私がボイラーマンだ

3度の飯よりボイラー好き。ボイラーをこよなく愛する火力発電所勤務の変態ボイラーマンの日常を綴ったブログ

水圧試験の種類や方法について

以前水圧試験に関して

「最高使用圧力の1.5倍で行う時と1倍で行う時の違いは何ですか?」

「作業方法はどうやって行うか?」

の質問を受けたことがあるので、今回は私がやったことのある水圧試験の方法について説明してみます。

 

試験圧力が1.5倍と1倍の違い

これはボイラー技士の構造規格で勉強する範囲ですが、ボイラーの水圧試験をする際、その設備の最高使用圧力の1.5倍の圧力で行う試験と1倍で行う試験があると思います。

例えばボイラーの最高使用圧力が10MPaであるなら15MPaで行う水圧試験と10MPaで行う水圧試験があるということです。

 

・1.5倍で行う水圧試験

これはボイラーを製造して使用する前に行う検査の場合に行います。

また、使用していたボイラーを一旦停止した後に再度使用する前の検査、補修した後に問題ないかを確認する際の検査でも1.5倍で行う必要があります。

 

・1倍で行う水圧試験

すでに設置して使用されているボイラーについて異常の有無を確認する際は最高使用圧力の1倍で水圧試験を行います。

 

ボイラーは定期検査の際に水管の内部の状況を確認するために管寄せの部分を一旦切断し、点検後は再度管寄せ切断部を溶接し直す為、そういった取り付け部分から漏洩が無いかという確認や、内部を確認しきれない水管部分に漏洩が無いかと言う異常の有無を確認したりする場合は最高使用圧力の1倍の圧力をかけて試験を行います。

 

ちなみに規定としては最高使用圧力の1倍以上で良いですが、実際は1.1倍程度の圧力をかけることが多いのではないかと思います。

 

まとめると

一度も使用していないボイラー、使用をやめていたものを再使用するボイラー、異常があって補修を行ったボイラー

の試験は1.5倍の水圧。

使用中のボイラーについて異常が無いかを確認するための試験

は1倍の水圧で行うといった感じです。

 

・水圧試験の方法

火力発電所の水管ボイラーでの方法で説明します。

①水張前の弁状態チェック

水圧試験に必要な箇所の弁の開閉状態をチェックします。

特に普段開けている計器用の弁は、水圧でかける圧力が1.5倍の場合の際は計器の故障防止のために閉止したりします。

普段と違う弁状態なので、やり忘れや戻し忘れの無いようバルブリストでダブルチェックする等、入念にチェックします。

 

②ボイラー水張り

火力発電所の給水は大体「脱気器→ボイラー給水ポンプ→ドラム」というラインで行われます。

そしてドラムで水と蒸気に分離され、蒸気は過熱器を通って蒸気タービンへと入ります。

以前作成した火力発電所のライン図を参考にしてみると下記のようになります。

通常運転時はドラムに半分水、半分蒸気がある状態なのですが、水圧試験はボイラーを満水状態で圧力をかける必要があるので、ドラムを全て水で満たし、更に蒸気配管途中まで水を張る必要があります。

 

蒸気配管には主塞止弁(しゅさいしべん)と呼ばれる止め弁があるので、水圧試験の水張時はこの弁を全閉にした状態で主塞止弁手前まで水を張ります。

 

先ほどのフロー図で言うと下記水色で囲った箇所が水張りおよび水圧試験の範囲になります。


③空気抜き

配管内部に空気が残留すると圧力をうまく上げれなかったり保持出来ないので、水張をする際は最上段であるドラムや蒸気配管のベント弁という空気抜き用の弁を開けて置きます。

 

水張中はこのベント弁からブオーッと空気が抜き出され続け、空気が完全に抜け切るとそこから水が出るのでこの時点で空気抜き終了としベント弁を閉止します。

 

④昇圧操作

試験の為に昇圧する機器は、使用前のボイラーでは水圧試験用ポンプを別途で使用するのですが、使用中のボイラーの検査では大抵ボイラー給水ポンプにて行います。

 

昇圧はいきなり100%圧力をかけるのではなく、例えば1分間に0.1~0.5MPaづつといったように指定された昇圧曲線に従って上げていきます。

 

よって、操作前には必ずドラムに入る手前の給水止弁を全閉した状態であることを確認します。(これが空いているといきなり100%圧力が水管にかかることになるので)

 

ボイラー給水ポンプを起動後は給水止弁もしくは昇圧用のバルブを少しづつ開けていき昇圧していきますが、この時の注意点として配管やドラムに取り付けてある安全弁が噴出さないよう、テストギャグというものを順次取り付けていきます。

 

⑤圧力保持

試験圧力まで昇圧出来たらその圧力を30分間保持し、問題無ければ試験終了となります。

圧力が降下してくる場合は現場点検を実施し原因究明を行います。

 

⑥圧力降下操作

圧力を下げる為の弁はドラムや蒸気配管のベント弁を少しづつ開けて行います。

圧力降下も昇圧と同じく降圧曲線に従い徐々に下げていきます。

 

圧力降下操作と並行して、昇圧時に行った安全弁テストギャグの取り外し作業を実施します。

 

⑦蒸気配管水抜き

蒸気配管のドレン弁及びベント弁を開放し、蒸気配管の水をすべて抜き出します。

蒸気配管の水を全て抜けきったら、水圧試験の為に全閉していた主塞止弁を全開にしておきます。

 

⑧弁状態を起動前の状態に戻しておく

水圧試験終了後、一度ボイラーの水を全抜きする場合はドレン弁で水抜きしますが、そのままボイラー起動前の状態で待機させる場合は、ボイラーの水はドラムの常用水位の位置くらいまで抜いておきます。

また弁の開閉状態は起動前の状態に戻しておきます。

 

以上が火力発電所での水圧試験操作方法になります。

頻度としては2年に一度ボイラー検査の際に行う最高使用圧力の1~1.1倍の水圧試験が多いと思います。

 

ボイラーマンなら実務で必ず行うことになる試験ですしボイラー技士の試験でも出題される範囲なので、行う試験の種類や操作方法は知っておいて損は無いですね。

【資格取得への道】もう魔王討伐した後の勇者の気分なんです

私がまだ新人ボイラーマンだった当時

 

資格なんて車の免許しか持ってなかったし、勉強には全く自信が無かったし

国家資格なんて2級ボイラー技士ですら夢のまた夢だと思っていました。

 

1級ボイラー技士と危険物乙4を持ってた先輩を凄い人だと尊敬していたし、

公害防止管理者大気3種を持ってた先輩をめっちゃ頭良いと思っていたし、

1種BTとエネ管と特級ボイラー技士持ってる上司を神だと思っていました。(実際仕事ぶりも神だったけど)

 

自分もいつか資格を取ってこの人達の仲間入りするぞ!!

と息巻いて、ボイラー界の資格四天王と勝手に呼んでいる

・ボイラータービン主任技術者

・特級ボイラー技士

・エネルギー管理士

公害防止管理者大気

を倒すべく修行(勉強)に明け暮れました。

 

最初の敵は「エネルギー管理士」

 

当時の上司にこの資格を取って認められるんだと猛勉強の末この強敵を無事撃破。

 

勉強のべの字もろくにしていなかった自分が、己の秘めた可能性に気付いて覚醒した瞬間でした。

 

その後も公害防止管理者大気に苦戦しつつ、3年掛かりで3種を撃破しそのままの勢いで翌年大気1種と特級ボイラー技士を立て続けに撃破。

 

 

そしてエネルギー管理士撃破から10年後

ついに「ボイラータービン主任技術者」を倒し

私はボイラー四天王を見事討伐することが出来ました。

 

更に同時期、

なんとボイラー界のラスボス「電気主任技術者」まで同時撃破してしまったのです。

 

まるで打ち切り直前の漫画のような怒涛の展開

 

やった・・・

 

ついにやったよ!!

 

私はこの業界すべての敵を倒しきったんだ!!

 

 

・・・と、試験合格時はそれはもう達成感、幸福感で一杯でした。

もはや敵なし。何でもやれると思っておりました。

 

 

しかし、今はもうね

 

 

 

なんかやること無い・・・・

 

 

 

やりきった感が半端ない。

今までは次はこの試験!って感じで探してたけど、もう取るものも無い。

 

 

もう気分は全ての敵を倒しきった勇者

もしくは世界征服を果たした魔王の気分・・・

 

 

正確にはまだ電験2種とかたくさんあるけど、昔は

「最終的には電験3種取ってやる!」

っていう目標があったのでそれに向かって猪突猛進していたのですが、もうそれすら無くなってしまってね。ただダラダラと惰性で日々過ごしております。

 

今は資格の勉強では無くちゃんと仕事や実務に関する勉強をしているのですが、資格にも挑戦はしていこうという思いはまだあります。

ここまで10年以上歩んできた資格道。社会人としてもまだ数十年残っているしこの歩みをここで止めるのはもったいないのでね。

一番理想としては電験2種+簡単な資格ですが・・・どうしよっかな~。

スートブロワの運転状態と点検について

前回過熱器が摩耗した際のスートブロワの運用についての記事を書いたんですが、今回はスートブロワ自体に漏洩などのトラブルがあったらどう対応するかについてお話します。

〇前回記事

doragonking.hatenablog.com

 

前職・現職共に、スートブロワを運用しているとグランド部分からの漏洩があります。
ただ、ここで使用する蒸気が高圧高温のため運転中の整備は危険なので、基本的にグランド増し締めのみで対応し年に一回ボイラー停止後にグランドパッキンを交換することで対応しています。
 
抜差型スートブロワのグランド部からの漏洩は、基本的にどのプラントでも多少のドレン滴下は見られるそうです(他プラント経験者やメーカー談)。
酷い状態のものだと蒸気が噴出する場合もありますが、その場合でも都度グランド増し締め→締め代無くなった場合は整備時にグランドパッキン交換で対応しています。
 
定置型で蒸気が漏洩する場合も対応策は同じで、蒸気の噴出量が多く危険な場合、運転中は現場で近寄らないよう掲示を出して置きボイラー停止後に整備になります。
 
ドレンや蒸気が噴出したまま運転するのは自分たちも気にはなるのですが、
・ドレンが下に滴下したり、蒸気が漏洩していて危険では?
→スートの運転時間は短いので、その間現場で近づかないよう掲示物を出す
・ブロータンクに回収できるはずのドレン熱量が減るのでは?
→たかが知れてるし多分わざわざ整備するコストの方が高い
という感じで現状様子見以外の打開策は無いまま運用しています。
 
設備の不具合でおかしな場所から漏れているのでなければ、パッキン交換する程度で良いのではないかと思ってますが、もしスートブロワからのドレンや蒸気漏洩で良い解決策有れば教えて欲しいですね。
 
※ブログから私宛にスートブロワの運用の件でご質問頂いたのですが、ご依頼者様のメールアドレスに返信出来なかったのでこの場を借りて説明させていただきました。
よろしくお願いします。

電気管理技術者の職場体験記

去年、電気管理技術者として独立した私の元同僚。

doragonking.hatenablog.com

 

最初は苦労していたようですが現在は何個か物件を受け持つようになり、少しづつですが生活も安定してしてきているとのことでした。

 

先日そんな同僚が受け持つ大きな工場の年次点検があるから興味あったら見学してみないかと誘ってもらったので、その仕事を見にいくことにしました。

 

作業内容

■作業前打ち合わせ

メンバーは私と電気管理技術者の元同僚に加え

・同僚の前前職の先輩

・他の電気管理技術者2名

の合計5名でした。

 

まずはどの工場で停電作業をするのか、だれが何を担当するのかなどを軽く打ち合わせます。

 

■停電操作

各工場にあるキュービクルのVCB(真空遮断機)を開放して停電操作を行い、停電後はアースの取り付けや検電器での電圧確認などで確実に安全対策を行います。

 

■作業開始

後は各々が分かれて作業を開始します。

・清掃

この工場は数年間点検がされておらず(法律的にアウトでは・・・?)、非常に設備が汚いので、がいしやケーブル、変圧器本体などをウエスを使って清掃します。

数が多いので私も元同僚や同僚の元先輩と雑談しながらお手伝いしました。

 

・高圧カットアウトやLBSの点検

変圧器やコンデンサ、負荷に使用されている高圧カットアウトやLBS(交流負荷開閉器)という設備があります。

〇参考リンク

denki-study.com

 

これを専用の作業棒を使って開放し、固着していないかどうかや内部に変色など無いか等を調べます。

これも少しやらせてもらいましたが、高圧・特別高圧電気取扱教育で体験した以来で二度とやること無いと思っていたので、まさか自分がこんなタイミングでやる時が来るとはなぁ・・・なんて感慨深かったです。

 

・絶縁抵抗測定

メガーを使用して遮断器下流側の絶縁抵抗値を記録します。

私もその測定を体験させてもらうことが出来ましたが、メガーは去年の夏ごろに自分で試しに使った以来で実務で使用したのは初めてでした。

doragonking.hatenablog.com

去年自分で記事作っておきながらなんですがすっかりやり方を忘れており、測定ボタン押してなかったり基準値全然覚えてなかったりとわちゃわちゃしながら測定しました。勝手知ったる同僚だったのでまだ笑いながらやれましたが、会社の先輩とかだったら怒られてましたねきっと。

 

私はそこまで古い設備を扱ったことが無いのでこういった絶縁測定値は∞が普通だと思っていましたが、この工場では基準値以下では無いもののけっこう∞でない所も多かったです。

 

 

 

・各種継電器試験

OCR(過電流継電器)、DGR(地絡方向継電器)といった各キュービクルに設置されている継電器を、試験機を使用して設定された値で動作するかどうかを試験します。

 

試験機はめっちゃごつい箱にスイッチがいっぱい付いていて、私には何がなんやらさっぱり分かりませんでしたが、同僚もまだ使ったことは無いらしく助っ人の電気管理技術者2名がメインで使用していました。


家に帰った後色々調べてみたら、ちょうど今回使用していた試験機に近いものを使っている紹介動画があったのでこれを見て勉強しました。

結局よく分かりませんでしたが我が社でも定期点検で同じようなことをメーカーの人がやっているらしいので、今度機会があったら見てみようと思います。

www.youtube.com

 

■復電

試験時に多少不具合もあったものの16時くらいには全工場での清掃や試験と言った作業が終了したため、最後に各キュービクル内に工具などの置忘れが無いか、遮断器入れ忘れが無いかを皆で確認し復電操作を行いました。

 

他の電気管理技術者の皆は最後の後始末があるので残っていましたが私は特にもうすることもないのでこの時点で先に帰らせてもらいました。

 

メンバー達

今回は全員初対面の人でしたが、全員気さくに話してくれる人たちだったので割と人見知りの自分でもすぐに打ち解けることが出来ました。

・同僚の前々職の先輩

新卒で同僚が入社した機械メンテ会社時代の先輩。

電験などは持ってないものの、実務でバリバリやっている人だけあって私より断然作業に詳しい。やっぱり資格だけじゃ実務やってる人には敵わん。

 

一緒に清掃作業を手伝った関係でたくさん雑談をしましたが、休日返上で仕事したり月90時間くらい残業してるのに自分と同じくらいの年収だったり有給全然取れなかったりするのに、何かすごい前向きに仕事してて凄いなぁと思いました。

 

「自分全然仕事出来ないんですよね・・・」

って言ってたけど、仕事ぶりを見るに我が社に来たら間違いなく即エースになれる人材。

 

・電気管理技術者Aさん

元々電気とは別業界だったがサラリーマンが嫌で電験撮って独立した方。

楽をしたくて独立したはずなのに休むと仕事がなくなるんじゃないかと言う不安から仕事を入れまくり、結果リーマン時代より休みがないとのこと。

 

本末転倒では・・・?と思ったけどその代わりにお金は凄い稼げるし本人はかなり今の仕事に満足しているらしい。

 

・電気管理技術者Bさん

元同僚と同じく最近電気管理技術者として独立した方。

まだ管理技術者一本では食べていけないので民間のエアコン設置など電気工事関係のバイト等もやっているとのこと。

※電気管理技術者は厳密にはアルバイト含む副業禁止ですがその辺は仕方ない模様

 

独立して自分の腕一本で食っていこうとしている人たちだけあって、当たり前ですが皆仕事への姿勢が真面目そのものでした。

 

電気管理技術者に聞いた!独立して良かったところや注意点

良かった所

・職場の煩わしい人間関係から解放される

嫌いな上司、合わない同僚・・・サラリーマンならそういった人種ともずっと付き合っていかないといけませんが、独立すれば人間関係はお客さんくらい。

お客さんが嫌な人でも別に四六時中一緒なわけではないし、どうしても嫌ならその物件を断ればよいので仕事はずっとしやすいとのこと。

この点だけでも独立するメリットは充分ありますね。

 

・自分の裁量で仕事量を決められる

休みたい月はがっつり休んだり稼ぎたい時はがっつり仕事入れたり・・・完全な自由では無いものの社会人に比べればかなり自分の好きなように働ける。

 

・仕事の失敗も成功も全部自分のもの

サラリーマンであれば自分がやった仕事でなかったことも何故か自分が怒られたり、仕事頑張って成果出してるのに評価が上がらなくて理不尽に感じたことが誰もが経験したことがあると思います。

独立すれば全て自分一人で仕事をしなければならないので大変ではありますが、もし失敗してもそれは自分の責任なので納得出来るし仕事を頑張れば頑張った分だけ報酬として帰ってくるのでこういった理不尽なことからは解放されます。

これは自分に自信があれば利点ですが、私みたいな他人任せな無責任男にとっては逆に欠点かもしれません。

 

注意点

・最初の「顔売り」が大事!

今から独立する人の多くは、現役の人に紹介してもらったり引退するおじいちゃんから物件を譲ってもらったりするらしいですが、管理技術者の集まりの際にこういった人たちに顔を売っておかないと中々新規で物件が手に入らないとのこと。

この辺は自営業をする人に共通することですね。

 

・寂しがりにはつらいかも

お客さんとのやり取りはあるとは言え仕事の大半はほとんど一人で作業することが多いので、人喋るのが好きなタイプだと寂しい仕事かもしれないとのこと。

喋るのだるいと思ってる私からすればむしろ羨ましいことですが。

 

・初期投資は多いし最初は稼げない

今回の停電操作で使用した試験用機器や配線、携帯式バッテリー諸々は全て実費で用意しなければなりません。

伝手があれば貰い受けることも出来るそうですが、そうでない場合は初めにこうした備品を揃えるのに数百万という投資が必要です。

また、その後独立しても最初は中々物件を取ることが出来ず電気管理技術者1本で食べていくのは数年は難しいとのことでした。

 

 

メリットデメリットはありますが、やはり独立の苦労<<サラリーマンの苦労であるらしく、どの電気管理技術者の方も口を揃えて

「これを知ってしまってはもうサラリーマンには戻れない(戻りたくない)」

と言っていました。

特に前職がブラック気味だった人はこの傾向が強いみたいです。

 

また、未経験から独立する場合はどのタイミングで行うか?という私の質問については

「やりたいと思った時が一番のタイミング。技術や知識なんてやりながら身に着けていけばいいし、そういうのを考えていたらいつまで経っても独立できないよ」

未経験でいきなり実務やるなんて怖くないかなと思いましたが

「そういうのを深く考えない楽天家な人が向いてるかもね(笑)」

とのことでした。

 

感想

久しぶりに充実した一日だった!

 

ぶっちゃけ今年に入って一番仕事してて楽しかったです(仕事じゃないけど)

 

最近は現職で元々やる気のあった同僚のモチベーション低下ぶりやいざこざ等もあり私自身のモチベも落ちてきていましたが、今回はいい刺激になりました。

 

単純に電気知識としての為になる話や職場の面白話などで盛り上がったり、仕事中も停電しているので他に従業員もおらず、誰かに怒られたりするわけでもなくのんびりできたり・・・

 

(電気管理技術者も悪くないぁ)

 

って思える体験をさせてもらいました。

 

とりあえず、今回の体験で得た知識を風化させないよう電気の知識は今後もちゃんと勉強しておこうと思いました。

職場にこれくらいの遊び心があると楽しいよね

Twitterのニュースで流れてきて面白いなーと思った記事の話です。

 

老朽化で2019年から設備更新工事をずっとやってたという宮城県大崎市にある出力14,900kWの鬼首地熱発電所(名前いかつ!)。

今年の4月3日にいよいよ営業運転したそうですが、その発電所にある蒸気タービンがこちら↓

 

 

こけし!!すげぇ!!

 

 

どうやら宮城県大崎市は日本三大こけしに数えられる名産地らしく、同市に構えるこの発電所はそれに因んでわざわざこのデザインにしたみたいです。

 

kahoku.news

 

地熱発電のことは詳しく知らないんですがタービンは恐らく火力と同じ蒸気タービンだと思います。

写真から察するに頭が発電機で首が軸継手、体が蒸気タービンになっている模様。

 

面白いこと考える人がいるもんですがどういう経緯で思いついたんでしょうか。

日頃から

「蒸気タービンと発電機の形ってこけしみてぇだな・・・」

とか考えてたんでしょうか。

変態じゃん(褒めてる)

 

この発電所では以前水蒸気噴出という事故で作業員の死亡事故も発生しているそうで、それを考慮して敷地の温度や振動値を監視するほか、なんと運用保守用の4足歩行ロボットを導入しているらしいです。

 

点検をロボット操作で行うってこと?

どの程度の範囲までロボットがやるのか分かりませんがなかなか楽しそうな現場ですね。

 

昔同僚と冗談で「点検にドローン使えば現場行かなくて良いじゃんw」とか言ってたのを本当に実現する所があるとは・・・

 

こういう生産性度外視の遊び心があるのは個人的に好きです。

リクルートエージョントから連絡来たので対応してみた

先週の土曜日、数年前に登録してずっと放置していたリクルートサイトからなぜか電話がありました。

 

普段はそういった電話は無視しているのですが、今回はちょっと興味本位で電話に出てみることにしました。

 

相手はリクルートエージェントの方で、最近の転職状況やする意欲はあるかといった確認の電話だったので、今の自分の市場価値を知る為にも、物は試しに再登録してみることに。

 

【履歴書と職務経歴書の作成】

昔転職する時に作った履歴書と職務経歴書を数年ぶりに作り直しました。

現職へ来る前は1級ボイラーやエネ管程度だった資格欄に特級ボイラーや電験、BTを記載できるのは感無量というか、結構気分が良かったですね(笑)

 

実務経験は前職と同じなので似たような内容をそのままコピペし、それに現職で行った経験を+αで付け加えました。

他にも転職の条件で年収や転勤の可否など希望を書く欄があったので自分の希望を素直に記載。

 

後は写真を電子データで添付してくれとのことだったのでスマホでそれっぽいものを取り加工し、履歴書などと一緒に添付しました。

 

【添削結果】

提出して次の日には提出した書類の添削結果が返ってきました。

言われた概要としては

・趣味の欄は面談のネタになるのでちゃんと書いた方が良い。

・最寄り駅や交通手段を書いた方が良い。

・2社目の経験が1社目とほぼ同じだがもう少し変えた方が良い。

・現在の基本給や残業代、手当、賞与をもっと細かく書いた方が良い

などなど

 

思ったより細かくてメンドいな・・・

 

リクルートの人は真面目にやってくれているので申し訳ないのですが、ブログのネタ程度にしか考えてなかったので正直マジレスされても修正する気0なんでこのメールは無視しました。本当ごめん。

 

【電話面談】

電話で面談をするということでしたが、この時点ですでにめんどくさくなってきて適当な時間を指定。

 

面談では現在の状況(転職活動どれくらいやってるか)の他、どの程度のエリアまでの転職なら良いか、年収はどの程度なら満足かといった基本的な内容や、表には出ていない近場の求人情報や、求人内容には書いてないけど実はこんな職種も欲しがってるよみたいな、リクルートサイトならではの情報も聞くことが出来ました。

 

他に聞いたことは

・自分には転職経験があるが、同業他社への転職のため印象は悪くなることは無いと思う。

・年齢は実はあまり関係ない。同業他社への転職ならむしろ経験豊富な人を欲しがるので40、50でも欲しい企業は普通にある。

・資格たくさんあるので他業種でも多分いける。

といったポジティブなことを言って貰いました。

リクルートエージェントなので転職させるためのリップサービスだとは思いますが、年齢関係なく経験者なら雇用してもらえるというのはちょっとだけ安心しました。

 

ただ、私は当然プラント運転員を希望しているのですがそういった求人はここのリクルートサイトには現在ほぼ無いみたいでした。

もしかしたら裏求人で良い所があるかも・・・と少し期待もあったので残念。

 

もし近場でそういった求人有ればいつでも連絡くださいと言って面談は終了しました。

 

【その後】

面談後・・・

 

私の希望した条件とは全く関係ない求人がバンバン届くように

 

北海道とか京都とか・・・

営業とか設計とか・・・

 

お前話聞いてたん?

あの面談時間とはいったい何だったのか。

エージェントの「お前の意思は関係ないからとにかく転職してくれ」というのが透けてみえますね。

 

イラっとしたのでそのままメールブロックしました。

 

もうしばらく活動はいいや・・・と思うボイラーマンでした。

プラントに関係する色んな法律

工場というのは法律の宝庫です。

設備の維持・運用に関する規制はもちろん、燃料の貯蔵や工場からの排出物なんかの取り扱いに関する法律から音、臭い、景観に至るまでありとあらゆるものが実は厳密に法律で決められており、それを遵守していく必要があります。

 

私は資格の勉強で結構いろんな法律について勉強してきた方ですが、どちらかと言うとこういった法律に関する事柄は苦手な分野なので、かなり浅い知識ではありますが知ってる限りの法律で言えば

 

電気事業法、消防法、大気汚染防止法水質汚濁防止法、騒音・振動規制法、省エネ法、高圧ガス保安法航空法、悪臭防止法、浄化槽法、工場立地法などなど・・・

 

ここにない法律もまだありますし正直よくもまぁこんなたくさんの法律が出来たものだわと感心します。

 

しかもこれを全部守っていかないといけないわけなので会社って大変ですね。

たまに法律違反してた会社がニュースになることありますが、故意に改ざんしてたとかならまだしも、やらないといけない業務をやってなかったとか忘れてたとかに関してはちょっと同情しますね。

「法律は守って当然のものであり、知らないは通用しない」

というのは理解できますが、現実問題難しいと思います。

 

ちなみに法律で勉強した中で一番記憶に残ってるのは工場立地法に関する項目です。

・工場立地法

一定規模の工場立地が環境の保全を図りつつ適正に行われるようにする為の法律で、プラントで適用を受けるのは敷地、建物、施設、緑地の面積や配置等。

緑地というのは、樹木が生育するための土地や建物屋上などの緑化施設などが該当し、工場内にはこうした緑地が決められた面積以上必要。

一応ただの雑草地でも定期的に草刈りが行われているなどで整備されていれば緑地として認められているようです。

 

工場の敷地内って必ず芝生広場とか周りに緑地フェンスみたいなものが設置されているじゃないですか。

私は昔、単純に

工場の景観は味気ないから緑でさわやかさを演出♪

みたいに会社がオシャレで勝手にやってるもんだと思ってましたが、ちゃんと法律で「これだけの区間は緑地を作れ」と決まってたんですね。

 

これを知らずに「この工場は緑地無くして全部無機質な配管やボイラーだけで統一じゃあ!!」なんてやった日には法律違反になるわけです。怖い怖い。

 

気になってこの法律に違反するとどうなるか調べたら最初は管理する市町村からの立ち入り検査や注意勧告、それに応じなけば罰則や罰金があるそうです。

 

法律の勉強してると「最初は注意勧告→改善さなきゃ罰則」と言うパターンは多いと感じます。

ここで

「最初から罰則受ける訳じゃないなら知らなくても注意された後に直せばヨシッ!!」

と思ってしまう私はやはりこういう資格関係の選任者はやっちゃだめだと思います。