私がボイラーマンだ

3度の飯よりボイラー好き。ボイラーをこよなく愛する火力発電所勤務の変態ボイラーマンの日常を綴ったブログ

ボイラーのトラブルについて~リーク(穴あき)編~

ボイラーマンなのに全然ボイラーの話が出来なかったので、久しぶりにボイラーについて語ります。

 

皆、(興味ないだろうけど)付いてきてくれよな!!

 

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【概要】

今回はボイラー設備でよく起こるトラブルであろう、「リーク」についてです。

 

リークとはその名の通り「漏れ」を意味します。

ボイラー設備には空気・水・蒸気・薬品・油・燃料といった、固体・液体・気体問わず様々な物質が配管やコンベア等を通して搬送されています。

 

プラントで働いていると、そんな搬送設備に穴が空いて輸送物質が外部に漏れだすトラブルがよく起こります。

 

◎こんな感じで穴が空く

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そもそも漏れる原因としては、配管が経年劣化で腐食・摩耗して起こる事が多いですが、割と新しい箇所でもリークすることがあります。

新しい箇所でのリーク原因は、

①局所的に内部物質がよく配管にあたる箇所がある

②フランジやパッキンの締め付けが悪い

③内部物質の搬送量が想定より多すぎる

等が考えられます。

 

特に①は私のプラントでも多発してました。

漏れる物質は、固体関係(例えば燃料として使う石炭や、燃え殻として出てくる灰とか)の配管なんかは摩耗しやすいのでよく漏れます。

 

蒸気や水とかの配管は、摩耗で穴が空くといったのはよっぽど経年劣化や保全不足でない限り大丈夫ですが、パッキンやフランジなんかの継ぎ目から少量が漏れだすことはあります。

 

【リークの発見方法】

リーク時は明らかに周辺がリークした物質まみれになっているので、現場を見まわっていればすぐ気づきます。

 

ただ、空気や蒸気などは透明で見えずらいので、音だけではどこがリークしているのか見つけづらいです。

 

そんな時は、石鹸水をいれたスプレーをあやしい箇所に吹きつければボコボコと泡立つので発見しやすいです。

 

また、負圧になっている所ではお線香の煙を配管に近づけて煙が吸い込まれた箇所でリークチェックすることもあります。

 

少量のリークはこのように現場に行かないと発見しにくいですが、これが大きなものになると、中央操作室のモニター内でも圧力や温度がやたら増減しだすので、こうなったら

 

「まーたあそこで吹きよるな・・・」

 

てな感じで嫌々現場に向かうボイラーマン達の姿を拝むことができます。

 

【リーク時の対策】

では、実際リークしてたらどうするか?

 

答えは簡単。塞げば良いんです。

 

一重に塞ぐといっても方法は多種多様に渡ります。

 

①パッチ当て

漏れた所に丁度良い鉄板などを当て溶接で止めます。

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漏れは確実に防げますが、資材と溶接できる人が必要です。

 

②テーピング

養生テープなどでリーク箇所をぐるぐる巻きにします。

誰でも簡単に行えます。

ただし水や蒸気など液体・気体には効果薄いです。

あくまで緊急補修用。

 

③パテを使用

手でこねると鉄の様に固まるエポキシパテが存在するので、それを使用して補修します。

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誰でもできるし、割とどんな箇所にも使用できるので、私のプラントでの使用頻度はダントツに高いです。

 

パテで固めてさらに②のテープでぐるぐる巻きにすれば応急処置としては上出来です。

 

他にもゴムシートと番線を使った補修等も有ります。

 

どれで補修するにせよ、内部物質の搬送を止めて補修できれば良いのですが、止めれない場合は漏れた物質にまみれながらテンションだだ下がりで漏れ補修するボイラーマンの姿を拝むことが出来ます。

 

 

上記に挙げたのはあくまでも「仮補修」で、本当にリークを止めたいなら配管自体の交換を行ったり、場合によっては材質や形を変更したりすることもあります。

 

リークしてても水や砂みたいに環境や人体に影響の少ないものなら最悪漏れっぱなしという所もあるかもしれませんが、これが薬品や油といった有害なものがリークした場合は大事になります。

 

なので、どのプラントにも必ず「ガス」「薬品」「油」などについては漏洩災害時の対応マニュアルが整備されてます。

 

【最後に】

リークについてはプラントに限らず、普段住んでいる家とかでも起こりうるトラブルです。

 

いざ漏れた時の為に簡易補修用のテープ類なんかは常備しといても良いと思います。

 

何なら普段から持ち歩き、周辺に配管を見かけたら是非リークチェックし、漏れてたら仮補修してあげても良いですね。

 

周りにも是非進めてあげて下さい。

 

「君頭おかしい」

 

って言われます。