよなく愛する変態ボイラーマンの日常を綴ったブログ

私のボイラー運転経歴①流動層式ボイラー(自家発電所)

社会人となり配属・研修など含めいくつかのボイラーを運転してきたので、ここで一度私のボイラー運転経験を紹介します。

 

ざっくり言うと、これまでに実際触った経験のあるボイラーは全部で6つあります。

1、流動層式ボイラー(自家発電所

2、ストーカー式ボイラー(汚泥焼却炉)

3、ストーカー式ボイラー(自家発電所

4、都市ガス貫流ボイラー(パッケージボイラー)

5、流動層式ボイラー(汚泥焼却炉+自家発電)

6、循環流動層式ボイラー(自家発電所

この内1,2及び3、4、5はそれぞれ同会社の敷地内にあるボイラーです。

 

今回は1についてのボイラー経験について語っていきます。

 

【ボイラー形式】

私が一番最初に配属されたボイラーです。

流動層ボイラー含む各ボイラーの説明については過去記事を参照してください。

 

doragonking.hatenablog.com

 燃料は工場から排出される廃プラ、廃材や木質チップ等々を色々混合して使用しています。

 

発電能力はおよそ10,000kW程度で、隣接する工場の設備を動かすための電気や、製品を乾燥させるための熱源となる蒸気を送気している自家発電所でした。

 

【人員】

組織編成としては工場の「動力課」に位置しており

スタッフ職2名

運転職8名(1班2名の4直3交代)

私含め合計10名という少数精鋭体制。

 

元々私が入社する前までは運転職は1班3名の12名体制だったらしいですが、退社や転属でどんどん人が減ってしまったとのこと。

それでも何とか2名体制でやり繰りするうちに会社上層部より

「2名で問題なく運用できるなら2名体制を正規にしよう」

という会社にありがちなクソみたいな理由で増員されなくなってしまったとのことでした。

 

この時の運転員のボイラー経験は、最長経験者で7年が1人。

その次に長い人が4年で1名。2年が3名(全員同期)

次いで1年が1名。

そして私の1か月前に配属された人と私で8名という、超若手部隊で編成されておりました。(その前にいた人たちは全員退社・転属でいなくなってました。)

 

しかも私が配属して3か月目くらいの時に、2番目に運転経験の長かった4年目の人が1年目の人の頭をど突いて転属させられてしまうという事態に。

 

そんなほぼド素人集団を束ねていたのがスタッフであるBT(ボイラータービン主任者)の課長で、当時はこの人のマンパワーで辛うじて組織として成り立っている感じでした。

 

【運転管理】

運転員含め部署全体で10人でしたので、一人当たりの仕事量がとても多い所でした。

監視・点検はもちろん燃料や用役受入対応、重機を使った産廃処理対応、外来業者対応、燃料投入作業、現場補修作業、薬品・オイル補充等々・・・

日中はとにかく忙しく2人で対応するには少々業務過多でした。

 

どれくらい忙しかったかと言うと、勤務中に現場点検をする暇がないので毎回皆が1時間早出して現場点検をしてから勤務が始まるといった有様です。

 

またここのボイラーは私が配属されたときにはまだ運開2年目ということでまだまだ手探りでの運転を行っていました。

 

最も苦労したのは、「失火」が多いという点です。

一度ボイラーが失火すると、再度立ち上げるのに数時間を要するのでとても面倒なことになります。

 

この原因は主に3つ。

1つ目は品質の悪い燃料によるもので、水分の多い燃料が大量に炉内に投入されると運転中にどんどん炉内温度が低下してきて、大体500℃を切ると突然炉内監視カメラが真っ暗になります。

普段は明るいオレンジ色に輝くこの炉内カメラが暗くなると「失火」となってしまうので一度燃料を止め重油バーナで昇温する必要が出てきます。

 

2つ目は燃料搬送系の故障が多いという点で、燃料を炉内に供給する搬送コンベアが1系統しかない為、このコンベアが止まると当然燃料が炉内に入らなくなり失火します。

このコンベアの故障がやたら多いのも問題でした。

一番ひどい時だと「朝に故障で止まって夕方復旧させるも、夜に再度故障で止まる」というまさかの一日2度プラントが止まるという事態もありました。

 

3つ目は私を含む運転員の運転レベルが低いという点で、上記2つのトラブルの際にも迅速に対応できれば失火してもすぐ復旧が可能なものもあったのですが、パニックで操作ミスや対応が遅れることによる停止もありました。

 

このような感じで日常業務も忙しい上に常に失火トラブルに備えて運転しなければならず、良くも悪くも緊張感がありやりがいのある職場でした。

 

【最後に】

 製造業あるあるかは分かりませんが、工場の花形部署といえばまずは実際に製品の完成品を作る部署で、次いで製品元の部品関係や営業になり、我々のような工場などのボイラー課は大抵裏方扱いされ立場が弱いことが多いです。

 

私の配属されたこの部署も年齢層が若いのも相まってとにかく立場が弱く、こちらがトラブルになって負荷下げしたりすると他部署の人から

「いつ復帰できるの?」

「もう少し負荷あげられないの?」

など電話でかなり急かされます。

プラントが停止しようもんなら戦犯扱いです。こちらも止めたくて止めた訳ではないのですが。

 

逆に製造部がトラブルになるとこちらに連絡もなく平気で機器類をどんどん停めたり蒸気バルブを急に絞ったりされてしまいます。それを指摘すると

「トラブってるんだから仕方ないだろ!」

と逆切れする始末。一番ひどいと

「お前らみたいに工場止めるよりマシ」

と言われたこともあり、(なんでこいつらの為に蒸気送らんといかんねん)とえらくモチベーションを下げられたもんです。

 

今現在最も長く関わったボイラーであり部署なので何だかんだ愛着が未だにありますが、また戻りたいかと言えば・・・微妙です。