私がボイラーマンだ

3度の飯よりボイラー好き。ボイラーをこよなく愛する火力発電所勤務の変態ボイラーマンの日常を綴ったブログ

消防設備士試験申し込み完了!!現在の勉強状況

消防設備士を受験することにして10月末頃から過去問で勉強を開始しております。

 

◎消防設備士受験の動機(過去記事より)

doragonking.hatenablog.com

 

すっかり忘れていたんですが11月になってから受験申請ができるようになっていたので早速インターネッツで電子申請を申し込みました。

危険物の時といい、消防関係の資格はなぜか申請期間が1週間くらいしかないので忘れてるとけっこう焦りますね。

 

 

現在の勉強時間としては、今2週間くらいの期間で約10時間程度勉強しております。

 

そしてすでに過去問3週目に突入しました☆

 

消防設備士乙種6類は法令・機械・消火器・鑑別の4科目あるのですが、どれも知識というよりは国語力を問う問題が多いので解答にたどり着きやすいです。

 

機械科目は計算が有りますが、正直今まで勉強してきた資格に比べたら算数レベルだし、消火器も一度見た目や種類を覚えたらほぼ同じ問題しかないし、しかも4択なのでスイスイ勉強が進みます。

 

勉強始めるまでは

「あと1か月しかないけど行けるかなぁ」

と思っていましたが、今は

「まだ1か月あるじゃん・・・どうしよう暇じゃん」

の境地に達してます。

 

とりあえず公論出版の問題集をあと2週くらいしてから、時間とやる気があれば参考書で知識つけたりとかもやってみようと思います(多分やらない)

 

ちなみに勉強し始めてから職場の消火器がどのような物が置いてあるかがわかるようになりました。

 

プライベートで出かけた先でも消火器があると

「おほっ!消火器あるやん!何式の奴だろ?」

とつい目がそちらに向くようになりました。

 

ということを職場の人に話したら

 

「気持ち悪いなぁ(笑)」

 

って言われました。

 

ボイラーマンの資格取得記⑥甲種危険物取扱者~合格体験や勉強方法など~

 

【概要】

以前に乙種4類の話を書きました。

 

doragonking.hatenablog.com

 

今回はその最も上位にあたる「甲種」の話をしたいと思います。

 

最もメジャーな乙種4類はガソリンや重油などを扱えますが、甲種を取れば1類~6類に分類されている危険物全てが取り扱えるようになります。

 

大概のプラントで取り扱う危険物は乙種4類と、多くてもあと2種類くらいしか取扱うことは無いので、実際に甲種が必要なプラントは多分相当限られていると思います。

(そんな危険物まみれの職場で働きたくない・・・)

 

あと甲種の受験には一定の資格が必要で、これを満たしていないとそもそも受験ができません。その資格とは

①大学で化学関係の単位を15以上取得している

②危険物取扱経験が2年以上ある

③乙種1又は6類、2又は4類、3類、5類を取得している

などです。

 

大学の単位は社会人になってからでは満たせない為、大学で化学を専攻していない社会人で受ける人は、ほとんどが③の乙種を4種類以上取らなければ甲種を受験できないことになるのでけっこう面倒くさいですね。

 

【課目と合格点】

・危険物に関する法令:15問

・基礎的な物理学と化学:10問

・危険物の性質並びに火災予防及び消火方法:20問

 

それぞれ点数が60%以上で合格(課目合格制度なし)

他の乙種の試験と科目は一緒ですが、最後の「危険物の性質や消火」に関する問題数が乙種は10問に対して倍の20問となっています。

 

【合格率と難易度】

個人的難易度を5段階で表すと

(5:難しい、4:やや難しい、3:普通、2:やや簡単、1:簡単)

甲種・・・3:普通

 

色々なサイトに甲種はそこまで難易度高くないみたいなことが書いてあります。

実際に勉強&受験した身としては、確かにそこまで難しくは無いですがそうやって油断してたら高確率で落ちます。

 

法令は他の乙種とさほど変わりませんが、化学・物理学は乙種と比べたら相当レベルの高い問題が出題されます。(エネルギー管理士・特級ボイラー技士などを取得していた私ですらけっこう難しいなと思うレベル)

また危険物の性質・消火についても当然ですが1~6類全ての危険物についての知識が問われるので、けっこうがっつり暗記しないといけません。

 

平成31年度危険物試験実施状況~

年度 区分 甲種 乙種 丙種 合計
1類 2類 3類 4類 5類 6類 乙種計
R1 申請者 1,288 702 628 809 11,631 757 734 15,261 727 17,276
受験者 1,068 672 603 768 10,042 724 710 13,519 694 15,281
合格者 412 477 427 568 4,579 513 473 7,037 431 7,880
合格率 38.6 71.0 70.8 74.0 45.6 70.9 66.6 52.1 62.1 51.6

 

合格率はだいたい30~40%程度なのでそこまで低いわけでもないです。

 

ただし、乙種は受験資格が無いのに対して甲種は受験資格があります。

しかも甲種が実際にいる所はあまりないので、受験する人は(多分ですが)自らの意思で勉強し、受験しにくる人たちになります。

誰でも受けれる乙種の受験者と比べたら段違いにレベル・やる気は違ってきます。

 

つまりある程度の危険物や化学関係の知識をもった、それなりにやる気のある人たちが受験して4割程度しか受からない、ということになります。

 

甲種がレベル低い・簡単と言われているのは単純に

「年間で受験できる日数が多いので仮に落ちてもすぐまた受験できる機会がある。」

という所だけだと思います。

 

【受験動機】

その年に受験する予定の資格が公害防止管理者水質3種のみだったので、その試験日10月までが暇だなぁと思い1月~5月くらいまでに試験のある工業系資格を探している際に甲種にたどり着きました。

 

更に私は大学で化学を専攻しており化学系単位15以上の受験資格をまさに満たしていた為、公害防止管理者受験までの暇つぶしとして申し込みました。

 

【合格体験と勉強方法】

勉強期間:3か月(60時間程度)

使用した教材:

(参考書)

・わかりやすい!甲種危険物試験(弘文社)

わかりやすい!甲種危険物取扱者試験 (国家・資格シリーズ 103)

わかりやすい!甲種危険物取扱者試験 (国家・資格シリーズ 103)

 

 

工藤本と呼ばれるらしい。

評判が良いので購入してみましたが、確かに見やすくて良い参考書でした。

賛否両論あるごろ合わせでの暗記方法も、個人的には覚えやすく良かったです。

 

(問題集)

 ・甲種危険物取扱者試験(公論出版)

甲種危険物取扱者試験 2019年版

甲種危険物取扱者試験 2019年版

 

 メインで使用した教材。

「この問題集からそのままの問題が出ました!」

という胡散臭いネット情報を信じて勉強した結果

 

本当にそのまま出とるやんけ!!

と、試験中驚きました。

 

そのままとまではいかなくとも、ほとんど似たような問題も多く出題されてました。

時間が無い人や最小限の勉強で抑えたい人はこの問題集だけやり込めば多分大丈夫だと思います。

 

乙種4類・甲種とこの公論本のおかげで合格できており私の中で

「消防関係の資格は公論本がセオリー」説が誕生しました。

 

関係ないですが消防設備士の試験を現在勉強していますが、当然問題集はこの公論本1本です。

 

・本試験形式!甲種危険物取扱者模擬テスト(弘文社)

本試験形式!甲種危険物取扱者 模擬テスト (国家・資格シリーズ 263)

本試験形式!甲種危険物取扱者 模擬テスト (国家・資格シリーズ 263)

 

 公論本の欠点を敢えて言うなら、「本番形式じゃないからどの分野がどの程度の割合出るかよくわからん」所なので、この問題集で技量試しを行いました。

5回分の試験方式で問題だ出されているので、本番さながらの試験勉強が出来ます。

ただし、メインとするには少し物足りない感も否めません。

 

「公論本をメインで問題解きつつ、暗記したい箇所を工藤本で覚える」

というのが私が行った勉強です。

ネットでそこまでの難易度じゃないという評価だったのと公害防止管理者までの繋ぎとしか考えていなかったため、勉強する前はそこまで必死に勉強する気は無かったのです。

が、問題集で物理化学や危険物の性質をやりだしてから乙種4類との難易度や暗記量の差にあせり、そこから必死に勉強を開始しました。

特に危険物の種類と性質などはエクセル表で一覧を作成し暗記しました。

 

○エクセル表例:各類についての特徴をひたすら羅列

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勉強比率としては

法令3割:物理化学3割:危険物の性質4割

といった感じで、暗記量多めの性質を気持ち多めに勉強しつつも課目合格制度がないので他の科目もそれなりにやり込みました。 

 

・結果

法令:12点/15点(80%)

物理化学:9点/10点(90%)

危険物の性質:16点/20点(80%)

 

参考書と問題集を駆使しけっこうやり込んだ結果、全科目8割以上での合格となりました。

特に物理化学は公論本の問題がほとんどそのまま出てたため余裕でした。

他の科目でも公論本そのままの問題が一定数あったのでまさに公論本様様です。

 

【最後に】

他のサイトでも物理化学は意外と難しいと言われていた通り、普通に勉強すると耐性のない人だと苦になるレベルで難しいです。

しかし上記に何度も書いたように、問題集をやり込んでいればほとんど同じ問題がでるという点が救いであり、甲種が簡単といわれる所以だと思います。

 

法令と危険物の性質についてはひたすら暗記しかありませんが、これも問題集から似たような問題が出ますので、勉強量はいるものの難易度が高い資格ではないのでこれから受験を考えている人は、「それなりに覚悟」し、でも「そこまで気負わなくても大丈夫」だと思っていてください。

詰りトラブルが起こりすぎな件

 以前にプラントトラブルの例として燃料などの詰りトラブルを紹介しました。

doragonking.hatenablog.com

 

現在私のプラントでは燃料搬送系統の詰りトラブルがそれはもう頻発しております。

 

恐らく原因はこの所世間を騒がせている大雨が連続していることによる湿りが燃料に影響し、コンベア内に付着しやすくなっているせいだと思われます。

 

日中に詰まる分には人手もあるし構わないんですけど、これが夜勤中なんかに起こるとめんどくさいです。

 

自分達で除去できるレベルならまだしも、足場を組んだり配管外したりしなければならないような大規模な詰りだともう諦めるしかありません。

 

昨日はまさに夜勤中に詰まっていたので、朝までそのままプラント運転を継続させてました。

ボイラーの燃料搬送系統は1箇所が停止していても、他の系統からバックアップができるような設計がされているのでコンベア1つが停止していてもなんとか運転はできるのです。

 

そして今、こうやって職場でブログを作成している後ろで、皆が詰りを除去しようと頑張って動いてくれています。

 

頑張れ皆!!私の為に早くトラブルを解決してくれ!!

 

 

・・・私も手伝えと?

 

嫌だよ。汚れるし疲れるもん☆

新たなる資格への挑戦~消防設備士乙種6類受験決定~

少し前に公害防止管理者水質3種を受験した記事を書いて、2週間が経ちました。

 

doragonking.hatenablog.com

 

受験後はのんびりゲームとかを楽しんでいたわけですが、1週間程してから私にとある異変が起こり始めました。

それこそ私をここ数年苦しめている持病。

 

「資格勉強欠乏症」

 

です。

この症状は2012年にエネルギー管理士を取得したあたりから発症し、長年苛まれ続けています。

 

この持病は発症すると、とにかく何でもいいから勉強していないと落ち着かなくなり、放っておくと貧乏ゆすりなどの初期症状が起こりだし、末期症状になると

「勉強・・・勉強したい・・・勉強しなきゃ・・・ハァハァ」

といった妄言を呟きながらあらゆる資格サイトを検索し始めます。

 

こうなったらもうおしまい。

なにか資格の参考書を読まなければ最悪死に至る非常にやっかいな病気なのです。

 

 

というわけで何か今年の冬から春にかけて行われる資格を検索し、とりあえず決定したのが

消防設備士乙種6類

になります。

www.shoubo-shiken.or.jp

 

 

危険物取扱者と同じ消防試験研究センター主催の国家資格で、火災が起こった時に消火するための設備(消火器やスプリンクラー等)を点検・整備を行うための資格です。

 

甲種・乙種とあって甲種は点検・整備の他工事も行えるようになります(乙種は点検・整備のみ)

 

取り扱う消火設備の種類に合わせて甲種は特類+1~5類、乙種は1~7類まで分類されており、私が受験を決めた乙種6類では、消火器を取り扱うことが出来るようになります。

 

決めた理由としては、

危険物取扱者やボイラー技士などといった工業系資格の一つである

②難易度がそれほど高くないので、そこまで本気で勉強しなくてもよい

③試験日が年に複数回あるので万が一不合格でも気が楽

④消火器は一応職場にもあるためプラント業務にちょっとでも絡んでいる

この4点を満たしていたのでリハビリには丁度良いと考えた為です。

 

来月から受験申込が始まり試験日は12月初旬なので時間はそこまで余裕はないですが、

本命で狙っている次の資格は軒並み9~10月に固まっているのでそれまでの繋ぎとしては申し分ない資格だと思います。

 

問題集も今日届いたので、さっそく職場で勉強再開と行きます。

 

この光景を見たクレイジーエレクトロマスター(職場の電気主任者の通称)はどうせ

「また無駄な資格取って(笑)気持ち悪い(笑)」

って馬鹿にしてくるんだろうなぁクソが。

 

 この資格取って必ず奴を消火泡まみれにしてくれるわ。

奴は電気タイプなので電気火災なら水噴霧消火設備や粉末消火器(リン酸塩類)、ハロゲン化物消火設備なんかが効果的でしょうね。

あと一応、水消火器や強化液消火器でも棒状放射型のタイプは無理だけど霧状噴霧型のタイプは使用可能だしこれでもいけるかな・・・

あ、ちなみに他の危険物ならほとんど消火可能な乾燥砂や膨張石なんかは電気火災には不向きなので注意しないといけませんね♪

 

 

・・・こんなことばかり言ってるから気持悪がられるんだよネ☆

プラントの台風対策について

先日12日、日本に未曾有の台風がやってきました。

 

長野や関東方面では甚大な被害を受け、水害や大規模停電等も各地で起こり今も復興が続いている様です。

 

私の地域では幸いそれほどの被害は無かったのですが、台風は地震などと違って事前に予測ができる自然災害の為、私たちプラントの運転員は今回のような台風襲来が予報されるときは、必ず台風対策を行っています。

 

【台風準備】

①土嚢の準備

プラントには油タンク・排水槽・輸送コンベア等がある地下ピットが多く存在します。そういった地下へ大量の雨水が侵入し設備にダメージを与えるのを防ぐため、あらかじめ地下へ行くラインへは土嚢を配置しておきます。

 

②排水ポンプの準備

どんなに雨水侵入対策をしても予想外の箇所から水が浸入してしまうことは多々あります。

そんな時の為に携帯できる小型排水ポンプを準備しておき、万が一雨水が溜まっている所があれば排水ポンプを設置して雨水を野外へ排水します。

 

◎排水ポンプ例。これにホース等を繋いで排水します。

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③各所固定作業

現場には普段使用している工具用棚や掃除用具入れ、カラーコーンや作業台といった備品が各所に配置されています。

普段は問題ないですが台風のような強風が発生すると、こういった重量のある備品ですら飛ばされてしまう危険が有ります。

なので、こういった備品は他の倉庫内へ撤去しておくか、ロープやテープ等を使って現場の手摺りなどに固定しておくことで飛散する危険を無くしておきます。

 

④各所養生作業

普段野積みになっているコンテナやタンク・缶などは通常の雨程度であればそのままでも問題無いのですが、台風などとなると内部に大量の雨水が混入してしまう恐れがある為、こういったものにはブルーシート等で覆うなどして雨水混入対策を施しておきます。

 

⑤防液堤排水弁封鎖確認

薬品や油タンク周囲には漏えい時に周囲への拡大を防ぐための防液堤が必ず存在します。

この防液堤の排水弁は普段から閉止してあるのが普通ですが、雨水がだんだん溜まっていった時などはたまにこの排水弁を開けることがあります。

なので台風など雨が多く降る時はむしろ開けておきたいところですが、万が一飛散物などでタンクが損傷し薬品や油が漏洩した時にこの排水弁が開いていると川や海に直接この液が排水されていってしまう危険がある為、台風前にはこの排水弁が確実に閉止されているかをしっかり確認する必要があるのです。

 

【台風時】

台風対策を行ったら、後は台風が過ぎ去るのを静かに待ちます。

 

台風時は思いもよらぬトラブルが起こる確率が高いので、ひたすら何も無い事を祈るばかりです。

 

ちなみに今回の台風時、私のプラントでは

・普段故障しないような設備が重故障を起こした

・燃料系統がやたら詰まった

以上2点の不具合が発生しました。

 

この程度で済んでくれてラッキーでしたが、運が悪いと送電系統が故障する事による

「所内単独」「ブラックアウト(全停電)」が発生します。

このトラブルについて語ろうとすると長くなりそうなので、また後日にします。

 

【台風後処置】

台風が無事に過ぎ去ってくれたら次は通過後の作業も発生します。

それが「台風後現場点検」となります。

 

台風が通過した後に現場をざっと見まわって、何か異常が無いかを点検します。

今回の台風では特に目立った影響はなさそうでしたが、私の経験では

・保温材の飛散

・工具棚や倉庫など重量物の転倒

・飛散物によるバルブの破損

・電気室や倉庫などへの各所浸水

・鉄板や扉など予想外の物が破損し飛散

などが発生した例があります。

 

これらの被害は発見できないと後日二次災害を引き起こしかねないので、台風後チェックは入念に行う必要があります。

 

 

ざっとこんな感じでしょうか。

 

皆さんが家で台風対策をするのと同じで、私たちボイラーマン達もプラントへの台風対策を色々行って設備を保護しています。

 

自分たちのプラントを停めないことが重要だから行うことですが、発電所等インフラに関わる事業は何かあって止まってしまうと色々な所に迷惑や不便を掛けることになりますので、私たちボイラーマンはプラントを停める事の無いように頑張っています。

 

 

 

 

 

 

 

私が内心

(なんかプラントで大きなトラブル起こってくれたら楽しいことになるだろうなぁ♪)

とウッキウキだったことは秘密☆

 

 

 

ボイラーのトラブルについて~詰り編~

今回も引き続きプラントで良く起こるトラブルの一つ

「詰り」について語っていきます。

 

興味ない?

 

知らんわっ!!

 

くぜ☆

 

 

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【概要】

 前回記事でも語っていましたが、

プラントを巡る配管やコンベアの中には液体・気体・固体あらゆる状態の物質が

搬送されています。

doragonking.hatenablog.com

 

その内部物質がうまく搬送できずに配管やコンベア内に局所的に堆積していくと、

その内搬送できなくなって「詰り」トラブルを引き起こします。

 

この中でも「気体」が詰まるというのはまず無いですので、液体もしくは固体物質がほとんどです。

 

液体もよっぽど詰まる事は無いですが、例えば寒冷期に搬送量や流量が少ない液体配管だと「凍結」により詰りが発生したり、配管内に設置されているストレーナと呼ばれる

微量なゴミをろ過する所にゴミなどが堆積したりすることで、間接的に詰りトラブルが発生する事が有ります。

 

詰りトラブルで最も多いのは、「リーク」と同じで固体物質です。

特にその粒径が細かく、含水量が多いほど詰まりやすい傾向にあります。

詰る原因は

 

①局所的に流れの悪い箇所が有り、そこへどんどん堆積して詰まる

②内部に水分が入り込み、内部物質が固化して詰まる

③異物が入り込み配管内などを塞ぎ、そこへ物質がどんどん堆積して詰まる

などがあります。

 

これの他、想定より搬送量が多すぎたり少なすぎたりする際に①~③が重なってもよく詰まります。

 

【詰りの発見方法】

詰りはリークの際と違って、内部で現象が起こっている為現場を見まわるだけでは中々発見できません。

詰りが発見できるのは大抵、トラブルが起こってからになります。

 

詰りが起こりやすい箇所には配管なら圧力計、コンベアなら詰り検出器のようなものが取り付けられています。

 

圧力計ならば、普段の圧力よりもどんどん圧力が上がってきていれば内部で詰りが起こっている可能性が有ると推測できます。

 

コンベアの場合は詰りが起こると詰り検出器が検知して、コンベアを自動停止させるようになっています。

 

このように詰りトラブルが発生した場合は、現場で詰まった物質を掻き出して掃除する作業が発生する為、ボイラーマンのテンションはだだ下がりします。

しかも、大抵詰まる所というのはプラントによって癖があり同じところで詰まるもので

 

「またあそこで詰まっとんな・・・」

 

と嫌々現場へ向かうボイラーマン達を見る事ができます。

 

【詰り時の対策】

詰りトラブル時の対処法は以下種類があります。

 

①ハンマーなどで配管をどつく

まず試みるのは振動を与える事で内部の堆積物を崩すことです。

注意点として、ただの鉄ハンマーで配管を叩いてしまうと配管がへこんでしまい、

今後そのへこんだ部分に堆積しやすくなるという悪循環を生む恐れがあります。

 

なので、「ショックレスハンマー」という衝撃を緩和するハンマーを使用する事が多いです。

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ただの鉄ハンマーで配管をどついていると先輩から

「ショックレスハンマー使えや!!」

って自分がどつかれちゃうので注意しよう♪(うまいっ!!)

 

②長い棒などで突く

中に物を入れれる場合は、詰まっている所まで棒を突っ込んでひたすら突いて堆積物を崩すのも手です。

 

注意点としては詰りが取れた時に、内部圧力が掛かって吸い込まれたり、逆流した物質が自分に降りかかったりする可能性が有る事。

また突いてる棒自体を中に落とす可能性が有る事などです。

 

③水を流しいれる

あまりポピュラーでは無いですが、内部物質によっては中に大量の水を流しいれることで堆積物を崩すことも可能です。

 

・水をいれると逆に固化がすすむ可能性が有る

・流しいれた水が搬送先で二次災害を起こす可能性がある

など、使える場面はけっこう限定されますが、この方法を使えば広範囲・大規模な詰りにも有効な為、もし使用できそうなら試しても良いかもしれません。

 

④ストレーナやフィルターを交換・清掃する

液体配管で詰まった際にはこのストレーナやフィルター類が詰まっている事が大半ですので、それらを交換・清掃してやれば解決します。

 

詰りトラブルはリークトラブルと違って、そのまま放っておくということができにくいので、もし詰りトラブルが起こったら上記対応で何とか詰りを解消しようともがくボイラーマンの姿を見る事が出来ます。

 

【最後に】

皆さんが普段生活する中で詰りトラブルに遭遇することはどれほどあるでしょうか?

 

さすがにハンマーでド突いたり棒で付くようなことはないかもしれませんが、フィルター清掃程度ならだれでも経験あると思います。

 

後はトイレ詰りくらいですかね?

ラバーカップはちゃんと常備しておかないと、いざ詰まった時に大変ですよね。

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でも安心して下さい。

ラバーカップが無くったって

このブログを見たあなたなら、もう対処法は分かりますよね?

 

 

 

 

・・・そう、大量の水を流し入れれば良いんです。

どこからでも良いのでホースを引っ張ってきて、大量の水を便器に放水してやりましょう。

高圧洗浄機なんかある場合はそれを使用したらなお良いですね。

 

 

 

家族から

「こいつ頭おかしい」

って言われます。

 

 

ボイラーのトラブルについて~リーク(穴あき)編~

ボイラーマンなのに全然ボイラーの話が出来なかったので、久しぶりにボイラーについて語ります。

 

皆、(興味ないだろうけど)付いてきてくれよな!!

 

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【概要】

今回はボイラー設備でよく起こるトラブルであろう、「リーク」についてです。

 

リークとはその名の通り「漏れ」を意味します。

ボイラー設備には空気・水・蒸気・薬品・油・燃料といった、固体・液体・気体問わず様々な物質が配管やコンベア等を通して搬送されています。

 

プラントで働いていると、そんな搬送設備に穴が空いて輸送物質が外部に漏れだすトラブルがよく起こります。

 

◎こんな感じで穴が空く

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そもそも漏れる原因としては、配管が経年劣化で腐食・摩耗して起こる事が多いですが、割と新しい箇所でもリークすることがあります。

新しい箇所でのリーク原因は、

①局所的に内部物質がよく配管にあたる箇所がある

②フランジやパッキンの締め付けが悪い

③内部物質の搬送量が想定より多すぎる

等が考えられます。

 

特に①は私のプラントでも多発してました。

漏れる物質は、固体関係(例えば燃料として使う石炭や、燃え殻として出てくる灰とか)の配管なんかは摩耗しやすいのでよく漏れます。

 

蒸気や水とかの配管は、摩耗で穴が空くといったのはよっぽど経年劣化や保全不足でない限り大丈夫ですが、パッキンやフランジなんかの継ぎ目から少量が漏れだすことはあります。

 

【リークの発見方法】

リーク時は明らかに周辺がリークした物質まみれになっているので、現場を見まわっていればすぐ気づきます。

 

ただ、空気や蒸気などは透明で見えずらいので、音だけではどこがリークしているのか見つけづらいです。

 

そんな時は、石鹸水をいれたスプレーをあやしい箇所に吹きつければボコボコと泡立つので発見しやすいです。

 

また、負圧になっている所ではお線香の煙を配管に近づけて煙が吸い込まれた箇所でリークチェックすることもあります。

 

少量のリークはこのように現場に行かないと発見しにくいですが、これが大きなものになると、中央操作室のモニター内でも圧力や温度がやたら増減しだすので、こうなったら

 

「まーたあそこで吹きよるな・・・」

 

てな感じで嫌々現場に向かうボイラーマン達の姿を拝むことができます。

 

【リーク時の対策】

では、実際リークしてたらどうするか?

 

答えは簡単。塞げば良いんです。

 

一重に塞ぐといっても方法は多種多様に渡ります。

 

①パッチ当て

漏れた所に丁度良い鉄板などを当て溶接で止めます。

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漏れは確実に防げますが、資材と溶接できる人が必要です。

 

②テーピング

養生テープなどでリーク箇所をぐるぐる巻きにします。

誰でも簡単に行えます。

ただし水や蒸気など液体・気体には効果薄いです。

あくまで緊急補修用。

 

③パテを使用

手でこねると鉄の様に固まるエポキシパテが存在するので、それを使用して補修します。

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誰でもできるし、割とどんな箇所にも使用できるので、私のプラントでの使用頻度はダントツに高いです。

 

パテで固めてさらに②のテープでぐるぐる巻きにすれば応急処置としては上出来です。

 

他にもゴムシートと番線を使った補修等も有ります。

 

どれで補修するにせよ、内部物質の搬送を止めて補修できれば良いのですが、止めれない場合は漏れた物質にまみれながらテンションだだ下がりで漏れ補修するボイラーマンの姿を拝むことが出来ます。

 

 

上記に挙げたのはあくまでも「仮補修」で、本当にリークを止めたいなら配管自体の交換を行ったり、場合によっては材質や形を変更したりすることもあります。

 

リークしてても水や砂みたいに環境や人体に影響の少ないものなら最悪漏れっぱなしという所もあるかもしれませんが、これが薬品や油といった有害なものがリークした場合は大事になります。

 

なので、どのプラントにも必ず「ガス」「薬品」「油」などについては漏洩災害時の対応マニュアルが整備されてます。

 

【最後に】

リークについてはプラントに限らず、普段住んでいる家とかでも起こりうるトラブルです。

 

いざ漏れた時の為に簡易補修用のテープ類なんかは常備しといても良いと思います。

 

何なら普段から持ち歩き、周辺に配管を見かけたら是非リークチェックし、漏れてたら仮補修してあげても良いですね。

 

周りにも是非進めてあげて下さい。

 

「君頭おかしい」

 

って言われます。